劇場公開日 2018年8月1日

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「14年という年月。」インクレディブル・ファミリー せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)

4.514年という年月。

2018年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

それをここまで巧みに昇華させることができるピクサーの自力の高さにはさすがの一言しか出ません。

かの「ミスター・インクレディブル」から14年。様々な作品が続編・リブートされる中で、長きに渡り沈黙を続けてきた"スーパーヒーロー"ファミリーが帰ってきた!と聞いたら観に行くしかないでしょう!

14年もの年月――。技術は大きく進化しており、その恩恵を受ける形で画がさらに綺麗になっているのが冒頭からわかります。アクションシーンは実写にも劣らない迫力あるものになってきていましたね。
一方で、14年経っても変わらずに進化したことがひとつ。それは作中の雰囲気・世界観。
今作は前作の終わりからダイレクトに続く形ではじまっていたり、前作以上に「家族」にフォーカスが当たりかつ深堀りがされていて、前作から続きを渇望していたファンにとっては本当にたまらない内容になっています。
(´-`).o(とにかくジャック・ジャックのかわいらしさが本当にもう、良いですネ)

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14年もの間、映画を取り巻く環境も大きく変わったような気もします。
昨今、様々な社会的な問題や世相を暗に含める"すぎる"ことで、
本来のメインターゲットであるべき「子どもたち」に難しい内容になりがちな作品が増え始めている中、前作から変わらず「家族や仲間との絆、愛」が主軸となって、世界から危機を救うという展開に安心するとともに、どこかうれしさを感じる自分がいました。

ただ、ピクサー作品がそれで終わるわけがありません。
前作へのリスペクトを残しつつメッセージを出しゃばらない程度に送ってくるのはさすがのひとこと。
情報過多な現代を生きる私たちへの警鐘とどう日常を生きていくべきか?を登場キャラ(主に子どもたち)の成長を通じて教えてくれたような気がします。

また、特筆すべきは音楽のクオリティ。今年上映された作品の中で1,2を争うレベルだと声を大にして言いたいです。
特にエンドロールで流れる音楽が必聴です。
エンドロールだけでももう1回観たいと強く思わせるクオリティになっているので、決して劇場が明るくなるまで席を立たないでほしいです。

14年という年月をここまで巧みに昇華させてくれたことに加え、子どもも大人も別の視点から楽しめる要素が盛り込まれている。
この夏、安心安定のすべての人々に観ていただきたい作品です。

せっちゃそ