「宗教観や死生観を考えさせられる内容」ウィッチ FSSさんの映画レビュー(感想・評価)
宗教観や死生観を考えさせられる内容
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当時の魔女裁判の記録や民間伝承などから着想を得ているそうですが、かくも盲目的な信仰は人を思考停止させ、愚かにするという事実は、現代にも通底するから怖い。医学も科学も未発達で、この世界の理がほとんど何も分かっておらず、病や飢餓で死が日常的に身近にあった時代を生きる人々にとって、神に縋るしか心を保つ術が無かったのだろう。ただよく考えたらそれは日本人にも言えるのに、キリスト教のような一神教が根付かず、魔女狩りのような陰惨な事件も起こらず、仏教や神道すら冠婚葬祭の時くらいしか意識しない日本人のニュートラルな宗教観や死生観は特殊だなあと改めて思い至りました(笑)。まあ言える事は、やはり何も考えずに、とにかく神に祈ったり許しを請うていればそのうち救ってくれるだろうという他力本願な生き方では何も上手く行かないというのは確かだろう。
それにしてもキリスト教圏の人達は今作を観て、魔女の描写など明らかに悪魔的な存在は匂わせているのに、敬虔な信者の家族を見捨てる神様ってどうよ?的な内省的批判は無いのかなと(笑)。この期に及んで信仰心が足りないとか考えるんでしょうかね?
何とも陰鬱な内容ですが、出演者さんたちの鬼気迫る演技に敬意を表して★3つで
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