あなた、その川を渡らないでのレビュー・感想・評価
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悲しいけど晴れ晴れ
老人ものに目がないので観ました。
韓国人の感情表現って、日本人にとってはかなり激しいと感じるので、そのあたり共感できるかしらという不安もありつつ、だったのですが
夫婦の愛情は万国共通。すっかり感動させられました。
映画の序盤は正直、演出?演技?と思ってしまうくらいラブラブで子供みたいで生活感も感じなかった。笑
セリフもいちいちドラマチックで。笑
でもふとした拍子に映る、二人のゴツゴツで黒い手だったり、顔の皺だったり、端がめくれるビニールの床だったり。何をしていても二人の仲睦まじい距離感や会話に揺るぎはなく、あぁ、この二人は苦労して生活してきて今があるんだなと、しみじみ思わされました。
日本ではよく美しいとされる、慎ましい、というか態度で察しろ、的な愛情表現にも美学はあるし、その美しさもわかるし、それに馴れている日本人の私だけど。
のびのびと、誰にも憚ることなく愛情を伝え合い、死が二人を分かつまでお互いを支え合う姿は本当に、本当に美しかった。
素直に泣き笑い喜び悲しみ、伴侶にそれを恥じる必要なんてどこにもないんだ、と晴れ晴れとした。
けして美しいものばかり描いているわけではなく、生と死の対比、家族のありかたを問いかけている
現代のすばらしいおとぎ話でした。
穏やかにドラマチック
本当にドキュメンタリーなの!?と思ってしまうくらい素敵な老夫婦の姿。思っていた以上に良い映画でした。
まるでバカップルのような仕草もこのふたりがするとなんだか重みが違います。何十年と連れ添って辿り着いた「お揃いの服を着て手を繋いで出かける。そしてたくさん話してたくさん笑う。」という幸せの形がとても素敵です。
監督さんによると撮影にあたりカメラを意識してしまわないように時間をかけてコミュニケーションを取りながらじっくり臨んだとのことですけど、もしかしたらカメラがあったからこそ普段なら照れくさくて言えない事できない事も思い切ってできたのかもしれませんね。
紡がれてきた夫婦愛に笑いそして号泣、号泣に疲れた。(しかし、病院の対応に疑問?)
幕が上がって最初の場面。「やばい。」ハンカチ持参だ!!と思った。最初の場面とラストが重なって
いて一つの小説ようになっている。「おばあさんの表情が実に素晴らしい。」の一言ではないだろうか。
二人の枯葉の掛け合い、雪だるまそしてペアルック。いつも手と手をつなぎ、夜明けトイレの前で待つ
おじいさん。映画が終わりに進んでいくうちにどんどん脳裏に蘇る。
しかし、最初と最後が繋がる。おじいさんが逝き、愛犬が訳の分からな犬によって妊娠。かわゆい
カワユイ6匹?の犬を産む。まるで輪廻転生のようで感動。
山並みと夫婦の映像が良かったです。
しか~し???
話が進んでいくうち、おじいさんの喘鳴(気管から鳴るゼーゼー音)が酷くなっていく。おじいさんの
死因は(推測だが)老衰だったのだろうかが
描かれていない。喘息を持病に持つ人間であれば誰しも必ずあの苦しい経験をする。地獄のような
苦しみである。(ちなみに、私は線香花火でも少し喘鳴になります。)
必要なしとして監督が編集した時点でカットしたのか。その点で、大きく評価が分かれると思われる。
韓国における病院の対応、「薬」さえ処方しないのは、疑問であるが点滴で症状を抑えるという症状がある。
これは死に際の場面で確認できた。あの時には、おじいさんの体力は、かなり落ちているはず。あれでは
遅すぎる。なぜもっと早急の対応をしなかったのか。
老いているという理由で「薬」も効かないという判断は正しいのだろうか。病院側の対応は疑問に感じた。
映画のようなドキュメンタリー
韓国ドラマはともかく、韓国映画が大好きです!!
恥ずかしげもなくド直球に訴えてくる熱さに、どうにも魂が打ち震えて涙することもしばしば。
かなり好物です。
韓国のドキュメンタリーは観たことがなかったのですが、シネスイッチで予告編を観て、俄然興味が湧きました。
とは言え、韓国は喜怒哀楽が激しいお国柄だから、ドキュメンタリーと言えどもドラマチックなんだろうな…と、覚悟していましたが、
まさかここまでとは。(^^;;
恥ずかしがらないで、素直にお互いを褒めあい、
恥ずかしがらないで、手をつなぐ。
恥ずかしがらないで、お揃いの服を着て
恥ずかしがらないで、じゃれ合う。
なかなか日本人には難しいですが、それが幸せの秘訣なんですね。
トップシーンから絵画のように美しく、ユーモアもあって引き込まれます。
でも…編集でそう見えるだけかもしれませんが、アングルを変えての撮り直しや、フレームに入りきる感じが気になってしまって…
これで被写体はカメラを意識せずに日常でいられるものなのか?それとも演出?と疑問がよぎってしまいましたが、
他人の目を気にしない二人なのだから、いらぬ心配でしたね。
そもそもドキュメンタリーと言えども、カメラを向けた時点で本当の“日常”ではないだろうし、フィルムを編集した時点で監督の意図が反映される訳で…そう言った意味では、夫婦の理想を描いた“映画”だと言えると思います。
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