「工場管理や保全業務に関わる人間なら観とくべき」バーニング・オーシャン g2さんの映画レビュー(感想・評価)
工場管理や保全業務に関わる人間なら観とくべき
災害ものだけど決してスペクタクル的な要素を狙っているのでは無い感じです。
実話に基づいているから勝手に派手な展開を付け加える訳にはいかないというよりは、あくまで男達(だけじゃ無いのは重々承知ですが、なんかこう書いた方が伝わりやすい気がするのは何故?)の働く現場と、そこで起きたトラブルを描くというのスタンスで作られていると思うので。そのトラブルがとんでもない大惨事ではあるのですが。
だから、災害シーンが物語的にいまいち盛り上がりに欠けるとかいった批判は、ちょっと違う気がします。
特に工場管理や保全業務に関わる人間なら、その感じ分かる!と思える描写が沢山あるのではないでしょうか。
自分は直接そういう部署に居た訳では無いのですが、軽口を言い合いながら緊張をやり過ごす作業員たちとか、色々な不具合を抱え、様々な部署が入れてくる横槍を調整しながらも仕事を進めていく様子とか、いちいち共感して観てました。
直接的に災害を引き起こす指示を出してしまうあの人も、単に無知な素人が金の事だけ考えて強引に事を進めたというのではなく、エンジニアとして周りの人間を説得しているというのをちゃんと描いているのも誠実だと思います。結果的に誤った判断ではあるのですが。
冒頭の娘とのやり取りとか、映画的な描写も丁寧ですし、派手な展開に期待し過ぎ無ければいい映画なんじゃないでしょうか。その意味で宣伝はミスリードでしょう。
ともかく、自分はこの映画を観ながら何度となく泣いてしまいました。
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