しゃぼん玉のレビュー・感想・評価
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人は誰でも必要とされたい
人は誰でも必要とされたいし必要とされる場所を探す。そして人は成長し真の力を発揮する。その場所を探せるか否かで人生が大きく変わる。人との出会いももちろん大切。この作品はまさにそれを描いている。
市原悦子さんの慈愛に満ち溢れた演技も素晴らしく、途中からは藤井美菜さんが演じる美知さん側に感情移入し、美知さんの行く末が気になった。犬の存在も何気に良い演出でした。
2017-69
もう一度観たい
主人公の最初の表情
ひったくり、人をナイフで切る
その表情から、徐々に変わっていく過程が素晴らしい。改心してから村を出る時、そしてその後
安心して観れる、そして感動させられる。
また人生はやりなおせると自分の息子にも伝えたくなる。
もう一度、観たくなる良作
大切にしたい人には嘘をついてはいけない
女性、老人などをターゲットに通り魔をして生きていた若者が、ひょんなことから田舎の老人を救い、そこに居候してそこの人々との交流を通して更正していく姿を描いた作品。
とても感動的なお話ですが、決して重くなく、特に序盤はコミカルなシーンも多く、人間らしい愛らしい人々の姿に心温まります。人間らしいとは何かわからないけど、食べて働いて周りの人と話してってだけで、ちゃんと充足感を感じられるもんだなと改めて思いました。
全体としては田舎ファンタジーですが、すぐに噂が広まったり実は陰湿さもあったりと山間の集落から出た世界には現実感もあり良かったです。最後の終わり方もエピローグがあるけど描き切らず、ちょうど良かったです。美知との関係性についてはちょっと中途半場だった気がします、、、彼が通り魔をしていたと聞いて同じ被害にあった彼女がどう思うか、どう反応するか、これが解決しないとあの村では生きられない気もするので。
気づいた時に直せばそれでいいとか、大切にしたい人には嘘はついてはいけないとか、逃げるばかりではダメお前はやればできるとか、婆ちゃんとしげじいから言葉がグサグサ刺さる反面、勇気をもらえました。なんというか本質をえぐらずさわさわしてる感じが優しい。
市川悦子さんが本当に現地の人のように見えるほどかわいらしく、ポジティブで真っ直ぐなスマお婆ちゃん役、見事でした。最後の翔人を見送るシーンの寂しい表情、名シーンだと思います。林遣都くんも段々と心を開く翔人役良かったです。綿引さんも田舎の強くて頑固なしげじい、でもちゃんと深い優しさを感じられる、いい役どころでした。
予告編見ただけでも泣いてしまうぐらい心を動かされて記憶に残る作品でした。素晴らしい景色とおいしそうな料理の数々も魅力です。
温かで優しい田舎ファンタジー
最初、ひねくれ者の私は「これってよくある、すれた都会の若者が田舎に癒されて、人生を見直す話でしょ?」と、思い切り高を括って鑑賞に臨んだ。
そして実際、ストーリーの大筋はその通りだった。だが観終えた後、予想外にも胸にこみ上げる温かいものに包まれ、私は幸せな映画体験を得ることができた。
それは実際、舞台の宮崎の山間部の自然の風景や、スマを始めとする田舎の人々、この映画が映す様々な要素が美しく温かで、実に魅力的だったからだ。主人公ではなくても、こんな環境に身を置くことになったら、きっと心を解き放ちたくなるに違いない……そんな風に思わせられる程、この映画が映す景色と人には、説得力があるのだ。
あらすじは、女性や老人ばかりを狙った通り魔やひったくりを繰り返す青年・伊豆見(林遣都)が、逃亡の末に宮崎県の山深い村にたどり着くことから始まる。山中を彷徨ううちに、怪我をした老婆スマ(市原悦子)を発見し、彼女の家に世話になることになる。最初は金を奪い逃げるつもりだった伊豆見だが、スマら村人たちと交流するうちに、人間らしさを取り戻していき、自ら犯してきた罪の数々を後悔するようになっていく……というもの。
第一に、宮崎の山間部の村の風景が素晴らしい。山裾に広がる段々畑と、それを見下ろすスマが住む古い一軒家。早朝、藍色の空気の中で、山間を埋め尽くすように広がる雲海。温かな陽射しに映える木々の色を見ていると、緑の空気が肺に広がる心地さえしてくる。
次に、なんといっても、そこに住む人々が温かい。ほっこりとした宮崎弁を喋るスマ(市原悦子)は、本当にその地で長年過ごしてきたような、リアルな存在感がある。誰にも信じられず孤独に生きてきた伊豆見を「坊」とスマは呼び、包み込むような優しさで接する。実際の孫のように扱われるうちに、伊豆見自身がスマに心を開いていく過程に、鑑賞中なんどもニッコリとしてしまった。
脇役の存在感も素晴らしい。厳しいが面倒見のよいシゲ爺や、スマの友人である明るい老婆たち。傷を抱えてきて都会から戻って来た美知など、役者がのどかな風景にピタリとはまり込んでいる。
市原悦子の自然な空気感をまとった演技は流石だが、主演の林遣都も良かった。少年性を残した彼の顔立ちが、見捨てられた子供から大人になりきれない主人公像にピッタリ。どこか幼さを残した彼だからこそ、スマが孫の様に愛情を注ぐのが分かる。
