「Valhalla,I am coming! MCU史上、最もカオスな作品。あーもうめちゃくちゃだよ!」マイティ・ソー バトルロイヤル たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
Valhalla,I am coming! MCU史上、最もカオスな作品。あーもうめちゃくちゃだよ!
「MCU」シリーズの第17作にして、『マイティ・ソー』シリーズの第3作。
全世界の支配を企む「死の女神」ヘラに、ソー達が立ち向かう。
監督は『グリーン・ランタン』(出演)『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(監督/製作/脚本/出演)の、コメディアンや俳優としても活躍する後のオスカー脚色賞受賞者、タイカ・ワイティティ。
なお、新キャラクターである惑星サカールの奴隷・コーグはタイカ・ワイティティ監督が自ら演じている。
○キャスト
ソー…クリス・ヘムズワース。
ロキ…トム・ヒドルストン。
ヘイムダル…イドリス・エルバ。
ブルース・バナー/ハルク…マーク・ラファロ。
オーディン…アンソニー・ホプキンス。
スティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ…ベネディクト・カンバーバッチ。
ホーガン…浅野忠信。
○新キャスト
死の女神ヘラを演じたのは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『ベンジャミン・バトン』の、オスカー女優ケイト・ブランシェット,AC。
サカールの賞金稼ぎ、ヴァルキリーを演じるのは『グローリー/明日への行進』『クリード チャンプを継ぐ男』のテッサ・トンプソン。
サカールの支配者、グランドマスターを演じるのは『ジュラシック・パーク』シリーズや『グランド・ブダペスト・ホテル』のジェフ・ゴールドブラム。
また、『オーシャンズ』シリーズや『インターステラー』で知られる名優マット・デイモンが、舞台でロキを演じる俳優役としてカメオ出演している。
製作はケヴィン・ファイギ。
製作総指揮はスタン・リー。なお本作におけるスタンのカメオ出演は、ソーのヘア・カットをするサカールの理髪師としてである。
過去2作はいまいちパッとしなかった『マイティ・ソー』シリーズだが、シリーズ3作目にして遂に他の追随を許さない名作(珍作?)が登場!
映画の冒頭からプンプンと漂うギャグ映画の香り。
ソーもロキもバナーも、みんなおバカになってない!?
監督のタイカ・ワイティティは自身もコメディアンであり、インタビュー映像を見る限りとにかくふざけたくてしょうがない人っぽい。どこからどう見ても変人。
『GotG』辺りから、コメディ要素をふんだんに織り交ぜるようになったMCUシリーズですが、本作で遂に行き着くところまで行った、という感じ。
これ以上ギャグにするとシリーズが崩壊してしまうという瀬戸際までいっちゃってる感じ。
お話ははっきり言って詰め込みすぎてめちゃくちゃ。
死の女神ヘラという、ソー以上のパワーを持つ強敵が登場するが、彼女と戦うのは終盤のみ。基本的にはゴミが流れ着く星サカールでの冒険が描かれる。
このサカールでの冒険とアスガルドの危機がうまく噛み合っていないので、2本の映画を1本に纏めたような歪さを感じてしまう。
ケイト・ブランシェット演じるヘラは物凄く魅力的。MCUシリーズのヴィランは何かパッとしない奴が多いんだけど、彼女はシリーズ中最高のヴィランと言っても過言でないと思う。
こんな奴にどうやって勝つんだ!?と思わせてくれる強さがあるし、何より仕草が優雅で美しい😍
アスガルドの兵士をぶっ殺しまくるところは完全に「三國無双」でした。「MCU無双」お待ちしております。
ケイト・ブランシェットの魅力が爆発!強さ、カリスマ、美しさを兼ね備えたスーパー・ヴィラン!
…それだけに、決着の付け方が中途半端に感じてしまう。
「え、これで終わり?ソーが倒さないの?」と思ってしまった。
オーディンが死ぬという衝撃的な展開もわりとあっさり。
もっとソーがロキにブチ切れても良さそうなものだが、本作は基本的にコメディ映画なのでみんな結構ロキに甘い。
細かいことだがクライマックスが気になる…。
アスガルド人ってあれだけしかいないの?一艘の宇宙船に全員収容できるんだ。
最初から少なかったの?それともヘラに虐殺されたの?
気になる…んだけど監督はそんな細かいことには興味なさそう。
全体的に大味なのは紛れもない事実だと思う。
じゃあ、ダメな映画なのかというとそんなことはない!
正直かなり面白かった🤣
アスガルドはなくなるし、ハンマーは壊れるし、右目は取れるし、オーディンは死ぬし、友人のウォリアーズ・スリーは全滅するし、とにかく悲惨な物語なんだけど、そんなことが一切気にならないほど明るい映画☀️
この明るさは凄く美点。ソーの見た目は非常にバカっぽいので、このくらい明るい作風の方がソーというキャラクターにマッチするんじゃない?
これまでなかなか日の目を浴びなかったハルクが物語の中心だったのも嬉しい。
マーク・ラファロの惚けた感じが凄く良かった。
ソーvsハルクという構図にはやはり興奮っ!
そして、ハルクにめちゃくちゃ怯えるロキが最高だった🤣『アベンジャーズ』を観ていれば、大爆笑できること間違いなし!
本作のロキはとにかく可愛い💕かなりの悪党なのだが、全て許してしまいたくなる笑
ヴァルキリーを演じたテッサ・トンプソンも魅力的。
個人的な本作のハイライトはヴァルキリーが登場したシーン。
自分の腕と連動した宇宙船の機銃でザコを一掃するシーンが最高だった😆
何より、テーマソングがツェッペリンの「移民の歌」だったのが最高ーー!!✨
歌詞の内容から映画を作ったんじゃないかというぐらい、本作とぴったりマッチしていました。
「アアアー、アー!」という雄叫びをバックに始まるソーのバトルシーンにはテンション跳ね上がる!
しかも2回もあるからね!最高だね!!
粗も多いが、それらを吹き飛ばすパワーを持った一作。
原題は『ソー:ラグナロク』であり、また日本の配給会社が馬鹿な邦題をつけたな、と思っていたが、本作はむしろ『バトルロイヤル』で正解な気がする。
内容も雰囲気も『バトルロイヤル』なハイテンションな1本!
アアアー、アー!!!♪♫🎶