劇場公開日 2016年11月26日

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「【ある家族の”高名なる戦場写真家”であった妻、母を突然失った悲しみと戸惑いを家族それぞれがどのような思いを抱くに至るかを詩的かつサスペンスフル、且つアーティスティックに描いた作品。】」母の残像 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【ある家族の”高名なる戦場写真家”であった妻、母を突然失った悲しみと戸惑いを家族それぞれがどのような思いを抱くに至るかを詩的かつサスペンスフル、且つアーティスティックに描いた作品。】

2023年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■交通事故で亡くなった高名なる戦争写真家の母・イザベル(イザベル・ユペール)の回顧展が行われることになり、長男のジョナ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、弟のコンラッドと父のジーン(ガブリエル・バーン)が暮らす実家へ戻った。
 久しぶりに集まった3人はそれぞれイザベルへの思いを語りながら、死を受け入れようとする。

◆感想

・私事で恐縮であるが、ヨアキム・トリアー監督の「テルマ」と「私は最悪。」をとても面白く鑑賞した。で、この監督の前作を観たいと思っていたのだが、漸く実現できた。僥倖である。

・今作は、高名なる戦争写真家の母・イザベルの、突然の交通事故死に戸惑う夫ジーンや名を成した長男ジョナや、いまだ母への思慕があるコンラッドの姿を描き出している。
ー 妻が存命中から浮気をしていたジーンや、その事実を知っていたからこそ、父への反発への気持ちが抑えきれないコンラッド。
  そして、新たなる命を授かった社会的には成功した若き教授長男ジョナの姿が描かれる。(彼の子供の名前は亡き母の名を継いでいる。-

<作品の世界観は、とても面白く鑑賞したのだが、今作は所謂、鑑賞側に解釈を委ねる映画なのであろう。
 イザベルの死が事故死なのか、自死なのかは明らかにされないし(只、映像を観ると事故死であろう。)、それに対する家族の対応の描き方も微妙ではある。
 だが、私にとっては今作は面白かった。
 何故ならば、解釈を委ねられる映画は好きなので、自分で色々と解釈して観たからである。
 更に言えば、若きジェシー・アイゼンバーグの姿と、全然変わらない(というか若返っている??)イザベル・ユペールの圧倒的な存在感が際立つ作品だからである。>

NOBU