惑う After the Rain
劇場公開日:2017年1月21日
解説
佐藤仁美が結婚式間近の女性を演じ、日本の家族制度が抱える光と闇を描いた人間ドラマ。昭和55年のある冬の夜。銀行で働くいずみは、いつもどおりの一日を終えた。結婚式を明日に控え、一緒に暮らす母のイトは、長女のいずみに亡き父の夢を初めて打ち明ける。父の夢、それはこの家から娘を嫁がせることだった。いずみ役に佐藤仁美、母イト役に宮崎美子。中西美帆、小市慢太郎、斎藤洋介、村田雄浩、藤田弓子らが脇を固める。監督は北野武や黒沢清の助監督を経て「ふるさとがえり」「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」など手がけた林弘樹。
2016年製作/125分/G/日本
配給:アルゴ・ピクチャーズ
スタッフ・キャスト
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賛否両論チェック】
賛:長女の結婚を起点として、家族1人1人の“惑い”を長い時間軸で描きながら、本当の絆を築き上げていく様子が、静かな中にも印象深く描かれていく。
否:ストーリーは淡々としていて少し長めなので、気をつけないと眠くなりそう。内容もやや説教臭いか。
時間軸はかなり行ったり来たりしますが、それほど分かりにくい感じはありません。長女の結婚式を翌日に控えた1組の母娘と、今は亡き父親の半生を通して、“家族になる”という最も身近で、だからこそ難しいテーマが描かれていきます。
そこにあるのは、結婚を迎え、母と共に守ってきた家を離れる長女・いずみの“惑い”は勿論のこと、葛藤しながらも家を必死で守り、今のいずみ達の礎を築いた誠志郎やイトの“惑い”、そしてシングルマザーとして苦悩し続け、それでも一児の母として生きる道を選んだ次女・かえでの“惑い”と、家族それぞれの儚くも尊い想いです。個人的には、イトが誠志郎に聞かれて考えた、
「家族は〝鍋”。考えるものではなく、味わうもの。時間をかけて煮込むことで、味わいが出る。 」
という言葉がステキでした。
ちょっと淡々としすぎていて、内容も説教臭い感もありますが、それでも誰しもが1番大切な“家族”について再認識させられる、そんな作品です。
2017年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
一緒に行った人も感動して、泣いていました。
心が温かくなる涙・・・
いろんな涙がありますが
優しい心になれる涙でした。
一緒に観た人と
さらに心が通うようになると思います。
2017年1月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
いくつかの、不安定になりやすい要素を持った家族が、家族だと実感するのはいつか?
どの家族にも、(多分)一度は訪れる感情の揺らぎが、丁寧に描かれている。
じっくり味わいたい作品です。
2016年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
ネタバレ! クリックして本文を読む
映画「惑う After the Rain」(林弘樹監督)から。
静岡県三島市を中心に作品が撮影されたため、
ロケ地先行試写会で鑑賞させていただいた。
「日本の家族制度が抱える光と闇を描いた人間ドラマ」
このワンフレーズでは片付けられない「家族」という
キーワードが、頻繁に登場する。
「いわゆる、幸せの家庭というものを私は知らない」という
フレーズは、性別、時代を超えて何回も登場したが、
「家族」と「家庭」の使い分けがされているのか、気になった。
「私の家の養子になりなさい、家族になろう」
「根無し草じゃない、家族になった」
「いつの間にか、日記のつもりが家族史になったな」
特に「例えるなら、家族ってなに?」の問いに
「おなべ・・考えるものではなく、味わうもの。
時間をかけて煮込むもの」という会話が心に残っている。
その美味しいお鍋の隠し味は「家族の笑顔と会話」とまで、
持っていけると、もっとよかったのになぁ。(笑)
せっかく近くで撮影されたのだから、ロケ地を訪ねたりしながら
何回でも観てみたい。
きっと、観るたびに感想が変わるんだろうなぁ。
P.S.
冒頭の「檸檬 梶井基次郎」のページをめくるカットと、
時々画面に登場する「意味不明」な掛け軸の文字。
これが気になるので、今度、関係者に訊いてみようっと。