「私は何一つ満足できなかった」銀魂 あいうえおさんの映画レビュー(感想・評価)
私は何一つ満足できなかった
もともと実写化には反対で、監督の代表作である勇者ヨシヒコも観たことがない者です。銀魂はずっと前から愛読しているファンです。
好きだ、よかったと言う人には申し訳ないのですが、映画としても、実写版としてもクオリティはかなり低いなと感じました。
あの世界観を作り出すためにCGは不可欠だと思いますが、あまりにも稚拙すぎる。個々のキャラの魅力も活かされてるとは感じず、全編を通してドタバタと騒がしかっただけのように感じます。特に新八というキャラは地味で見た目は弱そうですが、内面的な逞しさがあると思っていたのに、実写版で菅田さんが演じていた新八はただの貧弱者な印象を受けました。
そしてなにより、途中途中に入る寒いギャグが失笑ものでした。原作ではシリアスに進んでいくところも、意味のないお笑いシーンが挟まれて、メリハリもなくグダグダと間延びしているように感じ、上映中にまだ終わらないのかと幾度も腕時計を見てしまいました。
ちょくちょく入るパロディも陳腐に感じました。そういった要素は監督の作品の特徴ではあると聞いてはいたのですが、あまりにその色が出すぎてて、私は途中で置いてけぼりのようになりました。銀魂を観ている気がしなくなってきました。
そして何人かの方がおっしゃてますが、ラストにかなり不満を感じました。あそこで高杉と銀さんを戦わせる必要があったのか。確かにそっちのほうが見応えはあると思います。主人公が一番の敵と1戦交えたほうが、原作を知らない観客からしたら2人関係性や高杉という存在を理解しやすいからです。でも、紅桜篇は最後の銀さんと桂のシーンがあってこそ、そこで交わされるセリフがあってこそだと個人的には思ってたのです。
正直、始まりから終わりまで疑問と違和感と不満が残る作品でした。ミツバ編はキャストに不満はあってもそこそこ見れる作品で、劇場版も少しは期待していたのですが非常に残念です。
2時間弱の上映時間、有意義な時間とは言い難かったです。