プロヴァンスの休日

劇場公開日:2016年7月25日

プロヴァンスの休日

解説・あらすじ

「レオン」の名優ジャン・レノ主演、南フランスを舞台に頑固な祖父と3兄姉弟が織り成すひと夏の交流を描いたフランス製ハートフルコメディ。美しい自然の広がるプロバンスで暮らすポールのもとに、娘との仲違いが原因でこれまで一度も会ったことのない3人の孫たちが訪ねてくる。気難しいポールは都会っ子の孫たちと反発しあうが、耳に障害を持つ末っ子テオを中心に少しずつ心を通わせていく。共演に「髪結いの亭主」のアンナ・ガリエナ、「真夜中のピアニスト」のオーレ・アッティカ。「黄色い星の子供たち」のローズ・ボッシュが監督・脚本を手がけた。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2016/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」(16年7月16日~8月19日)上映作品。

2014年製作/105分/フランス
原題または英題:Avis de mistral
配給:インターフィルム
劇場公開日:2016年7月25日

スタッフ・キャスト

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(C)2014-LEGENDE FILMS-GAUMONT-FRANCE 2 CINEMA

映画レビュー

3.0 オリーブ栽培に半生を賭けた元ヒッピーの人生回顧にみる、家族再生のやすらぎ

2026年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

単純

癒される

フランス・プロヴァンス地方の集落レ・パリュ・ド・ノブ(ノブの沼地)に住むオリーブ栽培農家の老夫婦の人生回顧と再生を描いた人間ドラマ。脚本と演出がローズ・ボッシュ(1961年生まれ)という女性監督で、名優ジャン・レノ(1948年生まれ)が頑固な祖父ポール・マグレ役にキャスティングされています。17年前にまだ17歳だった娘エミリーが妊娠して家出してから絶縁状態になってしまった親子関係がバックストーリー。そのエミリーは離婚し、仕事の都合でモントリオールに出張するため、未成年の子供たちが田舎の祖父母宅に預けられる。自由恋愛と結婚が全てではないフランス人の人生観は、結局年頃の17歳の長男アドリアン、15歳の長女レア、そして歳の離れた次男テオの3人を抱えたシングルマザーとして強く生きなければならない。この設定ときょうだい上二人はフランス映画に良くあるパターンで真新しさがないものの、その次男テオを生まれつきの聴覚障害にしたことで、バラバラだった家族の心がつながっていく過程が心温かく描かれています。コミュニケーションツールの言葉が大切と言いながら、その言葉で癒されたり勘違いで拗ねたり恨んだりと、言葉で全てが上手くいくわけではありません。映画のプロローグでは、サイモン&ガーファンクルの名曲『サウンド・オブ・サイレンス』が流れ、テオ少年の視点から大人社会を見ています。そして映画の中で最も優れたシーンが、20年蓄積したオリーブオイル作りの苦労が実った品評会優勝の知らせを畑に報告に行くポールをテオが追い掛けるところです。自然が祝福するかのような、溢れる光となびく風に包まれたポール。それを静かに見守るテオ少年のまなざし。言葉で確認しなくても、テオ少年が一番祖父の喜びに共鳴している、これこそ映画的な表現の美しさ。このシーンだけでも、この映画を観る価値があるというものでした。

テオ少年以外のエピソードは凡庸で取り立てて注目に値しないのですが、意外に思ったのがポールの青春回顧に、1969年8月に開催されたウッドストック・フェスティバルに参加したとあることです。1960年代のヒッピー文化の象徴であるそのイベントは、「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」(1970年)のドキュメンタリー映画になっていて、日本公開時には4歳年上の兄が買ってきたパンフレットを良く見ていました。反戦とフリーセックスの時代を代表する野外演奏会の先駆けといっていいものでした。しかし、このアメリカのイベントに遥々ヨーロッパから参加した若者がいたとは想像していませんでした。ポールは当時妻イレーネやライダー仲間と世界旅行をしていたとあり、アメリカに渡って偶然にも立ち会うことができたという設定のようです。この好きなように生きてきた青春を過去に持ち、今田舎生活に落ち着いたポールが、娘や孫の世代変化に苦労しながら新たに生きる活力を得る、前向きな人間ドラマの分かり易さ。

