「その信念は鋼鉄か」皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ とんぺーさんの映画レビュー(感想・評価)
その信念は鋼鉄か
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主人公は100ユーロにしかならない腕時計ひとつしか盗めないようなコソ泥で、日銭を稼いだら、あとは部屋に篭ってポルノ鑑賞。贅沢できる金も無く、安いヨーグルトばかり食べている。
妻子もなければ友達もいない。
対して、この作品のヴィランは、子供のときスター発掘番組?に出演した栄光を引きずり続け、ビッグになりたいと願い悪事を働き続けるチンピラのボス。リスクを無視して大金を掴むチャンスを手にするが、キレると何をするか分からない性質に、周囲の仲間は辟易としつつもしたがっている。
何方もクズのチンピラだが、主人公は愛する女を失ったショックで自らの道を見失いかけたとき、燃え上がる車に閉じ込められた少女を救うために咄嗟に体が動いた。
ヴィランの男は、主人公に邪魔をされたことに腹を立て、首の皮一枚繋がっていたにも関わらず、30年来の相棒を殺し、取引相手を何人も殺し、挙句主人公の愛する女を監禁する。
何かを得るために行動し続ける悪と、全てを失っても誰かのために行動できる善が、しっかりと丁寧に描かれていた。
そのため、全体的にテンポが良くなかったが、アガるカットが多く、できの悪い作品とは言えない。
日常、ロマンス、アクション、心情描写、どれも満点に近い、良作だった。
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