アノマリサのレビュー・感想・評価
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からくり人形が泣いてます
2021年9月19日
映画 #アノマリサ (2015年アメリカ映画)鑑賞
不思議な映画だった。また、疑問が多すぎて困った
・顔が取れることの意味は?
・総支配人の求愛は?
・なんで桃太郎?
・最後の車のシーンの意味は?
「アノマリサは、和英辞典で天国の女神」って、天照大神のことを言ってるのかな?
インテリ風なゲテ物
おそらくは、僕が今抱いてる不快な感情ごと作り手の狙いなんだろうなとは感じる。
主人公の抱えてる人格的な欠陥のどこまでが「病」のせいなのかわからないので非難しにくいが、
兎に角振る舞いの端々が落ち着きなく、怯え、一縷の希望に縋り、過度に求めては落胆する。イライラしている彼の一挙手一投足に、今度は我々がイライラさせられてしまう。しかし絵的には彼の目から見た他者は本当にマネキンそのもので生気が感じにくく、彼の感じる嫌悪には共感を得てしまうのだ。
一目見りゃわかる大人のおもちゃ屋で海賊グッズの扱いを訪ねる姿は奇行のピークで、彼の混乱は深刻だ。
ラストに全てが自分の振る舞いゆえに水泡に帰り、疲れ果て、諦め、子供に精液のついた人形を与えることで彼の倫理の欠落は決定的になる。しかしどこかでそれを自覚しているのが救いがない。理性がなくなるまで壊れてしまった方がまだ幸せかもしれない。「症状」とも「持ち前の傲慢さ」ともつかないそれが他者に理解できるものでない以上、誰も彼に手を差し伸べることなどできないのだ。これを形にして世に放った残酷さ、悪趣味さ。
それにしてもあの歌う機能付きの芸者風の人形、どうやって「使う」んだ?
何から何までアノマリー
『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』『エターナル・サンシャイン』の脚本で知られるチャーリー・カウフマンが2015年に監督したストップモーション・アニメ。
一風変わった作品を送り出す異才なのだから、アニメと言っても勿論普通のアニメではない。
緻密なストップモーションやその独創性は高く評価されたものの、良くも悪くも好き嫌い分かれる事必至。ハリウッドのアニメ=楽しいだけの子供向けのディズニーやイルミネーションとはまるで違う、R15のセックス・シーンだってある、大人向け異色のアニメーション!
カスタマーサービスで成功したマイケル。
が、単調な毎日にうんざりし、どの人々も同じ顔に見え、同じ声に聴こえる。
講演でシンシナティーを訪れる。
元恋人と再会。宿泊ホテルに誘うも、激しく拒否される。
街中をさ迷い、とある大人の玩具店へ。日本製のからくり人形に魅せられる。
ホテルに戻り、リサという女性と出会う。彼女だけ顔も声も違って見え聴こえ、互いに惹かれ合うが…。
簡単なあらすじだけ追うと孤独な男女が出会って…の大人のラブストーリーにも感じるが、これが実際見てると、どう捉えていいか分からない。
解釈も色々あるとか。
マイケルは精神疾患。周りの人々が皆同じ顔同じ声なのはそれ故。
自分としては、変わらぬつまらぬ毎日の表れと感じた。
リサの正体は、実はからくり人形。帰宅して息子にプレゼントした際、○○が付着していた事も確かに繋がる。
しかしこれも、全てマイケルの妄想だったのか、リサは実在していたのか。
“アノマリサ”の意味。“アノマリー(変則的)”にリサを付けた造語であり、日本語では“天国の女神”。
それも含め、からくり人形に終盤突然その人形が歌い出す“桃太郎”に深読みで“アノマリサ”とは天照大神の意では?…など、日本文化がちらほら。でも日本人から見れば、オイオイ描写も…。
…と、以上感じた事思った事並べ立ててみたが、それでも分からない。
でも、一つ気付いた事が。
元恋人と再会。大人の玩具を購入。出会った女性を誘う。
実は本作、変態中年エロオヤジの話だったのかもしれない。
それもそれで、アノマリー!
