彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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児童福祉とセクシャルマイノリティー
大学で児童福祉が専門だったので、実習を思い出させられた。子どもには母親が全て。悲しいけどこれが現実。
多様性が最大限に認められる社会を皆さんで作りたい。
ただただもったいない。
まず生田斗真の女装は、どう見ても女性には見えないからこそ良かった。
すぐに男性とわかる女装はそれだけでギャグになってしまいがちなところを
リンコは天使のように美しく描かれ、身体的要素が女性らしくないからこそ「内面の美」を描いているのだとよくわかる。
これが言われなければ気付かないくらいに女性らしい姿だと、トランスジェンダーをテーマに据え置く必要すら無くなってくるので、
リンコの見た目の不自然さは映画に必要なものとして最初からすんなりと受け入れられた。
トモは現代っ子らしく、思ったより反抗することもなく、すぐにリンコに懐いてしまうが、
概ね切ない気持ちやその後の良かったという満足感も得られ、途中まではとても良い作品を観たと思っていた。
だがラスト、てめーはダメだ。
本当にそう言いたくなってしまうくらいラストが、トモが実母を選んでしまうのはいただけない。
分かる。現実はそうである。子供というのは、どれほど最低な人間だったとしても実親を捨てきれないものだ。
トモの母親は悲しいことに、現実によく存在する。リンコの母親こそ、あまりにも聖母過ぎてフィクションの存在だろう。
確かにここでトモが実母を許してしまうことで、観衆は最後までトモの母親に対して怒りが収まらないため、その対比はしやすい。
ここでトモがリンコを選んだら予定調和だろうという監督の考えも透けて見えるようだ。
だがここは、素直にハッピーエンドで良いだろう!!そう言いたくなる。
これほど重いテーマを扱い、トモの友人のゲイの少年は救われないまま終わる。
ハッピーエンドだけが正義とは言わない。だが、これまでの流れでそのラストは「違う、そうじゃない。」
という言葉ばかりが頭の中でグルグル回り、しばらく寝付けなかった。
良い映画を観た!という充足感と共に寝付くはずが、違う、そうじゃない。
ものすごくモヤモヤして印象には残るだろう。
しかし映画というのは娯楽作品であることを忘れないでほしい。
救われるシーンもあるから救われないシーンが引き立つわけで、
「こういったテーマを扱うのだから現実的に、ハッピーエンドにはしたくない」という考え方の方が、それこそ予定調和である。
リンコのプレゼントは趣向を凝らしてあって良かったと思うが、
トモの母親は絶対反省していないだろうし、またトモを捨てて出て行くだろうという後味の悪さでかき消された。
映画における「現実的」をはき違えている。
あまりにもLGBT世界について薄い内容
かなり興味ある内容であったが、冒頭から…あまりにもコテコテの展開でびっくり。まず教室内の黒板に「オカマ」とか「ヘンタイ」とか、書いてある。
物語の核になる少女トモの同級生の男子が性同一障害者なのであるが、それを表しているが、まず今の小学生がオカマなんていう言葉を平気で使うであろうか、まだ「オネエ」とかならわかるが、この時点で荻上監督の感覚の古さ、LGBTへの浅い視点でしか描けない力量を思わせた。学校でも、そのことについては全く触れていないし…学校の描写があまりにもお粗末なのである。
そしてトモの母親は男狂いで堕落した女性…この典型的なバカ母親像も、どこかで見たもので新鮮さはない。トモが叔父のマキオの元へ見寄せるが、そこで出会ったのがマキオの同棲相手、リンコ。そう彼が生田斗真演じる性同一障害者であるのだが…彼がトモの母親変わりとなって、マキオと共に新たに家族を作っていこうとする感動物語?になるはずだが、そうには残念ながらならない。
だいたいリンコのキャラがつまらないのだ。介護士をしているが所内での立場とか、全く簡潔にしか描かれておらず、LGBTであることで仕事上で困ったこと、トイレ問題とか、所内の患者との対応とか、普通の介護士といったもので面白味がない。同僚の男言葉を使う「ト書きを読まない」女優、門脇麦とのやりとりもどうでもいい。門脇が結婚するということで、それに対するリンコの憧れを描く為のキャラだが、それにしてもアッサリしていてどうでもいいキャラだ。
とにかくリンコが優しい性格だけでしか描かれておらず、それも生田がメソメソしすぎで見ていられない。マキオとの関係も本当に愛情があるのか、どうか、例えば一緒にお風呂に入るなどのシーンを入れてもよかったのでは?
