彼女と彼女の猫 Everything Flows

劇場公開日:

解説

「言の葉の庭」「秒速5センチメートル」などで知られるアニメーション作家・新海誠が1999年に発表した短編作品「彼女と彼女の猫」を原作としたテレビアニメ。ひとりの女性と、彼女を見守る飼い猫の日々をつづった。2016年3月にTOKYO MX「ウルトラスーパーアニメタイム」で放送された全4話に新規カットを加えて一本化した「完全版」を、16年5月のブルーレイ&DVD発売を記念し、原作アニメを上映したことのある東京・下北沢トリウッドで1週間限定上映。

2016年製作/日本
劇場公開日:2016年5月21日

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(C)Makoto Shinkai/CWF・彼女と彼女の猫EF 製作委員会

映画レビュー

5.0いつもどんなときも

2025年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

人間という面倒くさいもの
猫は頭の中のおしゃべりを経験しない。
今、この瞬間しかなく、すべてのすべてを忘れることなく憶えているが、危険信号以外思い出す必要がないから思い出すことをしないだけ。
人間
この変わった生き物は、自分が猫だったらどう思うかを考える。
特に今どきの猫は繁殖を防ぐために家から出さないようにしていることも多いので、余計に猫が何か考えていることがあるのだろうと思うのだ。
この作品は、どこかで拾われたダルが、一生をかけてミユを見る物語。
一生そこにいて、そこで暮らすミユのことを見続ける。
だから監督はダルにナレーションをさせた。
一生という時間を共有してくれるご主人様へのささやかな気持ちの表現。
いつものような写実感のない淡い色彩は、この世が猫にとってはすべてが夢のような儚い出来事だからかもしれない。
さて、
就職浪人と親友の結婚 いつまで経っても先に進めないミユ。
これらが重なって心が病んでいく。
笑顔は消え、一日中死んだように眠っている。
ダルは自分の死期を知っている。
ベッドにさえ届かない。
最期にもう一度元気なご主人様の笑顔を見たい。
そして、命をささげた渾身のジャンプ
繋がった電話…
愛し、愛されることが彼らの使命
言葉など不要で、ご主人様の考えはそのまま映像として受け取っているのだ。
ニオイはそれをより具体的にしてくれる。
ダルは最期にご主人様のあの笑いの中で静かに眠った。
でも、目が覚めるとそこに彼女の姿はない。
その理由さえわからない。
そしてこう思う。
「ボクが彼女を探しているのは、彼女が僕を探しているからだ」
憶えていたのは彼女の匂いだけだった。
そうしてまたやってきたのだろう。
白い猫 チョビ 声 新海誠
「彼」が猫になったのは、変な生き物の住む不条理な世界を、猫の視点で見たかったのだろう。
そしてまた人間に生まれ変わって、その事を作品にしたいと思ったのだろう。
一人で見てよかった。
完全に涙腺が崩壊してしまった。
動物が持つ無償の愛
ここが唯一人間でいることへの残念さを感じるところ。
猫は悲しまない。
ご主人様がどんな時もそばにいてくれる。
一生を費やして、そばにいてくれる。
ペットの使命が愛し、愛されることであるならば、人間の使命もまた、愛し愛されることにほかならないだろう。

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R41

3.5絵と声に癒される

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

Huluにて完全版(本編約27分)を視聴。

猫のダルの声はあまり好きではないが、全体的に絵の雰囲気がとても良い。
美優(花澤香菜)が歌う主題歌に癒された。

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Don-chan

3.0吾輩は猫である 名前はダル

2024年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

萌える

監督は『神在月のこども』でクリエーション監督を務めた坂本一也
脚本は『詩季織々』の永川成基

猫目線の飼い主の若い女性の話

原作は新海誠監督
モノクロのショートアニメ
5分くらいの自主制作
猫の絵が下手くそ
久米田康治より酷い

語り部が黒猫ダルなのだがおじいちゃん猫のわりに声が若いのは僕としてはどうしても気に食わなかった
若いといっても当時40くらいのおじさんだけど
極端な話だが緒方賢一ならまだしっくりきたかもしれない

ダルは美優にしか懐かない
知歌に頭を撫でられたら露骨に不機嫌になる
バラエティー番組で堂本光一にいじられたときの深田恭子のように

声の配役
母が再婚しやすいように別々に暮らすため知歌とルームシェアでアパート暮らしを始めた就活中の短大生の美優に花澤香菜
美優と知歌が友達になるきっかけを作りアパートでも同居することになった10歳の黒猫のオスのダルに浅沼晋太郎
美優とは小学生の頃からの親友で2人でルームシェアしていたがアパートを出て彼氏と一緒に暮らし始める知歌に矢作紗友里
小学生の頃の美優のために黒猫を自宅に連れてきた美優の母親に平松晶子

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野川新栄

4.0新海誠の原点であり、原石である作品

2023年4月4日
Androidアプリから投稿

誰の日常の中にも静かに存在する苦しみや葛藤、
心の琴線に触れるような繊細な心情描写が美しい。
エンドロールで新海誠が原作と知って、正直驚いた。

この作品作れたなら、なんで今あんな作風になっちゃったのかなぁ。
磨けば輝かしく光る原石の磨き方を間違ってできたのが今の新海誠監督のように感じた。

2011年のアニメージュに掲載されていた新海誠へのインタビュー記事を読んでみたら、
「間口を広げる」という表現やこれまでのやり方とは異なるものを作るという文があった。

予算が下りる企画、「売れる」作品を意識していくうちに
『君の名は』や『天気の子』そして『すずめの戸締り』へと変化していったのだろうか。

近年の作品を観ている人は、ぜひこちらの作品も観てもらいたい。
また、原作となった新海誠監督の作品は、YouTubeで公式に公開されているので、それもオススメ。

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スクラ