「鑑賞記録」リメンバー・ミー ハッピー・ホーガンさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞記録
「家族」と「夢」の二者択一って映画だけでなく実人生でも問題になることだと思うのですが、そもそも天秤にかけてどちらかのみ選ばねばならないものなのでしょうか。それぞれが、人が生きる上で必要なものなのであって、捨て去ることなどできないものなのだと思っています。
ミゲルくんの一族は(というか、メキシコの家庭が?)超がつくほどの家族第一主義。代々続く家業を継ぐことが幸せとされていて、別の夢を志そうものなら…しかもそれが一族の禁じている音楽なのだからさあ大変。このくだりは観ていて本当に不快で、ばあさんがミゲルの「夢」を文字通り粉々に打ち砕いておきながら慰めにかかろうとする姿は立ち上がって罵声を浴びせたくなるくらいイヤ〜な場面でした。いくら血の繋がりがあるからとはいえ、他人の未来を自分の想定の範囲内に収めてやろうなどという考え方は本当に傲慢だし、気をつけなければならないなと思いました。かけがえのない存在である家族が足かせになってしまってはならないと思うのです。
とはいえ、家族って大事だよな〜とも思うわけです。仕事柄、色々な家族と触れ合います。ただ家族がいるだけではどうにもならないということを痛感させられることも度々あります。親が子を思うという姿を見るだに泣けてきてしまう昨今の私なのですが←、「自分は愛されている」と子が感じられることが大切なんじゃないかなと思います。ラスト、一族が忌み嫌ってきた音楽が親の愛を想起させるシーンは本当に温かくて(明るさの演出も相まって!)素敵です。ちなみに自分はそのシーンでは泣かなかったんですけど、エピローグでのある「再会」で思わず落涙。よかったねぇヘクター…(;ω;)
音楽は相変わらずサイコーなんですけど、今回吹き替え版でミゲル役を担当した石橋陽彩くんの歌声が素晴らしすぎるのでぜひ多くの人に聞いてほしい!
相変わらずの高クオリティなので万人にお勧めします。ディズニー・ピクサー、なめたらあかんぜよ。