「まっとうすぎるほどの西部劇」マグニフィセント・セブン Atsushiさんの映画レビュー(感想・評価)
まっとうすぎるほどの西部劇
今の時代に西部劇・・・ということでCGやワイヤーアクション満載のなんちゃって西部劇かと思っていたら、良い意味で予想を裏切られました。「荒野の七人」をトレースするというより、西部劇の王道をトレースする正当な映画でした。デンゼル・ワシントンがゲーリー・クーパーに見えました。
黒澤へのリスペクトとしては、「七人の侍」もそうですが「用心棒」や「椿三十郎」へのオマージュも垣間見えました。「またカメラアングルが低めからの仰角が多かったのも、あるいは同じ日本の巨匠の小津映画へのオマージュかもしれません。これはうがちすぎか?
七人のキャラクターもしっかり立てられていました。ケビン・ベーコンはおいしいところ持ってくなあ、いつも。
しいて不満を上げるなら(まあ評論家が突っ込むでしょうが)、インディアンへの視点、世界の警察と称して他国の非戦闘員を大量殺戮するアメリカという国家システムへの視点が欠如していることかな。盛り込もうと思えば盛り込めたんですけどね。
いずれにしろ7人のうち生き残ったメンツを見ると、現代のアメリカの状況が垣間見えますね。
そういったへ理屈はおいといて十分楽しめる映画です。今も西部劇という市場が生きていたなら中ヒットくらいはした映画でしょうね。
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