そして、ひたすら癒しに満ちたまま話が終わるのかと思いきや、そうはならない所に、この作品の奥深さがある。
物語の後半、人間性を取り戻していった伊豆見は、ある事件をきっかけに、ただのお人好しの婆さんと思っていたスマの過去、彼女の孤独と後悔を知ることになる。明るく優しいスマが、取り返しのつかない過去を抱えていると知った時、伊豆見は自ら犯してきた罪の加害性に向き合う決心をすることになるのだ……。
きっと、こんな理想郷のような田舎は存在しないのだろう。ファンタジーなのは、よく分かっている。田舎には都会とはまた別の息苦しさ、田舎の生きづらさがあるはずで、それはこの映画では描かれない。
しかしそれでも、こんな田舎ファンタジーが、たまにはあっても良いじゃないか。そんな風に思える、温かで優しい映画だった。
市原悦子と地域密着感
優しくてユーモアあふれる市原悦子が良かった。うまく馴染まない林遣都の存在とうまく相対していて、面白い作品だった。
うまいとはいえ決して地域にあっているとは言い難い市原悦子ではあったけれど、作品全般においては不思議と地域に根ざしたものを感じたし、その土地の良さを強く感じさせるような作品だと思う。奇麗事のような話も、リアリティをもって感じることができたことは、何よりもこの地域に根ざした感が大きいような気がした。
美しい風景と人の温かさが染みました
美しい棚田が広がる日本の農村の風景が心洗われます。
人は人によって救われるのだと。
温かい心には温かい心が帰ってくる。
どんな人間でもやり直せる。
優しく穏やかで温かい愛で
ナイフのように尖った心も
溶けて行くんですね。
素晴らしい映画でした。
育て直しとやり直し
どうも日本映画には、地味なご当地映画であるためあまり話題に上らないけれども実は名作、という系譜があり、
(2016年で言えば比嘉愛未・鈴木保奈美主演の映画『カノン』)
この作品もそんな隠れ名作のひとつだった。
荒んだ心を持つ強盗犯・イズミが田舎に逃げ込み、スマやシゲ爺、美和と触れ合い人の温もりを感じて贖罪に至るという、キャッチーなあらすじながら、丁寧な脚本と美しい映像で仕上げているためか、素直な気持ちで感動しました。
イズミが再生に至る過程において、スマの包容力が不可欠なのは予想できます。それだけでなく、厳しい山仕事をともに行い、やり抜いたイズミをきちっと評価するシゲ爺の存在もイズミの再生に不可欠なんだよな、としみじみ実感。
イズミはスマやシゲ爺の力を借りて自分自身を育て直していったのだな、と思いました。
育て直し・やり直しはイズミだけではなく、実はスマもしていたのでは、と感じてます。
息子をしっかり育てる(もしかしたら愛する?)ことができなかったという、息子及び自分自身への罪悪感が、イズミを大切に世話をする原動力になったと思う。イズミに息子を重ね、できなかった100%の優しさをかけたのだろう。
息子に対してはきっと「坊は良い子」と受容できなかったんだろうね。スマは子育てをもう一度やり直したかったのではなかろうか。
あと、藤井美菜演じる美和は、とても爽やかで魅力的でした。田舎の風景と彼女の透明感ある美貌はとてもマッチしている。カジュアルファッションで田舎に佇む藤井美菜には持って行かれてしまった。美和がイズミに恋して浮かれる感じは観ている方としても幸福感を味わえました。
秦基博のエンディングテーマも良かった。アイはややスタンダード化した名曲だけど、この映画のエンディングで聴くと、男女の性愛としての「アイ」ではなく、もっと広い意味での「アイ」を歌っているように思えてなりません。
名演技に感情移入しまくり!
市原悦子演じるおばあちゃん
林遣都演じるいずみ
その他村の人たち全員の名演技に
本当に感動しました。
人のあたたかさを知らずに帰る場所もなかったいずみが変わっていく姿にほっこりしました。
たくさんの愛をもらうと人って変われるだな。
笑って、泣いて、ほっこりして。
幸せな映画でした。
*ラストのシーン*
3年後に帰ってくるってところがちょっと早くないのかな?最後にばあちゃんの”おかえり”って言葉も聞きたかったな〜って思いました。
でも、バスを降りて、しげじぃを見た瞬間のいずみの表情が最高でした。号泣しました。
DVDが出たらすぐ借りたい。
見終わったら秦基博さんのアイをじっくりと聴いてみて欲しい
人の心を分かりやすく変えるのは、人を気にすること、人に気にされること
心で人と触れ合うこと
それが、人間が求める最大の欲求のように思った
主人公だけじゃない、彼と触れ合った人たちも同じように
果たして自分は、本当の心の付き合いをしているだろうか
繁華街にいても限界集落にいても
人口が違うだけで、心でつながる機会は、つながる人の数は所詮同じ程度なのかもしれない
雑踏の中で寂しさをごまかしながら、今も誰かに合わせて、自分を押し殺して
一見協調性を高く見せて生きているような気がする
彼の言うしゃぼん玉のようにずっとずっと、心が安らいでいない気がする
それで、ちょっと触れたら壊れてしまう
だから逃げてしまう
すすり泣く音が響く館内。王道ストーリーでも役者と本がしっかりしてい...
