「なんという作品クオリティ」リメンバー・ミー Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
なんという作品クオリティ
映画として完璧に近い作品ではないでしょうか。
アニメ映画では『この世界の片隅に』
CGアニメでは『トイストーリー3』以来の衝撃。
映像はピクサーなのでもちろん美しいですが、今作はその中でも群を抜く美しさ。
確かにビビットで原色多めの色彩の為美しく見えるのもありますが、そのCGの表現と色彩センスは流石ピクサー。
大袈裟な配色に見えますが作品の世界観にピッタリ。
そしてストーリー構成、演出。
5歳と3歳の子供と観ましたが、2人とも飽きず画面に釘付け。
ピクサーらしいコミカルな面、シリアスな面、ラストまでの持って行き方。
子供からライト層、ピクサーファン、ヤングファミリー、様々な人が観る広いターゲットですが、ガッツリ捕らえてる。
作中のお国柄、日本人には無い文化の表現がありますが、根元の強いメッセージはどの国も関係ありません。
悪い言い方をすれば『あざとい』作りではありますが、ピクサー作品は不思議とそのあざとさは鼻につきません。
次にキャラクターデザイン、設定、吹替えまで含め素晴らしい。
キャラクターデザインに関しては、相変わらず良いのですが今作はデフォルメが上手過ぎる。
とくに今作は死者の世界が大半を占めます。
骸骨のキャラクターに個性を持たせ生前の顔に似せる辺りの表現は本当に素晴らしい。
映像、ストーリー、エンタメ的要素を含め、全てにおいてクオリティが高い。
映画というエンターテインメントは時に芸術作品になり得ます。
この作品はそれに近いと感じました。
アニメは日本!と言われがちですが、日本もうかうかしてられませんよ。
基本海外のアニメは『子供が観るもの』で作られています。
日本ではどちらかと言えば高校生や大人がターゲットになっている作品が多い気がします。悪いことでは無いですが、子供ターゲットのアニメで言うと今は解体されたジブリ、クレしんシリーズ、ドラえもんシリーズ、コナンシリーズ辺りでしょうか。
もちろん素晴らしい作品群です。
ですが、ジブリが解体後、同じ土俵に立つと少し弱い気がします。ターゲットが国内と、ターゲットが世界なので当たり前の話ですが。
日本のアニメ技術は凄い。
ですが、海外も凄い。
予算的、人件的、技術的、社会的、いろいろ問題はあります。
ただベクトルは違いますが、互いに切磋琢磨し更に素晴らしいアニメ映画がどんどん作られていく事を願います。