人形劇でここまでのリアリティ。
U-NEXT見てて、たまたま見たのだけど、人形劇でここまでの泥臭さと狂ってる様をみれるって凄いなと純粋に思いました。自分も主人公と年齢が近いから身近に感じるのかな?(女性だけど)
なんにせよ、比類する作品はなかなか出ないと思います。迷走してるアラフィフ、アラフォー過ぎにはお勧め。
ポルノも同然(ベッドシーンを撮るために作られた映画じゃない?)
テーマは大人の不倫で私は嫌いでつまらなかった、主人公にも共感を持てない、フェリーニみたいな虚無感とかユーモアを盛ってくれればまだましになったと思いました。
かたやストップモーションアニメとしては、ベッドシーンに限らず本当によくできていて息を呑むシーンがたくさんあります。
なんとなくですが、このベッドシーンを撮りたくて製作したんじゃない?と思ってしまいました。悪夢のシーンとかは付け足し感があります。
個人的には1.5点、客観的な作品としての評点を付けました、絵としてはすごいです。
不思議な人形アニメ。
脚本がかなり大人向け。いや、主人公の子どもはまだ小さい(小学生くらいか)けれど、年配者向けのタイトルのような気がする。
すごいのはストップモーションアニメの技術。
人形づくり、セットづくり、それの動かし、撮影。
もしかしたら、監督はもっとグロテスクで残酷な描写を望んでいたのではないかという気もしてきた。
全編通して、かなりおとなしめのストーリーであり、登場人物たちである。へんてこ世界というわけではないような気もするし、へんてこと言えばへんてこ世界。
また何年か経ったら見返してみたい。
ほかの作品があれば、見てみたくなる。
なざか赤裸々にリアルに見える映画
誰もが知っている成功者が主人公。
金も名誉も地位もある。
誰もが同じように見えてしまう日々。
講演で訪れた街で、顔に傷があり、特別な声を持つリサに出会う。
だか、朝になるとその女性も同じように見えてしまう。
成功者でも、トイレの蓋を足で蹴りあげたり、トイレの後手を洗わなかったり、年のため見える醜く崩れた体型で風呂から出てきてオチンコ丸出しのシーンがあったり。
多分、普通に俳優&女優でやったら別に普通の女好きのクソ男と有名人と、1晩だけでもと思うモテないクソ女の話。
セックスシーンもとてもリアル。気持ち悪いほどリアルです。ストップモーションアニメなのに。
気色悪い。
あとで知ったけど、マルコビッチの穴とかやってた監督だったんですね。
なるほど。
胸糞悪くなる気色悪さを追求してる(と私が思ってる)監督ならではです。
あと、特別な女性に思えたリサの声優だけ女の声でした。
これが本当の人間でやってたら、奇妙に思えてしまうでしょう。
とてもよく考えられた映画でした。
「火の鳥 復活篇」的展開と思いきや
後はグチになるので、褒められる点を最初に述べます。
それは、ストップモーションアニメの技術です。
カウフマン作品だという以外の予備知識なしで観たので、最初フルCGアニメかと思っちゃいました。
にしては、動きがぎこちない箇所があるなと思ってましたが、まさかストップモーションアニメとは。
それでおいて実写と見紛う表情の表現には感服します。
ただ、そこで描かれるのが大半おっさんというのが残念ですが...。
主人公(マイケル)とヒロイン(リサ)以外の声は、Tom Noonanというおっさん俳優が担当。
主人公には、女性の声も子供の声も、ソプラノ曲の「ラクメ」ですら、同じおっさんの声に聞こえちゃうウンザリな状況。
似てるなと思ったのが、手塚治虫の「火の鳥 復活篇」。
大事故から大手術で復活した男は、その後全ての人間が異形な無機物にしか見えなくなります。
傍目には美人の女性を目の前にしても、吐き気がする塊にしか見えません。
ところがある日、異形の群衆の中に美しい女性を見つけます。
男は一目惚れし、出会いを重ねますが、その女性は実際には人間ではなくロボットでした。
男は"彼女"との関係を周囲に反対されるが、逃避行し、最終的にロボットに脳を埋め込んで一体化し、純愛を貫く。
「アノマリサ」でも、唯一女性の声そのままに聞こえるリサと、主人公は出会います。
リサは自身の講演を聞きに来たファンだったこともあり、楽しく酒を飲んだ後、一夜を共に。
ただ、カウフマンの作品だけあって、漫画のように純愛がスタートする訳ではありませんでした。
妻とも別れるとか言った傍から、主人公はリサの朝食の食べ方や喋り方にいちゃもんを付け始め、次第にリサの声までおっさんの声に聞こえるように。
