「若いビートルズに会えてよかった!」ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years あだじぇっとさんの映画レビュー(感想・評価)
若いビートルズに会えてよかった!
話は 1963年11月の映像から始まる。
生まれてないよ ....歴史映画領域。
彼らがはじめて全英1位を獲得し、スターダムにのし上がった年。
その前年のデビュゥ、影の立役者エプスタインは 労働者階級の子弟であった彼らに 適度に品の良さ・カッコよさを加えて、伸び伸びと振る舞う若者のアイドル性を際立たせた。
よくわかった。
世界ではじめての アイドル・グループだったわけですね。
アイドルに必要な 親しみやすさ、品の良さ、頭の良さ、可愛げ、そういう資質を完全に備えていたことが、彼らの音楽を世界中に届けるエンジンになった。
いろんな方が、当時の熱狂についてコメントしているが、日本からは写真家の浅井慎平氏。
その若さ、成長を共有する、というファン体験は 確かにアイドルに対してのもの。
やんちゃで、伸び伸びしているが、しかし同時に、マトモな感覚の持ち主でもある。
いわゆる common decency というのでしょうか。
全米ツアーにおいて、人種隔離を行う会場で演奏はしないと即答する様子は印象的。
大スキャンダルになって、アメリカ人に焚書のごとく彼らのレコードを焼かれた直後のインタビュゥも、とても合理的に丁寧に説明をした上で謝罪の言葉を加えている。
その知性が、クレイジーなファンと距離を置いて、レコーディング・アーティストの道を選ばせたということがよく伝わってくる。
Luckily they survived and kept creating their music ...
マイケルの This Is It のときもそうだったけれど、深く静かに感動する作品でした。
https://www.youtube.com/watch?v=5MN8q7AByb0