「面白いところもあるが、もったいない」ひるね姫 知らないワタシの物語 ユーキットさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いところもあるが、もったいない
・終わり方は凄く良かった。
最後、3人でスイカを食べて大団円はほっこりし、良い締めであった。その後のエンディング曲、モモタローとイクミのエピソードは涙腺にくる。
・主人公の性格が良い。
困ったり、悩むことはあるものの、前向きな性格で、見ていて苛々しない、好印象のキャラであった。素直で行動力のある魅力的な主人公であった。
・活躍、暗躍した二人がどうなったのかが不透明
一緒に逃避行したモリオ、悪役であった渡辺一郎があの出来事の後、どうなったのかが不透明。モリオは大学に戻ったという話があったが、それなら大学で真面目に勉強している姿、機械をいじっている姿が見れたら彼もこの物語で成長できたと実感できる。
渡辺一郎はどうなったのか、捕まったのか、それとも会社に残ることはできたのか、単なる悪役として描くのでなく、彼にも罰か救済を与えてほしかった。
・夢世界の割合が多すぎる
現実と夢を行ったり来たりし、夢が現実に影響するのは面白いが、夢世界の尺が多すぎる。現実世界と夢世界で1:1ぐらいの割合か、特に後半は夢世界ばかりで現実のメタファーとして想像はできるものの、それでも現実世界でどうなっているのかがわかりづらすぎる。
また、あくまで夢世界なので、危険性を感じられず、鬼は出てくるものの、緊張感がいまいちない。鬼の攻撃を受けると現実で何かが起きるなど、夢世界でのリスクを描いてほしかった。
・ありえそうな未来
自動運転、VR技術、ロボットなど今話題になっているものを取り入れ、ありえそうな東京オリンピックを描いていたのがよかった。オリンピックの自動運転の映像も見たかったが。
つまらなくはないのだけれども、勿体ない印象の作品。