「やってくれたぜタイカ・ワイティティ!!!」マイティ・ソー バトルロイヤル クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
やってくれたぜタイカ・ワイティティ!!!
待ちに待ったソーの3作目。
期待通りの最高の映画でしたね。
鑑賞後は間違いなく「移民の歌」が頭から離れなくなるでしょう。
今回もマーベルは最高の男を監督に据えた。
彼の名はタイカ・ワイティティ。
もう名前からしてユニークな彼は、コメディが得意な監督だが、お馬鹿だけでは決して終わらせない見事な手腕を見せつけてくれた。
(以下ネタバレ注意)
本作品のテーマは「ラグナロク」だ。
それもそのはず、劇中に起こることはアスガルドが崩壊したり、ムジョルニアがヘラに破壊されたり、オーディンが死んだりとかなり悲惨なことになる。
きっと他の監督さんが撮っていたら、間違いなくシリアスまっしぐらな映画になってたろう。(それも悪くはないけど)
でも彼は「い〜や、俺ならこう撮っちゃうねw」と言わんばかりにコメディ要素をふんだんに盛り込んでいる。
ソーとロキの「助けて!」作戦や、ソーとハルクの子供同士の口喧嘩みたいなやりとり、バナー博士が着地失敗して死にかけたり、ハルクを見た時のロキのリアクション、ソーが髪切られる時の「やめてくれぇぇ!」等々、最高に笑える馬鹿げたシーンが満載なのだが、それだけでは終わらせず、冒頭のソーのアクション、ソーとハルクの決闘、ヘラの超絶無双アクション、最後のバトルシーン等、燃えるようなシーンもたくさんあって飽きさせない。
特に最初と最後に流れる「移民の歌」をバックにした戦闘シーンは最高に熱いです。
熱すぎて汗だくです。
それに「移民の歌」はこの映画のキーとなる重要な曲でもある。
あまりに有名なこの曲のバッチリ押さえた使い所に賛辞を贈りたい。
また、1作目の「アスガルド」のテーマや2作目の「Into Eternity」と言う曲を流してくれたのも個人的にはポイントが高いですね。
キャラクターも相変わらず魅力的です。
ソーの魅力は何といってもウジウジ悩まない所。
愛するムジョルニアを失っても、父親が死んでしまっても、壁に当たったら、ぶち壊してアスガルド崩壊を阻止せんと目的に向かって突き進むソーの何と爽快か。
ムジョルニアだけが自分の力の証ではない。
本当の力は己の内にあり。
「アスガルドは国ではなく、民だ。」素晴らしい名台詞頂きました。
ザ・アメコミヒーローです、彼は。
ロキは今回もロキってます。
やはり、ソーとロキのセットは素晴らしい物がある。
「アベンジャーズ」でハルクにギッタンギッタンにされるが、同じようにギッタンギッタンされるソーを見てガッツポーズする彼に萌えたファンも多いのでは?
それにソーとのやりとりを見る限り、今回は少し絆が深まったようにも思える。
ハルクがすげぇ喋ります。
しかも子供みたいな口調でw。
嬉しかったのはかつての「インクレディブル・ハルク」と同じように、バナーが悠然と自ら人助けをするシーンがあったこと。
やっぱり彼もヒーローなんだなと。(意外といいケツしてんだな。プリプリやんw。)
ヘラがとんでもなく強い。
そしてエロ美しい。
全員が束になっても敵わないその強大さとケイト・ブランシェットが演じてるだけあって、えげつない存在感です。
コーエーの○○無双みたいなアクションは必見。
新キャラのヴァルキリー、コーグ、スカージ、グランドマスターも密度の濃い連中ばかりでとてもいい。
ドクター・ストレンジも序盤のみだが、ガッツリ出るので、彼の単独作を観てるならより楽しめるだろう。
ジェーンの件や、ウォリアーズ・スリーの扱い、シフ(どこいった?)等、気になる部分もあるが、毎回毎回マーベルキャラクターには魅了されます。
キャラクターを十分に分析し、魅力的に描き、ヒーロー映画らしく決める所はバッチリ決め、その上で自分のスタンスであり持ち味である「笑い」の要素をふんだんに盛り込み、バランスよく煮詰めるとはタイカ・ワイティティ恐るべし。
そのような男を監督に抜擢したマーベルもすげぇ。
次回作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の期待を頂点にまで高めてくれるMCUトップクラスの快作です。
自分は1作目の「マイティ・ソー」がほんとに大好きで、続く2作目「ダーク・ワールド」も好きなのだが、アイアンマンやキャプテン・アメリカと違い、世間の評価は微妙で、歯痒い思いをしてたんだけど、ここにきてやっとソーが皆に評価されてきて、俺ゃ嬉しい限りっすわw。
ありがとうタイカ・ワイティティ!!!