劇場公開日 2017年1月28日

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「確かに奇跡ですね」キセキ あの日のソビト スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0確かに奇跡ですね

2017年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

キセキの誕生秘話やGReeeeNの結成秘話と言う点で見るとやや物足りなさも残るストーリー構成でしたが、ヒデとジンの兄弟の、いや、この家族の物語と言う点で見れば非常に見応えのある内容の作品でしたね。
まあGReeeeNファンの方からすればそんなの知ってて当然の話なのかもしれませんが、大ヒットした数曲しかちゃんと聴いてない、嫌いではないけど特別ファンでもない者からしたら、なるほどこんな物語があって今のGReeeeNがあるのかと、ジンとヒデの厳格な父親に見ているこっちもドキドキしつつ、感動的な話もあったりで、十分楽しませてもらいました。
多少設定は変えているようですが、今の形のGReeeeNが誕生したことこそキセキとも思えるような彼らのストーリーには、もう感心させられっぱなしでしたよ。

しかしヒデとジンの父親がいくらなんでも怖すぎでしょ(笑)
食卓が冷え込んで見えましたよ・・・。
でもこの家庭があればこそ今のGReeeeNが存在すると考えると、人生って本当にどうなるか分らないものだなとじみじみ。
人の心をケアできる音楽を世の中に配信しながら、ちゃんと歯医者としても現実に活躍している人がいるなんて、改めて凄いなとホント感心しきりでした。
それにしてもラストのお父さん、いい味出していたなぁ、さすが小林薫です、それと対照的な天然ほんわかお母さんの麻生祐未も可愛らしくて良かったです!

兄弟の物語も見応えたっぷりでした。
これは今が旬の松坂桃李と菅田将暉が演じたからこその見応えだったとも言えましょうか。
それぞれの苦悩・葛藤が彼らの演技によってグッと伝わってきました(しかし2人とも歌が上手すぎ!)
それと同時に、自分のやりたい音楽を好きなようにメジャーでやり続けられる人間なんて、ほんの一握りなんだなと再認識、そこで顔を出さずにずっと活躍し続けているGReeeeNの凄さも改めて思い知らされましたよ。

ただヒデ以外の3人について、ほとんどどうでもいい扱いになっていた辺りはGReeeeNの物語としてはやや話が弱かったかな。
あくまで松坂桃李と菅田将暉ありきの映画になっていましたからね、兄弟のサクセスストーリー以外にも、もう少しグループ内の紆余曲折も知りたかったです。
あと忽那汐里が演じたヒデの彼女の存在感が、最初はなかなかの存在感だったのに、いつの間にか普通になっていたのが何か勿体無かったなと。
まあでもいろいろ詰め込みすぎないで、焦点を絞ったからこそスッと入ってきた部分もありましたから、これはこれで悪くはないと思いましたし、もっとGReeeeNの曲を聴いてみたいとも思わされた作品ではありましたね。

スペランカー