「命ある限り好き放題にやってください!」エンドレス・ポエトリー バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
命ある限り好き放題にやってください!
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主に父親の話だった「リアリティのダンス」の続きであり、前作からのキャストが続投していてオペラ歌唱で喋る母親もそのまま出てくる。ただ、オデッセイアのような流浪の日々から帰還した父親は、前作の成長をリセットしたかのごとく脇役に回り、大きな役割を果たすのはようやくラスト寸前。なので本作は「リアリティのダンス」の続編といより、ホドロフスキー本人が自分の若い頃を再創造した別個の青春ファンタジーと捉えた。
想い出が自分自身のものだからなのかはわからないが、ハチャメチャさは「リアリティのダンス」の方が上。しかし時代を踏まえた青春物としてはこちらの方がストレートに伝わってくる。それでも一番心を揺さぶられたのはラストの父親との和解だったりしたのだが。
自らの人生をイマジネーション豊かに語り直すこのシリーズ(と言い切ってしまうが)、老ホドロフスキーには心ゆくまで好き放題に続けていただきたい。あと何本観られるのかな。
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