「「ヒッチコックはここがすごいんだよ」」ヒッチコック/トリュフォー レインオさんの映画レビュー(感想・評価)
「ヒッチコックはここがすごいんだよ」
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空間・時間・編集・ミザンセン・演出・音の有無など、たくさんの側面からヒッチコックの凄さを伝える映画。
知的でありながら、トリュフォーとの会見の録音や、黒沢清などの名監督のコメント、文字資料の引用などでバランスよくアレンジされている。
空間・時間を自由に操縦することが大事。空間表象とその場面の感情と結びつけたり、時間を省略したりもありうる。
編集でロングショットかクロースアップか選ぶのもサスペンスを作り出す効果の次第など。
ミザンセンに小道具の使用なども映画の夢世界と結びつくとか......彼の作品の多くはフェティシズム映画としても見られるようだ。
またヒッチコックの映画に出る俳優たちもよく彼と揉めたりするようだ。「汚名」のキスシーンは例で挙げられる。
いろんなところの凄さでヒッチコックの映画は無声でも分かるという。アロンハイムの追求した芸術映画とは、こういうもんだよなー昔の映画製作者や理論家はよくトーキーを批判するらしい。
最後映画が終わっても多分ヒッチコックの凄さはこれで全く語りきれないのだろう。映画が要チェック。
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