自分は、ここら辺でかなりがっかりしました。
人間の描き方としてはリアルと言えばリアルだけど、結局ベッドに連れ込むまでは甘い言葉を囁いて、自分のモノになった途端、特別な相手ではなくなってしまう。
そもそも、前日には十数年ほっといた元カノとワンチャン狙っていた、自分勝手なおっさんにすぎない。
男としてはある意味リアルなんだけど、うーーんそれを映画で魅せられても...。
他の方の感想や解説にあるように、帰宅後日本女性を象った大人のオモチャに精液がついてると妻に指摘される所や、オモチャの顔とリサに同じ傷がある所から、リサとの出会いは妄想なのかもしれません。
ただ、ラストにリサが手紙を書くシーンがあるので、妄想だとすると映画表現として矛盾を感じます。
また、様々な暗喩は「隠れたゲイ心からとの葛藤」という解釈も頷けます。
飛行機で男性から手を握られることへの拒否や、夢の中で男性支配人から愛してると告げられて逃げるシーンは腑に落ちます。
ただ、隠れゲイだとするなら、男性に抗いがたい魅力を感じるシーンを作ってもらはないと説得力がありません。
自身全くホモっ気がないので理解できないだけかもしれませんが、結局女性の声に魅力を感じる様が描かれているので、本当に隠れゲイを描いているのだとしたら、かなりの駄作ですね。
また個人的に本作の嫌いな点が、幼い子供の声まで、Tom Noonanの声に聞こえているという演出。
所詮他人である妻に関しては、愛が薄れてその他大勢と同じ存在になってしまうことは、褒められた話じゃないけどあるかもしれません。
だけど、幼気な子供に大人のオモチャを渡したり、その他大勢と同じ扱いな主人公は、人間として終わってます。
「エターナル・サンシャイン」の熱烈なファンとしては、カウフマンの作品にケチを付けたくないのが本音です。
「エターナル・サンシャイン」の主人公も、元カノを罵るなかなかのダメ男。
でも、その彼女への離れがたい想いが描かれるラストに感動しました。
しかし、本作は残念ながら主人公に同情できる部分も、共感できる部分も全くありませんでした。
これが中年男の悲哀だとしても、原因はあんた自身そのものだよね。
これはちょっとやばい
意味不明でイライラする映画で途中で何度も見るのやめて一週間掛けてなんとか見てアマゾンで1番評価されているコメントを見て納得。表現方法もさることながら実はその内容もよくできていた。
こんなにも純文学なアニメを他に知らない
自己評価:4.3
人間描写がとてもリアルで、実写映画以上に人間くさい行動。
普通の映画の中では俳優がしないような仕草を、この作品ではリアルに描写している。たしかに普段の人間の行動ってこうだなと、不思議な新発見をする。
そういった自然な会話や行動を見るだけで、見応えがあり、作品の素晴らしさの1つだ。
そしてストップモーションアニメとは思えないリアルな質感とカメラワークも秀逸。
作品のテーマである人間の内面や自己についての表現など、余分な情報が入り込めないストップモーションアニメだからこそ、ここまで丁寧に深く描く事が出来ていると感じる。
まるで純文学のような個人的テーマを、こんなにもしっかり丁寧に描いている作品を他に知らない。
出張あるあるが詰まった驚愕のストップモーションアニメ
初老の作家が出張公演先のホテルで出会った不思議ちゃんOLリサと運命的な出会いをして一夜の恋に落ちるという90分のこじんまりかつしょっぱいロマンスを全編ストップモーションアニメで描いた変わり種。
物凄く地味で他愛のない話を物凄い手間をかけて映像にするという贅沢極まりない作品ですが、余りにも地味で他愛なさすぎるのか本邦では残念ながら劇場公開されないままDVDスルー。生身の人間が髪の毛一本出てこないのに物凄くヒューマンな作品だという評判だけは聞いていましたが、実写であればわざわざ映さないような些細な日常描写までとことん繊細に表現しているので、もはや演者が人形であることすら忘れてしまいます。出張が多い人は出張先あるあるの細かいギャグでクスっと笑えるオマケが多数あります。
不思議なストップモーションアニメ
・アノマリーとは変則的な意、自分以外全て同じ声に聞こえるマイケルが別の声のリサと出会う
・ベッドシーンの細かさとノーカット風な画面が相当手間かかってるな、挿入までガッツリ見せてた
・日本式からくり人形が歌う「桃太郎」になんの意味が?