すすり泣く音が響く館内。王道ストーリーでも役者と本がしっかりしていれば心に響く。都会に住んだ事がある日本人なら、市原悦子さんに泣かない人はいない様に思う。温かい
監督の舞台挨拶とともに
宮崎県のとある山村。
何でもない景色がとても貴重なものに思えました。
最後まで静かに時間が流れていきます。
だからとても細やかな心情描写にしっかり寄り添うことができる映画でした。
自分でも驚いているのですが、映画を観終わり、こうやって携帯を握っている今だって胸がぎゅと締めつけられています。
なかなかないことです。
優しさに飢えていたのかな。
心を掴まれました。
林遣都くんの告白を聞き受ける市原悦子さんの無言の名演技に、ひたすら感動しました。
映画上映後に、監督の舞台挨拶で判明したことですが、主人公が椎葉村で居候になったのは、わずか20日弱とのこと。
人々の生活の営みによって、少しずつ変化していく主人公。
贖罪の道を選びました。
余韻を残すエンディングになっています。
椎葉村のあの家に明かりが灯っていました。
そこにスマはいるのか?
この話はネタバレになるので控えておきます。
公開終了までに見ることができて本当によかった。
人は頼られると成長するのだな
予想外に良かった・・・・
最近観たなかで2番目の感動かな
主役の彼は勿論、周りの俳優さん女優さんも良かった
地元の人も映画に溶け込んでいる?様で違和感なく
主人公が、老人たちの中で成長し、目が覚める様が心地良い!!
中部か東北かと思っていたけど九州だったとは・・・・
風景は良かった。
じんわりあたたかい気持ちになります
とてもとても素敵な映画です。
切なくも、最後はじんわりあたたかい気持ちになります。
涙が止まりませんでした。
もっとたくさんの方に見ていただきたいです。
上映映画館の数が少なすぎます。
主人公と一緒に癒されます
美しい自然と市原悦子さんの声に癒されました。
こうであってほしいと思う再生の物語。
疲弊し犯罪に手を出す全ての人がそうなるとは思えないけど、早く起きて田畑を耕し身体を動かし食事をして眠りにつく、そんな淡々とした自然田舎での毎日で人の気持ちも正される。
『坊はいい子』と言われたい人は沢山いると思う。
ほろっとします
市原さんのセリフを聞いていると田舎の風景も相まって日本漫画昔話を見ているような気になります(笑)
ちょっと主役の演技がわざとらしいの鼻につきますけど眼力があるのでそこはいいですね
最後はうるっときました。
ふるさと
壮大な自然の美しさが画面に彩る。
また、慎ましながらに美しい生活も丁寧に描かれている。
浴槽から磨りガラス越しに映る人影のカットは、幼い子供が親を見る視点であり、ノスタルジーを感じた。
しかし、脚本では美知の心の変化に説得力ある描写が無いのが気になった。
祭りの準備という共同作業を経て、幾らか心が安らぐのは分かるが、トラウマに対する特効薬としては不十分に感じた。
また、肝心の伊豆見の台詞回しに違和感が多々あり、舞台装置感が強かった。
とは言え、壊れて消えない暖かさは最後まで貫き通した作品だ。
優しい心を生むのは
椎葉村の自然は、美しく清浄で、荒む気持ちが消えていく。また、雄大で人を包み込む景色は、人を穏やかな気持ちにさせる。
なによりも、その自然の中での村人の生き方に感動した。
人は、親切にされれば、人に対して親切になる。人から大切にされれば、自分も人を大切にするようになる。
映画の中の椎葉村の人たちはそれを実践するから、周囲に優しい心を生むのではないか。
記憶に残るのは、別れ際、お婆さんが1人田んぼの中で立っている姿。その立ち姿だけで、もう会えないかもしれないというような哀しい気持ちが伝わるようだった。
少し残念なのは、最後のシーンで、待っていてくれて良かったとすごく嬉しかったけれど、私は、そのときの2人の表情も見たかったなと思った。
それから、とても素敵な映画だったのでパンフレットを購入したけれど、ほとんどホームページなどで見られるような情報で、ページ数も少なく、値段ほどの価値を感じなかったのが残念だった。
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