妻イレーネをイタリアのベテラン女優アンナ・ガリエナ(1949年生まれ)、長男アドリアンをヒューゴ・デシュー(1987年生まれ)、長女レアをクロエ・ジュアネ(1997年生まれ)と演じていて、それぞれに役柄以上の人間味を表現しています。特に母エミリーの二の舞になりかねないレアを、撮影時16歳のジュアネが危うく魅力的に演じています。髪型から服装も頻繁に変えて、おしゃれな少女の可愛らしさが表現されていました。しかし、最も感心したのはテオ役のルーカス・ペリシエ(2005年生まれ)の素直な演技です。オーディションを進んで受け映画出演を欲したことを知り、彼を育てた両親の教育も素晴しいと想像できます。言葉を発しなくても、感情を表現することと相手の気持ちを察する敏感さを兼ね備えた聴覚障碍者の能力の高さに改めて感動してしまいます。映画の中でひとり悪役のチアゴをトム・リーブ(1990年生まれ)が演じて、若さより女性好みのフェロモンを発していて、レアが一目惚れするのも仕方ありませんでした。運動神経も良く、馬を乗りこなし、闘牛場でのアクションシーンの動きも俊敏で色男チアゴを嫌らしく演じたと思います。このチアゴとレアが逃避行する水郷地帯のカマルグ自然公園のロケーションが幻想的でした。アルベール・ラモリス監督が、「白い馬」(1953年)や「素晴らしい風船旅行」(1960年)の名作でロケーション撮影したフランス南部の景勝地ですが、野生生物保護区で今も馬や牛が自然の中で生息しているようです。

プロヴァンス地方の朝市、スペインのアラゴン・カタルーニャ地方の影響を引き継ぐ牛追い祭りや闘牛、フラメンコダンスの文化を的確に取り入れたストーリーは、パリを舞台としたフランス映画とは全く色合いが変わり、孫3人の戸惑も面白くもあり、ローカル色を素直に楽しめます。ただステファーヌ・ルパルクの撮影とボッシュの演出で気になったのはカットの短さで、細かいモンタージュがローカルな長閑さを失っていると見ました。会話シーンが特に切り替えが早くて、目まぐるしく展開します。大事なシーンだけをゆったり撮る演出とカメラワークでした。ただこれは内容の濃さに合わせた上映時間を考慮した結果と想像します。重くならず軽快に105分を駆け抜ける映画のリズムでした。

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Gustav

4.0 優雅な夏休み、うらやましい

2026年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

祖父母と孫たちの夏休みだけど、なかなか起伏もあって。孫たちの記憶に残るはず。陽光と美しい自然に恵まれて、ストーリに関係なくなんとなく幸せな感覚に観客を誘う感じが良い。
ほとんど交流のなかった祖父役のジャン・レノが良い感じ。こういう役もうまくこなすんだな。
冒頭のサウンド・オブ・サイレンス。こんな風に使うんだ。まいりました。ただ懐かしいだけじゃなかった。

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Bluetom2020

3.5 ローズ・ボッシュ脚本・監督の家族ドラマ

2026年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

【概要】頑固な祖父&多感な孫たちの共生物語をハートウォーミングに描く
【感想】美しい風景&懐かしい名曲が彩る家族の成長&再生劇で家族を問う
【哲学】家族は教え合い学び合うチーム

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@SAY

3.0 めっちゃ平和でのどかな映画

2025年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

癒される

南フランスでの豊かで平和な休暇模様を味わう映画です。
昼は自然に囲まれながら仕事をして、
夜は町でお酒を飲みながら歌って踊って楽しむ。
登場人物も皆おおらかで、心の余裕がありそうな感じ。
映像のクリーンで温かい温度というか色彩が、とても自分好みでした。

度々スペイン文化も垣間見られたのは、南フランスならではでしょうか?
挿入歌も英語の曲ばかりなので、
ばりばりのフランス映画というよりは、インターナショナルな感じ。

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Omi