・アマノリサ=天国の女神?
・同じ顔、声に悩むのが夢なのか幻覚なのかあやふやなのがもやっとした
・「チーム★アメリカ・ワールドポリス」のチームだと知ってあのラブシーンの気合いの入りようにも納得した
謎が多すぎる。
「アノマリサ」字幕版 DVDで鑑賞。
*概要*
大人向けのストップモーションアニメ。
*声の主演*
デビッド・シューリス
*感想*
ん~……全然面白くなかった。(^^; 最初から最後までよくわからなかったな…。女性キャラの声が何故か男性だし、リアルなセックスシーンがあるし、日本人形が不気味だし、桃太郎歌ってるし、、「?」のオンパレード。意味がわからない。見終わってから多くの謎が残ってしまいました。
でも、これはストップモーションアニメの人形劇。1コマ1コマの動作がめちゃめちゃリアル。マイケルがシャワー浴びてるシーンは思わず吹いたw 詳しくは書きませんが、アレが妙にリアルww そこまでリアルに描くとはww
だからR-15なのね。
総じて、登場人物の動作が不気味だし非常にリアルでしたが、話が全然面白くなかった。
自分には合いませんでした。。残念な一本。
大人向けのストップモーションアニメ
リアルな人形をコマ撮りしたアニメなんだが、造形も動きもとにかくリアルで驚かされる。
CGでは絶対に表現できない「実在感」、そして「人形感」は特筆すべきものだ。
特に人形感はストーリーの核に関わってくるポイントになっていて、このへんの魅せ方が実に上手い。
ストップモーションでここまでリアルなベッドシーンを見たのは初めて…というか、他にないだろう。しかもノーカットで実写よりも生々しいという。
見終わった後はなんともやりきれない気持ちになった。切ないラブストーリーを最後まで飽きずに観れたのは映像の素晴らしさ故かもしれない。
刺激のない人生の中、妻子がいながらもなおで最愛のパートナーを探し続ける初老の主人公はエゴの塊かもしれない。
しかし、そんな独善的な飽くなき追求すら愛おしく思えてくる。
人間とはそんな生き物なのかもしれない。
アノマリー(例外的に特別な)リサを探し続けているのだ。
みんな同じ声に聞こえるって不便だな
人形の顏がツギハギだらけでみんな眼鏡掛けてるのかと思ってた。眼鏡じゃないと分かった後は、そのラインが気になって仕方ない。
途中で顔が崩れる場面は精神的な崩壊を意味してるんだろうけど、ツギハギだから実は人形の世界なのかと思った。
精神不安定な人形を見ているのはなかなかしんどい。
チャーリー・カウフマンらしさ全開
変な映画!
カテゴライズするなら 人間ドラマ
ストップモーションアニメ・人形アニメーションを観るの久々で、
期待しながら観てたら 斜め上を行くような想定外すぎる中身で仰天
マイケル・ストーンの出張1日を追う構成なんだけど、兎に角リアル
ホテル到着後の用足しや
シャワー温度調整、
リサとのセックス
描写が生々しくて人形であることを忘れて、
人間 マイケルの生態を見せつけられる
講演シーンで判断すると精神疾患に悩む中年男性の苦悩のストーリーに見えるけど、
これを除いて捉えると、
極度の自分勝手なオッサンのストーリーになる
自分ありきで、自己の不満を埋めてくれない他者は皆冷たいと断じて、
稀に期待出来そうな女性を発見したら、
ひたすら甘え救済を求めて施しを得る、
で、思ってたんと違う!となると一気に関心を失う
こんなマイケルの1日をひたすら観測する90分尺のアニメーションでした
自分勝手なオッサンの哀れさを体感する作品としては そのリアルさが秀逸
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