彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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性に対する向き合い方
この作品は、かなり思い切ったものであったと思う。昨今、問題化されているセクシュアルマイノリティに関して、どう向き合っていくべきなのか非常にリアルに描かれており、考えさせられる映画であった。
性別で人を区別するのではなく、人間として、人として、見つめることが大切だ。
特に日本人は、新しいもの、よく知らないものに対して、偏見を持ってしまいがちな部分はあるけれど、経済的、産業的な発展ではなく、人として文化的な成長を国全体で、していかなければならないと感じた。
偽善者なれ、認めろ、とは思わない。理解し、人として受け入れることが必要になってくる。他人事にしてはいけない、人類の思いやりの問題である。
いつ自分が同じような状況に置かれるかわからない。そうなった時に、自分はどのような行動を取るだろう。必ず善を行うとは言い切れない自分がいる。周りの人々もそうではないだろうか。
新しいアングルからの考え、見解を持たなければいけないと思った。
いろいろ考えさせられます
かもめ食堂の監督の作品との事で難しいテーマの中にもきっとほっこりするようなエピソードを交えて感じの良い作品なんだろうな〜ってイメージで観に行きました。生田斗真演じるリンコは綺麗とかじゃなくていかにもって感じでリアリティがあった。トランジェスターの中では理解力のある母親や恋人がいて相当に恵まれた環境の中にいるリンコですが、それでもやり切れない事もあるだろうに全てを引っくるめて生きている。恋人の姉の娘との共同生活が始まるのですが母親以上の愛情を見せ、最初は戸惑いながらも段々となついていく所とか見所満載です。大泣きは出来ませんが所々にジーンとさせられます。まだ早いですが、多分今年トップスリーに入る映画だと思います。
人それぞれの「編む」こと。
良い映画でした。
出てくる役者さんすべて「名演」では無いでしょうか?
いわば「悪役」である小池栄子も名演でしょう。あの人こそ、言ってしまえば「普通」の人の反応なんじゃないでしょうか?トモにスーパーに会った時の感じ、観てる我々は彼女に腹がたちますが、「息子の同級生」が家を出てああいう人と暮らしている、と知っていればむしろ彼女は「良い人」と言われてもいいと思います。が、良い人の善意が圧倒的に誰かを傷つけてしまうこともある、ということを残酷に描いてました。
とにかくひとつ言っておきたいのは、この映画に出てくる料理の、ことごとく美味しそうなこと!エンドロールを観てフードコーディネーターが飯島奈美さん(深夜食堂、南極料理人、、)!!やっぱり流石です。この人の料理は決して背伸びしてなく、例えば「普通の家庭でこんな料理作る??」と思わせることのない事です。普通の家庭料理で、それでいて少し手間がかかっていそうで、とても美味しそう。この作品のもう一人の主役は飯島奈美さんの料理でしょう。
そして、「編む」こと。僕自身は編み物を出来ませんが、誰にでも、彼らにとっての編み物のような、悔しい時、辛い時、やりきれない時に没頭するものがあるはずです。料理だったりジョギングだったり。
りんこさんもまきおも、トモもそれがあるか
ら救われたのだと思います。
そして、僕がこの映画を観ていてたびたび言いたくなったのは「ふっざけんなよ!」でした。
トモを捨てた勝手な母も、黒板にイタズラ書きする同級生も、息子の気持ち分からず「あの人たちは普通じゃないの」という小池栄子も、りんこさんを男性の6人部屋に押し込む病院も、みんな、ふっざけんなよ!と。
そんな時、彼らは「編む」のでしょう、人に洗剤をぶっかけるのではなくて。
※田中美佐子の「ラッキー!☆」がとってもキュートでしたね^_^
みんなちがってみんないい
心がほっこり。とても良い映画でした。
リンコの心の美しさが、発する言葉や眼差しだったりからとても良く伝わってきました。
リンコを真正面から受け止めて、ありのままを愛する母の姿にはホロリ…
世の中はたくさんの偏見で溢れているけれど、支えてくれる人、受け入れてくれる人が近くにいれば、強くなれる。
やっぱり荻上さんの作品、好きだなぁ〜。
己をみつめさせられる
作品の主軸上、偏見や差別があることの上にあるテーマなだけに、人間のずるさ汚さ本質も描いているが、映像の空気感がとても美しく、全体的に「キモチの良い映画」であった。
生田斗真の演技がとてもよかった。特殊な演技ではあったろうが、とても自然で「リンコ」がそこにいた。
トモやマキオの3人の関係が構築されていく様は言うまでもなく。
小池栄子やミムラが本当に憎たらしかったのが素晴らしかった。
あの二人の役柄、関わりは重要。
自分はどちらかというとそちらに近い存在であると思う。
頭では差別したくないと思っていても、やはり現実にそこにあったら、彼らをまず否定してしまうだろう。
理解する受け入れることは簡単ではないだろう。
だからこそそこを描いてくれて、どんな思いをするのか、思い知らされた。観ていて憎たらしいむかつくわかるだけにむかつく。ああ私も洗剤ぶっかけられるなと。
最後に、ミムラ演じる母が嫌悪していた自分の母に会いに行き、また娘が戻ることを待ちながら、部屋を片付けていたことに救われた。
普通ってなんなのか。彼らのことも普通と思える世の中になるよう、この映画に出会えたことが、自分はもちろん観た人たちから変っていくことを願う。
(p_-)泣けた、共感した、だが、、、、
性同一性障害のリンコ、それを理解する恋人のマキオ、親のネグレクトでこのカップルと暮らすことになるトモ、三者がお互いを分かり合いながら支えあいながら暮らしていく物語。性同一障害は性転換を含め想像を絶する生きにくさがあるのだろう、が周りにそんな人がおらず、このような映画で実感があやふやな感じで知るしかありません。
この映画で共感し号泣したのですが、果たして現実で出会ってしまった場合、私は彼らに理解を示すことができるのであろうか?小池栄子が演じるナオミのように差別的に接してしまうんじゃないだろうかと不安になります。映画は美しすぎる。現実は、、、。
YouTubeでコテコテの禿げたオジさんが性同一性障害で悩んでいる映像を見た事があります。果たして映画と同じ共感と理解を持つ事ができるだろうか?ナオミが自分の子供に『あの一緒にいた人は異常なの』というシーンがあります。異常、異常とは?正常とは?
