「花には花の、役者には役者それぞれの・・・」花戦さ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
花には花の、役者には役者それぞれの・・・
戦国時代も末。
京都の中心・六角堂は池坊と呼ばれ、花を手向ける花僧たちが大勢いた。
その中ひとりが、変わり者・専好(野村萬斎)。
ある日、織田信長の御前で花を披露せよ、との命が池坊のもとに届いた。
信長の噂を聞いていた寺の主は、恐れをなして、専好を行かせることにした。
その席で専好は立派な松を活け、信長から褒められることとなる。
その席には、豊臣秀吉(市川猿之助)と千利休(佐藤浩市)の姿もあった。
そして、月日は流れ、豊臣の世・・・
といったハナシで、チャンバラのない時代劇。
個人的には時代劇は好きだが、チャンバラは苦手なので、この手の作品は好きな方な部類。
どんどんと権力を握って横暴になっていき、遂には利休に切腹を命じた秀吉。
それをどのように諫めるか、というハナシになるのだが、なんといっても見どころは、野村萬斎、市川猿之助、佐藤浩市の三人の演技。
まぁ、それぞれがそれぞれに、それぞれ良い演技をして、それを「どの演技も良いのぉ」と言いながら楽しめればよい。
これほどの演技の達者なひとばかりだと、点でバラバラな演技合戦になりそうなところを、篠原監督が巧みに演出して、バラバラになっていないあたり、さすがである。
池坊の面々による生け花のシーンも多く、それも観ていて満足。
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