LION ライオン 25年目のただいまのレビュー・感想・評価
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ペッパ!!
愛。
過去が何のためにあるのか、と考えた時に、過去とは「生きてきた道」と考えると、他の誰にも経験し得ない「自分だけのもの」「自分を自分たらしめる唯一のもの」と捉えることができる。
それは、自分にとって高尚なものであり、拠り所になるものでもある。そんな過去を背負い生きていく中で、その過去が、自分や自分をたいせつに思ってくれる人にとって、苦しめる要因にもなる。
過去とは、拠り所でもあり、向き合うべき対象でもある。過去に支えられて生きていける反面、いざ対峙すると苦しみをもたらす。過去と向き合うことほど、孤独なことはないから。
過去に支えられて今ここまで生きてこれた。でも、過去があるから今苦しくて孤独。2つの対立するアンビバレンツな情動を同居させて生きていくことの健全さを感じた。
きっとスラムの子たちは、今自分がどんな過酷で残酷な現実を生きているかさえ、分からない。比較対象がないから。なぜ生きいくのか、なぜ生きているのか、そんな問いとは別次元のところを生きている。それも、先進国に住む人間よりも、人間らしく。
家族のために、親のために、兄弟のために、理屈ではなく、ごく自然のものとして。家族と過ごした日々は、とても幸せなものだっただろう。生まれる場所、時代、親は選べない。そのどうもならない現実をどう生きていくのか。
オーストラリアに行くことだって、望んだことではない。望んで行ったわけではない。でも、オーストラリアの家族は望んでいた。幸せな家庭を用意して。信念を持つ若者を阻む力はどこにもない。望んで探した。母親を。兄を。故郷を。
対峙しなければならない過去。誰にも本当の意味では理解されない過去。それに対して自分はどう在るのか。どう在りたいのか。そこにあったのは、きっと母親や兄との間にある愛。
それでも、人間は弱くて、過去のみに支えられて生きるわけではない。もしも、幼少期に故郷を探せたなら、すぐに探して帰っただろう。でも、再会した瞬間の表情を見ると、自分の生きてきた道を悔いることなく、前を向いて生きていこうと思えたのではないだろうか。
母親の愛、兄の愛、オーストラリアの家族の愛、恋人の愛、それらに対する愛。そんなすべての愛が、再会へと導いた。
なんとも幸運な男の子のストーリー。感動感動はさておき、こんなラッキ...
なんとも幸運な男の子のストーリー。感動感動はさておき、こんなラッキーに巡り合わなかった子供たちが8万人。地下道で段ボールを譲ってくれたあの子たちも、孤児院にいた他の子たちも、みんなどうなったかな。
迷子になっただけなのに、どうしようもなく、誰も助けてくれず、本当に帰れなくなる。殺されたり道具にされたり、孤児院で虐待されて終わってた可能性のほうがずーっと高かった。
しかもついこないだの話。
日本のわたしには信じられないけど、たくさんの国で今現在も起きてる現実。
私がちょいと手を貸せば助けられる子供がいるってことを突きつけられた。
まあでも何もしないんだけどね。
養親となった二人の考えには共感。もう新しい子どもなんて産まないほうがいいんじゃないだろうか。
あと彼女とのアレコレはどーでもいいから、マントッシュのことをもっと掘り下げて欲しかった。孤児院での虐待が原因なんだろうし、そういう子どもを引き取って育てるということを、きちんと描いてほしかったな。
しかしお兄ちゃんかわいそすぎ。
結末はわかっているのに、ホロリ。
wowowのW座で信濃八太郎さんが「この副題、ネタバレですよね」といった話をされてましたが。そうなんですよ。主人公サルーが25年目にして母のもとに帰る。以上。
なんですが、そこに至るまでの過程が実に苦悩であり、応援もしたくなります。
1時間は子供の頃の話、残りがデブ・パテル演じるサルーが大人になってからの話。子供時代を結構引っ張りましたね。
その分が余計、大人になってからGoogleearthで実母を探す=養母を裏切っているのではないか、という悩める主人公につながってました。
子供の頃の記憶。自分だったらどこまで覚えているだろう。
なぜ題名が「LION」なのか。ここでもホロリ。
結果がわかっていながらジーンとした、良作でした。
3.8
エンディングでの感動が凄い
実話だということに衝撃を受ける
実話の映画をかなり見てきた中で、多分1番衝撃を受けた作品。Google earthの凄さと日本の平和さ、そして底知れぬ家族愛がとても伝わってきた。すごく考えさせられる作品。映画中、胸が痛くなった。
話の進み方は、実話だからかしっかり丁寧に描かれている分、予想できてしまう。だが、最後のシーンはかなり良かった。本当にあったんだなと実感させられた。映画全体としてはもう少し短くできたような気がする。
あと、みんな演技が良かった。主人公の幼少期を演じたサニー・パワールが特に良かった。ニコール・キッドマンもなかなか良い演技をしていた。残念だったのは、ルーニー・マーラー、良い女優なのにこの映画ではあんまりだった。
タイトルのLIONの意味がわかった時に、本当に鳥肌が立った。
考えさせられる映画
兄の名はグドゥ
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