「アメリがママに!:よくあるひと夏の冒険」グッバイ、サマー だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリがママに!:よくあるひと夏の冒険
アメリのオドレイトトゥがおかあさんで違和感なしって!!!
卒業旅行でパリへ行き、
レドゥームーランにてクレームブリュレ頼み、
アメリのポスターの前で記念撮影をした者としては、
隔世の感を禁じ得ません。
最近のオドレイを全く見ていなかったわけではないですが、
あくまで主役、あるいはお話の主軸のオドレイだったので、
脇役のおかあさんとして初めてであって、
思わずときめいた、というところです。
変声期前の主人公が、ちょっと浮いてる転校生と仲良くなって、
手作りカーで夏の逃避行へと旅立つロードムービーです。
転校生テオのおうちがなかなかにヘヴィで、心配でした。
お母さんは食事作りも息子にさせてメニューにけち付けるし、
お父さんは学校辞めさせて、息子に働けというし。
主人公ダニエルのおうちは、それにくらべずいぶんと裕福そう。
おかあさんが勧める本も、難しそうだし。
身の回りをきれいにしたい弟と、ぐっちゃぐちゃのダニエルとの
線引きされた部屋など、かわいい。
2人で廃品から作る車が動くってゆうのが、にわかに信じがたいけど、
自分たちだけで見つけた秘密の隠れ家が、現実の憂さを忘れさせて
くれるっていうのは、分かる。あったもの、子供のころに、そういう
神聖な場所が。タイヤを隠して家に擬態するのも可笑しかった。
仲良くなって、けんかして、仲直りして、別れるという、目新しくない
筋ですが、ひと夏の冒険・経験物語としての王道が、見やすくて悪くない。
フランスの地方に疎いので、移動距離、どのくらい家を出ていたのか
(下着を一週間ぶりに交換するとはテオが言ってたけど)、とかが、
ピンと来なくて、やった事の規模が実感できなかったのが残念ではある。
ラストの、テオに習った攻撃方法で、いじめっ子に報復するのは胸がすいたね。
悪くないし、楽しめるけど、どうしてもこの映画でなくては、というものではないかなあ、
というのが、正直なところ。