更に必要かと思うのが、トモの同級生のゲイ、カイだ。カイが上級生にラブレターを書いて母親に自分の性癖が分かり、自殺を図るなど起こすが、解決策が見つからないまま、ドラマの中で影に隠れていく。どうもしっくりこない。
またラストがおかしすぎる。カイの母親の心ない行為でリンコやマキオの元へ児童相談所の人間が来たりして、トモの生活環境が問題視されたりするのだが、最後突然、男と別れた母親が来て、引き取ることになるのだが、おかしくないか?だって母親こそ、育児放棄しているのだから、やすやすと引き渡すリンコ達の気持ちが不明。養女にまでしたいと言っているのだ。もちろんトモが実の母親がいい、と言うが、状況判断から、それを止めるのがリンコやマキオの立場ではないのか?爪の甘さが、本作品を薄っぺらいLGBT問題を主題にしただけの映画になり、とても文部科学省選定作品で、かつ東京都渋谷区および渋谷区教育委員会が初の推奨作品に選定するほどの価値は見いだせない映画であった。
文芸坐さんでやっと観れた!荻上監督の作品は本当にどれも大好きで…で...
文芸坐さんでやっと観れた!荻上監督の作品は本当にどれも大好きで…でも今回、生田斗真と桐谷健太って、ちょっと今までの感じ(小林聡美さんとかもたいまさこさんとか片桐はいりさんとか…)と違って、どうなのかななんて思っていたけれど。今回も温かいな。やっぱり荻上監督の作品の空気感がとても好き。それに生田斗真さんの演技力がすごくて。結局あの少年はどうなったのかな、とか、気になるところもあるけれど、本当によかった。悲しみをぐっと堪えて、過ぎるのを待って編んだ凛子さんだからこそある、芯の強さと優しさ。とても素敵でした。
凛子さんのように愛情深い人になりたいな。
これは秀作。 室内場面での照明が少し暗いが批判する程でも無い。 人...
これは秀作。
室内場面での照明が少し暗いが批判する程でも無い。
人物相関図には一対になっているところも有り見所の一つ。
緊張感有る長廻しが続き、滑らかに動くカメラに的確な演出力。
子役の女の子が素晴らしい。
荻上監督 一歩高みに上りましたね。
(2017年3月3日 TOHOシネマズ渋谷/スクリーン1)
苦しい、悔しい
沢山いるトランスジェンダーの友達の事を思い出して苦しくなった。彼らにとってはそれが当たり前なのに、社会から普通を押し付けられて生きていくことがどれだけ苦しいか勝手に想像して悔しくなって涙が止まらなかった。偏見を偏見と思えない思考回路を持つことは危険で恐ろしい事を思い知らされた。たまたま別の体を持って生まれただけの人が、大好きな人との子供が産めない事も、それを仕方ないって諦めるしかない事もとても悔しい。なんでうまくいかないんだろう。
トランスジェンダーの友達の一人が言っていた、「これは病気でも何でもなくて、そうやって生まれてきたもの。誰がこんな生きにくいマイノリティーに望んで生まれてくる?もう一回生まれてくるとしたら絶対にマジョリティーの方で生まれてくる」って言っていたのが忘れられない。一意見だし、きっともう一度トランスジェンダーで生まれてきたい、っていう人も沢山いるだろうけど、やっぱりあの友達のおもいの詰まった言葉を思い出してしまった。
私も
私はアメリカに向かう飛行機の中で見ました。
飛行機の中にもかかわらず涙が止まらなくなって
実は私も、40代後半の性同一性障害者です。
ストーリーの中で幸せなこと、悲しいことすべてに自分が重なってきて泣きまくりました。
病院にも掛かって、ガイドラインにも沿って2か所の精神科、婦人科で治療を受けています。
治療の結果胸も膨らんでいますし、既に男性としての機能はしなくなっていますが、工事はしていません。
私も最初は小学生10歳を前にして違和感を覚え、母の服を着たりし始めたのがきっかけでそれから40年間
まだ社会が今ほど開かれていない時代。
ずっと内に秘めて過ごしてきました。
両親は中学のころからは知っていた様ですが、何も言わず育ててくれました。
内に秘め、こっそり外で着替えては車でどこかに出かける程度で20代が過ぎ
30過ぎで流されるように結婚し、子供も2人出来ました。
世界が変わったのが同じく30過ぎくらいの頃でしょうか?
