コレクションする女のレビュー・感想・評価
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なぜコレクションされないのか
この監督の他の作品にも言えそうだけれど、これもまた、男女間の心理がとても興味深い映画だった。
男をコレクションしていると思われる女が同じ屋根の下にいる。当然、自分もコレクションの対象になるだろう、と主人公は気構える。なかなかの美男子(?)なのだし? でも事は上手くいかなかった。自分よりパッとしない様子の男たちはちゃんとコレクションされているのに。
これは、女のわたしの場合に当てはめれば、光源氏のようなイケメンがいて、美人の誉れ高いある女は自分に声がかかるのを密かに待っていたのに、巷でブスと認識されている女の子の方にだけ誘いが来た、みたいな話だろうか。
そして誘われなかった理由が理解できないまま、所詮あんな男はどうということないのよ、と言い聞かせで自己満足で終わる、みたいな…。
意外に、異性を選ぶとき、わたしたち、外見や条件だけ見ているわけじゃない。
人の魅力って何だろう。
勉強になる映画でした。
理屈ぽいのは持てない証拠
南仏の港町の雰囲気たっぷりな中、妙にセクシーな大人と少女の関係を気怠く。
語りは正直理解できない。今風に言うと中二病的な語り口。
その気怠さ効果なのか、最期のようやく到達するのか?という開放感と衝動はなかなかのもの。
オトコはかくあるべし、という価値観はこの当時からあるんですね。
何なんだ
画廊を開く予定の男アドリアンは恋人からロンドンに行こうという誘いを断り、骨董収集家との商談のため南仏に有る友人の別荘に行き、そこに滞在することにした。そこで自由奔放な少女アイデと出会った。彼女は次から次へと男を乗り換えるので、アドリアンは彼女を批判しながらも、次第に彼女に惹かれてしまう、という話。
本人役の少女アイデ・ポリトフが魅力的かと言われれば、まぁ、普通かな。
イケメンでモテるアドリアンがアイデの魅力に惹かれ、寝たいのに出来ない、って所が見所なんだろうけど。
で、ラスト含め、何なんだ、って感想。
南仏の海が綺麗だった事以外、良いところがわからなかった。
やっぱり60年代後半の南仏は堪らん!
これはクセになる!
教訓シリーズの中でも、一番見たかった作品、やっと観る事が出来たが、久々に何度も観たくなってしまいそうだ。
早速DVDを購入せねば!
あの南仏の輝く陽光に60年代後半のファッションセンスだけで、もう堪らんのに、アイデちゃんホント最高!
ロメールが偶然に出会ったという彼女のための映画と言っていい。
初のカラー長編になったアルメンドロスのキャメラも冒頭から眩しくエロく冴えまくってる!
ロケ地のサントロペと言えば、バルドーだが、冒頭では妹のミジャヌーが登場。ミジャヌーもうちょっと見たかった。
他のキャスティングも皆んな良かったが、ホント上手い具合にプロでない俳優を良く見つけてくる。強烈な存在だった美術商のサムとか、一体どこで見つけてくるのやら。
ザンジバルのメンバーだったダニエル・ポムルールもそうだが、あの当時のパリには、きっと面白い連中がゴロゴロいたんだろう。
ラスト間際の解放感の方も、あるあるで思わず笑ってしまったが、最後のオチまではチョット間延びだったかな。
出来れば、ミジャヌーとのシーンを唐突にフラッシュバックでテンポ良くインサートして、オチへ繋げて欲しかった。
しかし今回も予算の都合上、ほとんどが非職業俳優なのに、なんでこうもリアルというか自然に撮れてしまうんだろう。
入念なリハーサルの後、一発撮りだったらしいが、どんなリハーサルだったか?一度メイキング映像あれば見てみたい。
テープに録音した俳優たちとの会話を元に脚本を作ったらしいが、この辺に即興的な演出の秘密がありそうだ。
それにしても、実際はコレクションしてはいないんだが、
『コレクションする女』いいタイトルだ。
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