愚行録のレビュー・感想・評価
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人の愚かさ
演技派揃い
綺麗にまとめていて心に響かない
貫井徳郎のミステリーの映画化です。妹が育児放棄で逮捕された週刊誌記者が1年前の一家惨殺事件の関係者に取材していくストーリーです。夫の同僚、妻の大学の同級生、妻の元カレ、夫の元カノなどへの取材を通じて殺された夫婦の素顔や、記者兄妹への虐待された過去が描かれて、意外な真相が明かされます。原作と同様に映画でも真相は会話の説明だけで、映像的なインパクトはなく、綺麗にまとまっていて、今一つ心に響きませんでした。妻夫木聡や満島ひかりが良かっただけに、言いたいことが伝わってこない感じで残念でした。
人間特有のドロドロ感が描けている作品
原作者が男性なのに、男性にありがちなことだけでなく女性特有のイヤな空気感など、とにかくどうしようもない人間社会の空気感を描いた作品。
正直救いようなさすぎてどうしようもないですが、社会ってこういう問題抱えていても言わずに暮らしている人多いのかなぁ、と。
観た後すっきり感かないので、マイナス1点。
慶応出身で上場企業に勤めていれば響くのか
児童虐待経験者なら共感するのか。
多分そういう事ではないんだろうが、原作を読んでみたくなった。気分のいい話ではないけど。
黒のアイリッシュセッターがキムタクっぽいなと思ったり
カフェの女子大生が主婦にみえたり
市川由衣黒目でかすぎるなと思ったり、
何よりカフェの殺害シーンが三文芝居過ぎて、あれは演出なのか失敗なのか
なんでだろ
気力体力がある時にぜひ観てほしい‼︎
上映後、一人目見ていた女性が、
逃げるように劇場を出て行った。
サービスデーの今日、
気軽な気持ちで見にきていたのなら
相当メンタルをやられたのかも。
そんな映画だった。
終始『重たい』映画。
渡辺謙の「怒り」も重たかったが
まだ、救いがあった。
どちらかと言うと
浅野忠信の「淵に立つ」に似た印象か。
相変わらず妻夫木聡はいい演技してる。
小出恵介は好青年役しか知らなかったから
なかなかのギャップ具合がこれまた良かった。
けれどやはり、満島ひかりに尽きる。
カウンセラー室?での「一人語り」は圧巻。
まるで人ごとのように語る。
半分笑みを交えながら語る。
けれど、瞳の奥では「目が泳いでいる」
あの目の泳ぎ方には毛筋が凍った。
惜しかったのは
妻夫木聡が殺人を犯してしまうシーン。
ガラス越しで「無音」になる演出。
これはこれでいいのだが
その分、映像に軽さが出てしまった。
映画のキャッチコピーである
「衝撃」のシーンなのだから
違う演出にしても良かった?
例えば、逆に音だけにしてみるとか。
救いようのないこのストーリーに
無理やり「得るもの」を見つけるなら。
「人は皆、平等に愚かで醜い。」
という事か?
