「「あるべき自分」と「ありたい自分」 正義とはなにか」アベンジャーズ エンドゲーム 骨はどこまでいっても骨さんの映画レビュー(感想・評価)
「あるべき自分」と「ありたい自分」 正義とはなにか
IWとEGを通してみれば、
サノスとトニーは、ヴィランとヒーローとゆう立場でありながら、実は非常に似た者同士だったとゆうことが分かる。
IWでは、「自分の運命から逃げ出そうと思ったこともあった」とするも、愛娘を殺してまで「全世界の生物を半数にして、世界の均衡を保つ」とゆう大義を果たしたサノス。
EGでは、アイアンマンを辞めて「モーガンとペッパーとの生活を絶対に守りたい」とするも、自らを犠牲にしてまで「サノスを倒し、失った人たちを元に戻す」ひいては、「世界の脅威と戦う」とゆう大義を果たしたトニー。
2人は「ありたい自分ではなく、あるべき自分」を貫くことが正義なのだと伝えてくれた。
そして同じヒーローとゆう立場でありながら
違う道を歩んだトニーとスティーブ。
「あるべき自分」に拘ったトニーに対し、スティーブは
絶対正義のキャプテンアメリカとゆう「あるべき自分」ではなく、「完璧ではなくとも、最善の人でいること」、つまり「ありたい自分」で居続けることが正義だと伝えてくれた。
これはCWのときと同じ構図だった。
「あるべき自分」と「ありたい自分」。
このふたつの正義はどちらも間違ってはいないが、結果としてサノス、トニーは死に、スティーブは生き残った。
また「ありたい自分」を持ちながらも、なることが“ 出来なかった”ナターシャと、失意のどん底で、アスガルドの王としてではなく「ありたい自分」を見つけて、それを受け入れたソーとの結末も明暗をわけることとなった。
そこでマーベルスタジオとして
「あるべき自分」より「ありたい自分」でいることが未来に繋がると 正義に対してひとつの答えを出したんだと思う。
またトニーとナターシャに関して言えば、
トニーは、トニースタークとして生きる道ではなく
アイアンマンとして世界を守りたい欲求を抑えられなかったのに対し、
ナターシャは、ブルースとの生活を夢見つつも、自らの過去から諦めざるを得ず、結果「ありたい自分」になれなかった とゆう違いがある。
そういった理由から
ナターシャはまだ生存、復活の可能性があるのではないかと思う。
GOtG3は恐らくガモーラを探す旅になるのだろうが、ガモーラもナターシャもソウルストーンに取り込まれ、別の世界軸の中で生きていているんじゃないか そう考えてしまう。
もう少しトニーについて考察すると、
アイアンマンとして世界を救いたい欲求を抑えられなかったことが
IWでサノスに言われた「知識に呪われた者」の「呪い」なのではないかと思う。
タイムマシンを造る知識がなければ、自分の家庭や生活を守れたのに、知識があったがために自らの死を招いてしまったと。
しかしトニーは自分を犠牲にしたことに対して、もっと肯定的な感情を持っていたと思う。
「トニースタークにもハートはある」と“ アークリアクター”に刻まれているが、トニーはアーマースーツを脱いでも、心はずっとアイアンマンのままだったとゆう暗喩だと思う。
そしてその極めつけが、最後に言い放った「I am Ironman」なのだと思う。
そして自らの犠牲を覚悟させるきっかけとなったのは、父ハワードとの再会だと思う。
「大義のために個人の幸せを諦める必要はない」と言うハワードに
「私は父の背中を見て育った」とゆうトニー。
血は抗えないと感じた一方で、そんな父と自分に誇りを持てた瞬間だったと思う。
そして、ハグと共に「ありがとう」と言った瞬間決意が固まったのだと思う。
このシーンがあったおかげで、トニーの魂は救済されているんだなと感じた。
今作品は、ひとつのスクリーンにヒーローたちがアッセンブルするシーンが最大の見所となっているが、
各キャラクターたちが辿った運命に、ちゃんと答えを出してくれたことが、一番評価される部分なんじゃないかと思う。
あと過去作品に出てきたセリフやオマージュが 今作中に随所に散りばめられており、20作品追い続けていたファンに対する愛情を見せてくれたのもよかった。
骨はどこまでいっても骨さん、
浮遊きびなごと申します。
コメントありがとうございました! 作品違いますが、こちらのレビューに返信させていただきますね。
(しかしキテレツなペンネームですね……)
『ダーク・フェニックス』、決して不出来な作品とは思わないんですが、「これが最後」と言われると、ううむと唸ってしまう感じの出来でしたね……。レビューでも書きましたが、一番の欠点は監督でも役者でも脚本でもなく、スタジオ側の采配だと思っています。
その点『アベンジャーズ』は10年間しっかり作品を積み上げて怒濤の最終作に持っていったのだから、スゴい忍耐強さですよね。
X-MENも「これが最後」と言いつつ、今後は新たな体制で作品が作られていくのでしょうし、今後に期待を寄せておきましょうか。
長々と書いてしまいましたが、返信お気になさらず!
それではまた!