劇場公開日 2017年2月18日

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「【”日本の社会は格差社会ではない、階層別社会である。”何気なく日々を過ごす愚かしき若き男女たちの表層的な姿と真なる実態を抉り出した作品。。間違いなく、満島ひかりさんの代表作であろう。】」愚行録 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”日本の社会は格差社会ではない、階層別社会である。”何気なく日々を過ごす愚かしき若き男女たちの表層的な姿と真なる実態を抉り出した作品。。間違いなく、満島ひかりさんの代表作であろう。】

2023年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 私達は、日々平穏なる生活を送っている。が、もしかしたらその中には羨望や嫉妬、駆け引きなどが介在しているのかも知れない。-

■エリートサラリーマンの夫、美人で完璧な妻(松本若菜)、そしてかわいい一人娘の田向一家。
 そんな絵に描いたように幸せな家族が、ある日何者かに惨殺された。
 事件発生から1年後、週刊誌の記者である田中(妻夫木聡)は、改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始する。

◆感想

・今作は最近流行りの言葉で言えば、マウントを取り合う若き男女の愚かしき行為を描きつつ、哀しき過去を持つ女性(満島ひかり)の遣るべなき怒りを描いた作品である。

・彼女のジャーナリストでもある兄(妻夫木聡)が、足を引きずりながら歩く姿も、彼らの愚かしき父親の仕業であろう。

・出演する大学生たちの、”軽い人生観”はこの作品に趣を与えている。
 一方、その軽き人生観の元、生きる男女を嫉妬と妬みを持った女性を満島ひかりが絶妙に演じている。
ー 獄に囚われた彼女が、自ら犯した忌まわしき事件を淡々と語る姿。-

<今作は、イヤミスどころではない、鑑賞後の嫌悪感と、哀しみが身に沁みる作品である。間違いなく、満島ひかりさんの代表作であろう。>

NOBU