「悪人やっつけるより子育てのが大変」インクレディブル・ファミリー ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
悪人やっつけるより子育てのが大変
スーパーヒーロー映画として見た時の本作の特異な点は、日常生活とヒーロー活動が等価に描かれる点だ。前作は、しがないサラリーマンとして苦悩するボブの姿が印象的だったが、今回はボブが家事・育児をしる間、イラスティガールことヘレンがヒーロー活動をすることでさらに日常の大変さが強調されている。
ステレオタイプなアメリカ男なボブは、育児も家事もからっきしである。そんな彼からしたら、ヒーロー活動よりも大変なことである。バード監督は、ここに子育てはヒーローとして平和を維持することと同じくらい重要なことだとメッセージを込めた。
イラスティガールの活躍が多いのも、昨今の女性のエンパワーメント的を支持するハリウッドの潮流も影響あるだろうが、前作で強調できなかったヘレンの元々持っていた一面でもある。
メディアを通じて大衆を洗脳する悪役というのも現代社会を顧みると考えさせられるものがある。スカッとする内容ながら、複雑な社会も反映されている。家族で観て楽しんでからいろいろ議論もできるだろう。
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