「もはやMCUにつまらぬヒーローはナシ!」ブラックパンサー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
もはやMCUにつまらぬヒーローはナシ!
MCU最新作だが、今回の期待値はいつものニューヒーロー単独作の比じゃない。
『シビル・ウォー』での自己紹介がてらの登場だけで単独作がスゲー見たい!と思ったし、現在考えられる黒人の新進気鋭のスタッフ・キャストにワクワク!
いやはや、待ってました!
MCU初の黒人ヒーロー。
架空の国ワカンダの若き国王にして、黒豹のようなスーツに身を包んだ“ブラックパンサー”。
『シビル・ウォー』でも披露した通り、まさしく豹の如くしなやかでアクロバティックなアクションはMCUヒーローの中でも随一!
予告編でもお馴染みの車から車への着地アクションは華麗ですらあった。
また、キャップの盾と同じヴィブラニウム製であるスーツの機能がスゲー!
ただ頑丈なだけじゃなく、相手の攻撃を吸収して跳ね返すなんて、これ、『ゴジラvsメカゴジラ』のメカゴジラのプラズマ・グレネイドじゃねーかよ!(…なんて一人で盛り上がってました)
『シビル・ウォー』でのテロで父王を亡くした直後。
国王とブラックパンサーの使命を引き継ぐ事となったティ・チャラ。
自分は国王としてブラックパンサーとして、国を守れるのか…?
まだまだ未熟者、若輩者の自分。
ある儀式で亡き父王と再会し、自分の葛藤や苦悩を吐露するシーンは胸打つものがあった。
ロンドンの博物館からワカンダの展示物=ヴィブラニウムが盗まれる事件が発生。
犯人は、『~エイジ・オブ・ウルトロン』にも登場した武器商人と、元アメリカ秘密工作員で“キルモンガー”の異名を持つ謎の男。
キルモンガーはティ・チャラに憎しみを燃やし、王位を狙う。
この男の正体は…。
父王が隠してきた“罪”も明かされる。
葛藤と敵の襲来。
国に、自分に、最大の危機が訪れる…。
ブラックパンサーにチャドウィック・ボーズマン、キルモンガーにマイケル・B・ジョーダン。
着実にキャリアを積み重ねてきた二人に、絶好のタイミングでアメコミ大作!
二人共演技派なだけあって、ボーズマンはその葛藤ぶりを、ジョーダンも単なるヴィランではない深みを表していた。
フォレスト・ウィテカー、アンジェラ・バセットらベテランに加え、『ゲット・アウト』で今年オスカーにノミネートされてるダニエル・カルーヤも。
ルピタ・ニョンゴを始め女性陣の存在が際立った。女戦士たちはメチャカッコ良かったし、『007』のQのようなティ・チャラの妹がチャーミング。
黒人勢に負けじと、マーティン・フリーマンは好助演、パフォーマンス・キャプチャーじゃないアンディ・サーキスがインパクト大の怪演。
表向きは雄大な自然に包まれ、しかしシールドの中は世界のどの国よりも超文明国であるワカンダの世界観がユニーク。
スケール豊かなVFX、アクション、ドラマもじっくりと、初の大作を手掛けたライアン・クーグラーの手腕も上々。
いつものMCU作品と比べると真面目なタッチ。昨年の3本がコメディ寄りだったと言うか、今回の主人公の性格や王位継承の話が絡むので、妥当。
残念ながらテンポはちょっと鈍く感じ、せっかく中盤韓国が舞台になりながらもゲスト出演者が一人も居なかったのが勿体無い。
でも総じて、安心安定の面白さ、またまた魅力的なヒーロー。
もはやMCUにはつまらない作品はない!…のでは?