「マイノリティ頑張れ映画!」マグニフィセント・セブン showさんの映画レビュー(感想・評価)
マイノリティ頑張れ映画!
黒澤明の1954年に公開した時代劇「七人の侍」を、
1960年に西部劇としてリメイクした「荒野の七人」を、
2016年にまたまたリメイクした、最近のハリウッドでは珍しい本格西部劇。
西部劇の名作をリメイクするということで、デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンと、キャストも豪華!
個人的には「七人の侍」は学生時代から何回か観ていましたが、「荒野の七人」は恥ずかしながらいままで観たことがなく、本作が公開するってことで慌ててレンタルして観た次第。
それくらい西部劇には疎い自分がハマれるか不安ではありました。
しかも、肝心な七人が、黒人に白人にメキシカンに韓国人にインディアンなどなど…「こんな七人で、はたして成立するのか?!」と不安でしたが…ノープロブレム!!
それぞれのキャラの立ちっぶりにワクワクが止まらず、マイノリティの彼らが奮闘する姿にワクワクがさらにヒートアップして、
三幕目はアドレナリンマックス!
何度も心の中で「WOW!」の連続で、
血液が沸騰状態のままエンドロールで「あの曲」が流れた時には、「カッコ良すぎだろ!!」と地団駄踏むほどでした。
本作は、メインプロットこそ「荒野の七人」を下敷きにしていますが、新作と言っていいほどの脚色されていて、
「荒野の七人」を観た際に感じた不満部分が解消されていたのも良かったです!
個人的には「七人の侍」のリメイクって言えるくらい、元ネタ寄りだったと思います。
「荒野の七人」よりも、それぞれのキャラは丁寧に描かれていますし、三幕目の戦闘もちゃんとロジックがしっかりとした作りになっています。
とくに秀逸だったのは、先述した「七人のマイノリティたちが悪を成敗する」という脚色部分。
不安要素どころか、移民を排除しようといている今のアメリカの情勢へのアンチテーゼとも取れて、非常に今っぽい作りになっていました。
タイトルの「マグニフィセント」とは、「格調高い」とか「素晴らしい」とか「見事な」とか、そういった意味があるそう。
そんな「マグニフィセント」な人々を排除しようとする動きを止めるために、いまこそアメリカ国民は彼らのように立ち上がる必要があるのではないでしょうか。