「リピートせずにはいられない」忍びの国 優さんの映画レビュー(感想・評価)
リピートせずにはいられない
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日頃映画を観てもレビューを書こうとは思わないけど、この作品についてはどうしても語りたい。
ときに「エンターテイメント性が高い」という表現はちらかってる印象の作品に使われることがあると思うが、本作に関しては、確かに高いエンターテイメント性がありながら原作の筋もしっかり保持されている。
エンターテイメントな部分を取り上げると、予告CMで流れる主役のアクションはごく1部で、本編はあんなものではない。
リズムにのったアクションがあれば、息もさせない動体視力を試されるようなスピード感の殺陣は圧巻で、いままでにないのではないか。
さらに、下忍たちのアクロバットやパルクールはショーでも見ているような爽快感を与え、それが作品に馴染んでいるところが不思議。
セリフやナレーションでは多くを語らず、役者の表情や小道具・背景などで登場人物それぞれの生い立ちや人生も考えさせる深さがある。
前半でコミカルに描かれている夫婦関係はクライマックスでは胸をうつ愛を魅せつけられる。
主役のみならずキャスト全てがハマっていて、観るものを簡単に作品の世界へ入り込ませる。
これまでにない忍者映画、アクション映画、ヒューマニズムをぜひ劇場で観ることをおすすめしたい。
そして、画面の隅々まで見逃さないでほしい。
セットやエキストラのひとりひとりまでが忍者や武士の実態を描いているので見逃すと勿体ない。
そのすべてを見ようと思うと、何度もリピートすることになるけれども。
必ず映画のひとつの時代の幕開けを目撃すると思う。
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