この区別が大切なんだろうか?どこで人を区切るの?
区切る事自体が間違えか?んっそれは綺麗事?わからん。
優しくて涙が出るのです
期待半分・・・、でもどうなんだろう?と思いながらも、初日に大型シネコンで観て来ました。ほぼ満席状態でした。
例えば・・ここ半年で観た作品と比較すると・・
「湯を沸かすほどの熱い愛」ほど涙がポロポロというわけではないのですが、でもところどころ涙がこぼれてくるのです。
それも悲しいからではなくて、人の優しさ(生田斗真演じるリンコさんの)がじわ〜っと伝わってくるから、泣けてくるのです。
少女トモ役が大人顔負けの演技をしていました。
生田斗真さんが女装をして演技をすることに好奇心を覚え、なんとなく観...
生田斗真さんが女装をして演技をすることに好奇心を覚え、なんとなく観に行ったのですが観ることができて本当に良かったです。
女性らしさの中に男性の名残を感じさせるところもありますが、それ以上に内面から出る美しさが溢れていました。
子役の方々も素晴らしい。トモ役の柿原りんかちゃんのシーンでは何回も泣かされました。小生意気で大人っぽい、でも可愛らしい面が多々あってすごく良かったです。
欲を言えば続編が観たいです。
役者、脚本共に素晴らしい作品 生田斗真という役者は、ジャニーズ事務...
役者、脚本共に素晴らしい作品
生田斗真という役者は、ジャニーズ事務所に所属しながらも異種
最近の演技力のないイケメン主役の映画と違い、見応えのある作品
トランスジェンダーという難しい題材を、丁寧に描いていて、ともちゃんがママを叩きながら、リンコの良さを訴える姿に泣けた
将来が楽しみな子役
母子家庭の食生活や、リンコと母親の関係など、現代を上手く表現している
飯島奈美さんの普段食卓にのぼる料理の美味しそうな画面、生田斗真の女性より女性らしい所作、編み物の手の仕草の美しさ、女監督ならではの映画
エンタメと現実の上手い塩梅
実際に今の日本だとトランスジェンダーへの理解はこんなもんだろうなーと思いました。
かといってエンタメ作品としても魅せられる素敵な作品でした。
最後の終わり方も個人的にはいい塩梅だったなーと思いました。
最近の映画にはないジャンルの作品
テレビの特集でこの映画の告知をしていて、観に行くを即決しました。
期待していた通り、素晴らしいストーリーですぐにこの作品の世界に引き込まれました。なにが凄いのかというと、メイン三人の演技力はもちろんのこと、登場人物一人一人に場面ごとの思いだとか、その背景が繊細に表現されているんです。
トランスジェンダーのことに関しては、最近たまにニュースで話題になったりもしていますが、社会ではそのことに対して受け入れられないという人、まだいるんじゃないかと思います。
でも、この映画を観たら、絶対にその気持ちは変わると思います。
そんな機会を与えてくれた監督や出演者に感謝です。
文句なしの星5です。
トモちゃん良かった
難しい役柄を好演した生田くん、子役ながら存在感のある抑え目の演技力が光るトモちゃん。
全体的にまとまりがあって期待以上の作品でした。みんながハッピーになることは困難ですが軽いジョークでエンディング。
是非映画館で。
他人の個性を受け入れるということ
ようやくLGBTへの理解が進んできたとはいえ、やはり世間ではまだまだ異端扱い。『チョコレートドーナッツ』を思い出した。
リンコの心の清らかさを知ればその偏見はなくなるのだろうけど、そもそも、知る機会さえそうはないし、機会があっても毛嫌いしてしまうのが大方の人間の行動だろう。学校の先生しかり、少年の母親(小池)しかり。目の前にそれで苦しんでいる人間がいるのに、その苦しみの本質を知ろうとせずに世の常識(実は偏見)を押し付けている。残念ながら、こういう人種に何を言ってもただ何倍にもなって反撃されるのが常で、リンコはそれを学習しているから「編み物」という自己防衛策をみつけたのだ。
しかし、なんと温かい涙を誘う映画であろうか。辛いのだけども嬉しい感情にもなり、楽しそうなのだけども切なくて泣けてくる。だいたい、女の子が「ちんこ」を連発して言ってるのに、気持ちが温かくなるなんてね。
それに、映画のなかに織り込んでくるエピソードも深い。一例を挙げれば、トモとおばあちゃん(りりィ)が、それぞれ何気なく口ずさむ歌が同じ歌だった。つまりそこに、おばあちゃんから娘(ミムラ)、またトモへと、母から子への愛情の連鎖を感じるのだ。心の奥に愛情が根付いているからこそ、最後にトモは彼女を選ぶのだ。
トモ役の子役を筆頭に、役者がみな、人物の個性を引き出しているし、映画自体も余計なことをしない。結論を決めないことばかりで終わってしまうが、それがまた彼らの頑張りの続きを応援しているようにも思えるのが不思議だ。
是非ともこういう映画こそ、中学校あたりの学校行事で見せてやってほしい。そのとき、バカにする子供たちがいたっていい。これをきっかけに、人の痛みに気づく子が何人かでもいれば、いじめだって減るのだろう。
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