劇場公開日 2017年2月25日

「朝一にも関わらず意外と多いお客さん」彼らが本気で編むときは、 アッサミーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5朝一にも関わらず意外と多いお客さん

2017年3月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

同僚に勧められて見に来ました。私もあなたにこの映画をお勧めします。
生きていれば必ず何かに躓いたり、落ち込んだり、不安になったり、死にたくなったり、投げやりになったりします。そんな時、勿論動けなくなればそれはお医者ですが、その前段階で私は昔は銭湯に今はサウナに行く事にしています。そこに行くと様々な世の中の会話が聞こえてくるから、ボソボソとした愚痴が聞こえてくるから。この映画もそうしたノイズ、スクリームに近い生きている呻き声かな、それがいく層にも重なり、共振し、反発し、聞こえて来ます。
多様な生と性、家族の多様な形、親子関係の複雑さ、人間観の重層化、そうしたものに触れるだけで、自分の置かれた位置が違う角度から見られます。
映画のストーリーとしては、かなり意図的な構成、構造で、伏線が散りばめられていて、でも啓蒙的ではない。
最近はヴォイスよりもノイズの方により価値がある様な気がしています。沈黙を見たり、沖縄の渡嘉敷島に行ったりした事が多少、影響しているのかもしれません。自分にとってはノイズでも相手にとっては叫び声だったりする事って、こういう映画を見るとあるあると、気づくのです。

アツサミー