「歴代10位の映画と言われるのも納得」ブラックパンサー ろーずぴんくさんの映画レビュー(感想・評価)
歴代10位の映画と言われるのも納得
ブラックパンサー公開後、全世界で約1358億円を売り上げ、この第10位の座を同じディズニーの「アナ雪」から奪い取った。本作がヒットした最大の原因は、キャストを全て黒人で埋め尽くしたこと、またオコエ・ナキア・妹といった女性の活躍が土台にあり、現代の政治に大きなメッセージを残したからだと思われる。
人種差別は悪いこと、といった道徳心や倫理観は誰しもが持ち合わせているはず。しかし、人種差別は今でも無くなっていない。特にアメリカでは人種差別が思っていたよりも深刻である。「白人の警察官が黒人を銃殺」のニュースはおそらく世界中に流れたはず。また、収入格差や学歴格差も肌の色の違いで生じている。
ちなみに日本では、日本に住んでいる人の多くが日本人から生まれた日本人であり、日本語しか喋れない。さらに「学生は黒髪」「就活も黒髪」といった意味の分からないルールが定着してしまっている。つまり、人種の多様性が全くないのだ。だから人種差別が起こらないのである。別の意味では人種差別があるけど。
少し話が逸れたが、私がこの作品を見て素晴らしいと思えたのが起承転結がしっかりとしていたこと。最初から最後まで無駄が無く、世界観がハッキリと映えていた。さらにインフィニティ・ウォーを繋ぐ為の作品でありながら、アベンジャーズのメンバーが誰一人出てこなかった。
妹が使っていた2020年にも使うことができない超近未来的な科学技術と、多種多様なアフリカ民族・先祖から古く伝わる儀式によって王が国を治めるという国のあり方。過去の歴史と未来を対立させることなく、必要なものだけを使っていくという国のルーツは現代にも、おそらく未来にも存在することはできないと思う。
他のMCU作品に自然と馴染めるようなヴィブラニウムの存在も違和感なくハッキリと描かれていた。この映画に関しては他のアベンジャーズネタを知らなくても十分に楽しめるので是非見てほしい。