ネットが普及し情報が集まり、仲間も出来て、自分の意識がそちらに向かうようになり
日本でも性転換が出来るようになり、性別も変えられるようになったのはこのころからです。
妻ともいろいろとありましたが、今は容認してくれています。
皮肉な話で、結婚したとたんに世の中が変わっていったという感じでしょうか。
子供たちにはちゃんと話していませんが、既に知っているようです。
会社に女性として行ける様な状況になるにはまだハードルはかなり高いと思っていますが
既に会社関係者も何人かにはカミングアウトもしてしまっています。
この年齢もあり、どこまで出来るのか?常に自問自答しながら、また子供たちが映画の中にあったように不当ないじめを受けたりしないか心配は尽きません。
でも正直私は女性であり、女性として生きたい気持ちは強く、実は家庭には内緒ながら、知り合った彼氏とも7年以上付き合ってきました。
世間的に見れば異常かもしれませんが、何とかこんな状況を維持しているのが今の現実です。
良いのか悪いのか境目を探しながら、でも子供たちは成人させなければならないという責任感と、妻への感謝しきり。
そんな私にとってこの映画は本当に自分の過去と未来を考えさせられる映画でした。
本当にひたすら泣き続けました。
世の中の差別が無くなることは難しいかもしれません。
でもそんな未来が来ることを当事者の一人としてお話しすると共にこの映画の素晴らしさに感動しました。
ありがとうございました。
今度ぜひ映画館で女性として見たいと思っています。
心が温かくなる。切なくなる。
マキオとリンコの恋人関係がほのぼのと描かれていました。
トモに対するリンコの愛情がとても温かい。
3人には本当の親子になって欲しかったけれどそういう訳には行かず…実の母親には勝てないのか…育児放棄する親なんて親じゃない。とても切ない終わり方でした。
自転車に乗って3人でお花見に行くシーンはほっこりしました。マキオとリンコが美味しそうにお酒飲むところ大好き。
あとトモの大好物がたくさん弁当に入っているところ。愛情が伝わる。
余韻がすごくて観た後にボーッとしてしまうけどまた観たいと思える映画でした。
少し元気が出る
非常に丁寧に作られていて、クスクス笑ったり、うるっときたりで、いい映画を観たなぁと思える作品でした。
人それぞれ生まれ持った事情があり、親というのも皆未熟であり、人は困難を乗り越えながら少しずつ成長していくものなのですね。
少し前に、土竜の唄で生田斗真を観たばかりなので、そのギャップも面白かったです。
とても良かった。静かに温かく強く響く。想いが伝わってきて苦しかった...
とても良かった。静かに温かく強く響く。想いが伝わってきて苦しかった。嬉しかった。幸せだった。
どうやったって陳腐な感想になってしまうけど、観て良かったです。子役の子の演技が素直でとても良かった。
日曜のムーンライトに続き、偶然にもLGBT映画が続いたけど、どちらの作品も素晴らしく、本当に観て良かったと思えた。両作品共通してたのが、LGBTの主人公がとても“普通の人”だったこと。可哀想とか思わない。思わせない。
だから、そこじゃない感情が溢れるんだ。
子供のことを考えた。
どストライクで、ずーーーーーっと泣いていました。泣かずに見られなかったです。
男の子の体に入って生まれた女の子リンコの話であり、全ての母と子(特に娘)の話でした。
確かに荻上直子監督の第二章という感じです。
監督の主張が過去作よりも前に出てきたと思いました。
トモの母、ミムラが演じる母ですが、残念な人だなと思いました。
母である前に女であるのは、それはそうなんだけど、子供と相対した時、その意見は意味を成さなくなると思うんです。
だって、子供は大人じゃないから。1人ではまだ生きていけないんです。
女である前に、大人じゃないのかな?
