「【財テク番組の軽薄なパーソナリティの言葉を信じ”たった6万ドル”を失った男の行動を虚構の金融社会を揶揄するように描き出す】」マネーモンスター NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【財テク番組の軽薄なパーソナリティの言葉を信じ”たった6万ドル”を失った男の行動を虚構の金融社会を揶揄するように描き出す】
財テク番組「マネーモンスター」のパーソナリティ、リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)は今日も軽やかなステップで登場し、巧みな話術で”お勧め商品”を観客にアピールする。
が、この日は、アイビス・クリア・キャピタル社の株が急落し、全体損失は”8億ドル以上”という事態が発生。
アイビス社株はリーがお勧めしていた株である。
アイビス社のCIO、ウォルト・キャンビー(ドミニク・ウェスト)はコンピュータのアルゴリズムによる株価取引が暴走した結果と説明する。
(高速アルゴリズム取引の舞台裏を描いたジェシー・アイゼンバーグ主演の「ハミングバードプロジェクト」が今秋公開されたのも記憶に新しい)
ヤキモキする番組プロデューサー兼ディレクターのパティ・フェン(ジュリア・ロバーツ)。
上記の状況により全財産”6万ドル”を失ったカイル・パドウィル(ジャック・オコンネル)が、番組に乗り込みリーの体に起爆装置を巻きつけ”8億ドル”を生放送で要求する。
<鑑賞ポイント>
・アイビス株が急落した真相・・・
・カイルの辿る道・・・
ウォルトの部下、カトリーヌ・バルフ(ダイアン・レスター)が真相を知らないまま、ウォルトの代わりに番組に出て、アイビス・クリア・キャピタル社の経営が厳しい状況だと説明する場面や、一体パティは何のためにアタフタ走り回っていたのか(狂言回し的なリーは言わずもがなである)が釈然としなかった作品。
劇中の緊迫感には引き込まれたが、カイルが漏らした一言はもっと”ラスト”に近い場面で言えばなあ、と思った作品。
<慣れないマネーゲームに手を出した”貧乏人”が外れくじを引くという展開が、世に警鐘を鳴らそうとしたのかも知れないが、鑑賞後、モヤモヤ感が残った作品。>
<2016年6月11日 劇場にて鑑賞>