「悪魔に魂売ってでも」ネオン・デーモン fall0さんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔に魂売ってでも
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映画全体として見た目がとにかく良すぎる。ビビッドな色彩や女性達の長い手足や滑らかな肌。
生まれつき超可愛いくて素朴なジェシーが、自分の真価に気づいて魔性になっていく様にドキドキする。
美しいジェシーを軸に、その他大勢のモデル達は嫉妬し、ルビーは愛欲と拒まれた恨みを抱き、皆一様に狂っていく。
ジェシー自身も周囲の激情に巻き込まれてむごく殺されてしまう。選ばれた美人でも、器はただの弱い女の子で、「美」の概念にとり殺されてしまったように感じた。
ジェシーの死体を食べることで、モデル達は美しさを引き継ぐけれど、長くは続かない。オカルトっぽい展開だけど、美しさに呪われて彼女らは死ぬんだろうな。
なんとなく、利己的遺伝子の話を連想した。ちょっと違うんだけど、個体を超えて「美しい」という概念だけが女性の体を渡り歩く感じ。
登場人物全員、碌な目にあってないのに、それでもやっぱりキレイって良いなと思ってしまう。内面の美しさが云々みたいな言説が空虚なキレイ事に感じられるほどに、作中のキレイ・可愛いには説得力と力強さがあって、それが美しさの魔力なんだろうと思う。
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