劇場公開日 2018年3月16日

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「目に見えないたいせつなこと。」リメンバー・ミー ちゃーはんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5目に見えないたいせつなこと。

2018年3月22日
iPhoneアプリから投稿

とにかく画がきれいだった。美しい作品だった。死者の世界を描いていたが、もし死んであんな世界に行けるなら、まるで天国のようだなと思った。いわゆる、天国ではないけども。

よく、大切なことは目に見えないとか、目に見えないものこそ大切とか、言うけど、こういうことだと思う。亡くなった人は、もう会えることはなくて、目の前にはいなくて、どんな言葉をかけようと、その人から何かが返ってくるわけでもない。

まだ生前に会ったことのある人、たとえば、祖父母だと感謝の気持ちを持つことができるし、共有した思い出に思いを馳せて懐かしむこともできる。曾祖父母やそれ以上の先祖となると、分からなくなってくる。そんな人たちをも大切に思えるのは、素敵なことだと思った。

何かを大切にするときって「大切に仕方」って色々ある。「その人を思って」ああしなさい、こうしなさいと言うのか、自分の生き方だからといって野放しにするのか、プロセスは異なるけど、どちらも大切に思っているからこそっていう場合がある。

そこで思ったのは、子どもの大切に仕方は、導く人が必要で、その上で、主体的に放置する。これも正しいかは分からないけど、子どもは守ってあげなければならない存在であると同時に、自由でなければならない。その良さを活かしきる大人は一体何人いるのだろう、と。

本当の愛ってなんだろう。慈愛ってなんだろう。

それがきっとラストシーン。結局のところ、この映画の最も美しいシーンは、ミゲルが愛の歌をおばあちゃんに向けて歌うときのシーンだろう。たくさんの美しい画の中でも、最も美しかったのは、おばあちゃんの笑顔と涙のシーンだろう。

ちゃーはん