そう思った時に
ドラマ「リーガルハイ」で
古美門研介が言ったセリフを思い出した。
シーズン2の最終回で言い放ったセリフ。
「醜さを愛せ」
真逆のジャンルの作品だけれど
「醜さ」を「愚かさ」に変換すると
妙にしっくりきた。
残業明けのレイトショーは
あまりお勧めできない。
気力体力が確保できる時に
できるなら一人で観てほしい。
でも、決して、
観て損はない。
そんな映画だった。
引き込まれる映画だった。
人は等しく愚かで残酷である。
作品全体を覆う暗ーい闇が秀逸
冒頭のシーンから非常に気分が悪いw
おっさんが妻夫木におばあさんに席を代われと偉そうに注意する。
「いや、おばあさん何もいってないじゃんwそれに席を譲るのって言われて譲るんじゃないよね?おばあさんも恐縮してるしwこんなおっさんは自分の場合は気づかないフリして寝るんだろうなー」と思ったw
その後の妻夫木が病を患っていたかの様な演技、他の乗客の他、見ていた観客も「あれ?」と思ったと思う。
しかしバスを降りてしばらくすれば何もなかったかのように歩いていく。
まあこう言うのが好きなんだけど、マジでこんな性格のやついるよね。救えねーっていうか。
こんな内容ですすんでいくのか、と思ったら最後までそうだったw
しかし、今作は最初から最後まで一貫して薄暗くて、ジトジトした様な色使いや構図やシーンが非常に多かった。
もしかするとそれを重要視しながら作られたかもしれない。
妻夫木をはじめ、満島ひかりもかなりぶっとんだ役を作っていた。所々でクローズアップされる指や手が本当に病的に細く、マジで精神を病んでいる様子を忠実に演じていた。
この2人は『悪人』以来の共演か?あの作品もダークな作風が印象的だった。
小出恵介はあまり好きな俳優では無いが、今回の役柄も非常に嫌いなキャラで一層苦手になったw
しかしそれは役を作り込んでいたからであろう、本当にやなやつだw
他のキャストは疎いのであまりしらないが、見たことある俳優が散見された、しかしながらどの人も淡々とインタビューに答える様子は逆にリアリティーがありそれもまた気持ちの良い物ではなかった。
原作を読んでいないので最終的になぜ取材を始めたのか等が明らかにはならなかったが、ラストの答え合わせでは想定内ではあるもののすくなからず衝撃的ではあったし、人によっては吐き気を催すような内容だろう。
あとこの作品の殺人事件は世田谷一家殺人をモチーフにしている様な気がする。
普通の作品に飽きた人、すっきりしない作品が好きな人は是非w
あとオフィス北野の作品なんですね。
確かに訪れる3度の衝撃。人間の愚かさを詰め込んだミステリー。
【賛否両論チェック】
賛:様々な登場人物の様々な言動によって、人間の醜い部分が多角的にむき出しにされていくようで、思わず考えさせられる。ミステリーとしても秀逸で、次第に明らかになる真実にも驚かされる。
否:ミステリーだが雰囲気や展開はかなり静かなので、油断していると眠くなりそう。後味もかなり悪い。
「仕掛けられた3度の衝撃。あなたの日常が壊される。」
というのがキャッチコピーですが、それに違わないミステリー特有の驚愕の真相が明らかになり、静かな中にもハラハラさせられます。
1年前に起きた一家惨殺事件を追う記者。彼が接触する関係者達は、皆他人のあざとい一面を暴露し、結果として他人を貶めていきます。そんな証言の連鎖の果てに、人間の愚かさやおぞましさといった醜悪な部分が露になっていくようです。
またストーリーの本筋以外にも、バスの中でお年寄りに席を譲らないことを注意された主人公が、わざと足が不自由なフリをしたり、飲み屋で渡された相手の名刺の上に、無意識のうちにジョッキを置いたりと、日常にありふれた人間の浅はかさが随所に切り取られ、考えさせられる部分があります。
雰囲気はかなり淡々と進むので、やや退屈してしまうかも知れませんが、人間の本性をまざまざと見せつけられる、そんな作品です。
石川慶
モヤモヤのまま終わるがそれが最高
原作未読のまま鑑賞。
語りばかりが続くので途中眠くなりそうだったが、話の内容をきちんと聴くとモヤモヤしたり色んな感情が芽生えたりするため、眠ることなく楽しめた。
3度の衝撃というと、大きな物音が鳴るなどを予想していたがそうではなくて、ジワジワとくる感じで鑑賞後の補完が必要だった。
このまま終わるなよ、終わるなよ、というところでエンドロールに突入し、いや〜な気持ちの残ったまま終了。これが狙いだと思うのでいいと思います。
原作だとどういう風に展開するのか気になり帰りに原作本を買って帰った。
とにかく、あの演技派の役者陣が揃っていなければ絶対にこんなに面白くはできなかっただろうなという感想。
虚栄
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