「70‘sモダンアートに彩られたレトロゴージャスなスパイ映画」インクレディブル・ファミリー よねさんの映画レビュー(感想・評価)
70‘sモダンアートに彩られたレトロゴージャスなスパイ映画
アメコミヒーロー再興の先駆けとなった2004年公開の『Mr.インクレディブル』の続編。前作での活躍も虚しくまたスーパーヒーロー達の活動が非合法になってしまい、ボブ達はモーテル住まいの肩身の狭い生活を余儀なくされる。そんなところに声をかけてきたのがテレコム企業デヴテック社の社長ウィンストン。幼い頃からスーパーヒーローに憧れてきた彼は、何とかしてスーパーヒーローの活動を合法化するためにヘレンの活躍を大々的に宣伝し大衆の支持を得ようと提案。ボブが家事と育児を引き受けヘレンはエラスティガールとして現役復帰し世間は狂喜するが、そんな喧騒の背後で巨大な陰謀が淡々と準備されていた。
目に飛び込んでくるもの全てが70' s調のモダンアート、聞こえてくるのもダイナミックレンジいっぱいに鳴り響くオーケストラサウンドと実にレトロゴージャスなスパイ映画風味。しかしテーマは前作から180度転換して極めて現代的で、主役もほぼエラスティガール。登場するスーパーヒーロー達のスキルのバラエティも豊かで眼福、およそどこにも死角のない老若男女問わず楽しめる傑作ですが、前作にあった挑戦的なバイオレンスとアダルト風味が消え失せているのはちょっとだけ寂しかったです。
コメントする