彼女は悪い人ではないけど未熟なんです。いろんな理由があって幼いまんま。
だから、いつも子供を慮れないんですね。
その要因のひとつがりりィ演じる母にあるという提示がありました。
マキオの父は不倫をして家を永く空けていて、死んでから帰ってきた。
その棺に妻は恨みをこめて編んだ編み物をぜーんぶ入れて焼いたといっています。
そして、娘に編み物をたくさん編んであげたとも。夫への恨みをこめた編み物を、娘に。
マキオもいっています。母は姉に厳しかったと。
その辺りから、トモの母がその母の恨みつらみを一身に浴びて育ち、子供時代の悲しみを消化できなくて、大人になれない大人になってしまったのかなあと、想像しました。トモに毛糸の物を与えた事のない「ママ」に私は少し同情しました。
マキオの母のした事は、暴力でなくとも虐待だとおもいます。
マキオの母からマキオの姉に引き継がれた負の連鎖は、形を変えてトモへのネグレクトという形で現れています。
もちろんママは良くないんですが、ママだけが悪くないよってちょっとだけ思いました。
今後、ママが自力で成熟する可能性は、ない事はないけど低いと思います。
その時、マキオとリンコがトモに対して、親でなくとも、親戚として、ただの年長者として、支えてあげて欲しいなと思いました。
どの人も、リンコの母のように子供の全てを受け入れる器があればいいのだけど、親は資格がいらないから、誰でもなれちゃう。望んでいても望んでなくても。そこが悲しいです。
そしてカイくんです。胸が潰れそうでした。大量の錠剤をスイミーと仲間たちに模して並べ自殺をはかりました。スイミーはみんなが白いなか、自分だけが赤いことを受け入れられて生きることができた。なのにカイくんはその物語を思い浮かべながらスイミーと仲間達の共生が実現しないことに絶望するんです。もう今思い出しでも泣いてしまう。
子どもがこんな悲しいことを考えなくてはならないなんて。やるせない。助けたい。でも虚構の中には入れない!と座りながら地団駄を踏みました。
カイくんのお母さんは良くない。本当に良くない。あなたの信じる普通は、誰かを傷つける偏見です。
その自覚がないのがだめよ。個人の常識は所詮偏見です。世界にいるのは普通の人と普通を逸脱した異常な人ではない。そのことを知らず、息子を愛しながら殺している。絶対自分も幸せちゃうのに…どうして?
カイくんの母にも、極端な二元論にしがみつく過程があり、そこを見つめたら彼女を責めて終わる話ではないでしょうが。だとしても、子どもに罪はないねん。
そんなことを思いました。
そしてリンコの母みたいな人はあまり出会ったことがないけれど、カイくんの母のような人はいっぱい知っているなと思いました。
あ、これだと悲しいだけの話みたい…でも長くなりすぎ。この辺でやめときます。
カイくんには、とにかく今は耐えて、大きくなったら自分を受け入れてくれなかった人達を全部捨てて、落ち着ける所へ逃げて欲しい。それまで頑張って欲しい。今はあなたの周りには味方が少ないけど世界はとてつもなく広いから。だから今はただ生きていて。絶対幸せになれる所はあるよ。そう言いたい。
鑑賞記録
年末に観た『土竜の唄』から間を空けずにやってきた生田斗真主演作品。当たりハズレが多いよなぁなんて、土竜の唄を観ているときは思っていたのですが、今回は良かったんじゃないかな!
セクシャルマイノリティーの人たちが出てくる作品ってたくさんあるとは思うのですが、自分がそのような人たちがいるのだと認識したのは上戸彩が出ていたシーズンの金八先生。あれから十数年くらい時が流れ、社会、いや世界的に考え方も制度も変わってきたように思います。本作で出てきた小池栄子のキャラクターのように、そのような人たちを奇異な目で見る人というのは今でこそいれども、もう数年経てば当たり前だと受容されているのではないかと思います。
ただ、今回のテーマは社会とか世界とかじゃなくて、目の前の「お母さん」に受け容れられるということのデカさだと思うのです。仕事柄、親との愛着関係について考えさせられることが多々あるのですが、子にとって親の存在がいかに大きく、代わりのないものかということを本作は描いています。自分は自分だと、強く立ち向かっていくことが後ろ盾なしに一人でできる人もいるかもしれないけど、「あなたはあなたで良いのよ」と言ってくれる肉親がいるという事実は、その人が前向きに生きていけるかどうかを大きく左右するんじゃないかなと感じさせられたのでした。
メジャーな俳優を揃えながらも芝居自体は抑制されたトーンで心地良い。桐谷健太があんなぬぼーっとした感じを出せるなんて…。トモちゃんこと柿原りんか(本作で初めて知りましたね)もいい!この子に関しては是非「涙のタイミング」に着目してほしい。絶妙!出演シーン自体は絶対的に少ないはずなのに存在感抜群の小池栄子も、すごい女優になってきたのかもなと思ったり。
今の時代に作られる意義のある作品なのではないでしょうか。もうすっかり上映は終わってしまっているかもですが、多くの人に観てもらえたらと思います。
家族とは
編み物好き、荻上監督好きなので見逃せない作品。心待ちにして見に行きました。
想像していたより編み物三昧なわけではなかったけど、、編み物をしていると心がすーっと落ち着くというのは本当にそのとおりで。とっても共感。
主人公は小学生のごく普通の価値観を持つ女の子。
トランスジェンダーの凛子さん&叔父のマキオカップルと過ごし、そういうの気持ち悪い、と思っていた彼女の価値観が変わってゆく。
凛子の苦悩と、家族のありかた、をすごく考えさせられた。
母親って子どもにとっては本当に特別な存在なのだ。
女性と母性を渇望している凛子さんがとても切ない。
邦画で性的マイノリティを描いた良作
荻上作品らしい食事の風景や画から出てくる温かみはそのままに、今回はしっかりとテーマを持たせている点に新たな境地をみました。役割を明確にするために多少キャラ設定に偏りを見せているものの、全体の構成はよかったかと思う。
予備知識も特になく、生田斗真がキャリア最高の演技をしていると吹聴されて観てきたので役柄を知ったときは度肝を抜かれましたが、変に尖った役よりも柔らかさを演じさせた方がハマっていた印象を受けたことから、こちらの方が彼の本質に近いんだろうと感じました。
LGBTを描いた作品は国内では多くはなく、もっとも偏見や理解も少ないので、作品としては難しいテーマにチャレンジしたなと思いましたが、時の流れに身を任せ“受け入れる”監督の作風はラストにも反映されていて哀愁を感じさせてくれる。
人のあり方、家族のあり方。
人はひとりひとり自分の中にモノサシを持っていて、そのモノサシで計れないと“自分とは違う”と判断して“嫌いだな” “変だな”とか“気持ち悪いな”とか感じるんだと思う。
それは別に悪いことでも、間違ってるわけでもないから「そういう風に思うのはよくないよ」って正すのも変だと思う。
ただ、自分のモノサシだけでは計れない人は数え切れないほどいるわけで、自分の枠だけで捉えてしまうとちょっともったいないんじゃないかなって思う。
モノサシだって、長さも色々あれば巻尺みたいなのもあるし、形を変えればコンパスだってあるわけで、色々なものを色々な角度から計ることができる。
片方を見てこうだってなる前に、違う方から見てあぁ、本当はこうなんだって分かった方がもっといいんじゃないかなって思う。
この映画は改めて人のあり方を考えさせられるなと思う。また、家族のあり方も。
全211件中、81~100件目を表示