スター・ウォーズ 最後のジェダイのレビュー・感想・評価
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高評価なのが不思議。
当日に観てきました。
「フォースの覚醒」からの2年間の期待を返して欲しい。
この2年間のネットでの様々な憶測や考察を見て、想像を膨らませていた自分が馬鹿みたい。
特にレイの親の話には「は?」と思った。(次で明かされるかもしれないけど。)
フォースの覚醒でレイがライトセーバーを触れた時の回想?シーンはなんだったのか。最後の方のオビ=ワンの声は一体なんだったのかというレベル。
正直言って、ストーリーはベタでいい。ルークの娘でも、オビ=ワンの孫でも良かった。ファンの想像の通り進んで欲しかった。
スターウォーズはベタ過ぎて先が予想できるから面白いのに。
レンのセリフから新しいスターウォーズを作ろうとしているのはわかります。しかし、ルークやレイアといった旧三部作のヒーローが出演している作品でこのようなストーリーの展開は果たして必要だったのか。前回からの新キャラも小物臭ばかりで、ルークやレイアの存在感には勝てないし、それに近づく気配もない。
新規ファンの開拓が目的なのかもしれませんが、はっきり言ってもう一回観たいとは思いません。呆れました。
ここから再び始まる「僕たち私たち」の物語
レイの出自が明らかになる時「ルーカスの所有物」かつ「スカイウォーカー家の物語」だったスター・ウォーズが「僕たち私たちの物語」になる。つまりルークが二つの夕陽を眺めていた時代への回帰。これは永遠に続くであろう新たな神話の序章になるのか?
ホルド代打提督の単騎ジャンプ特攻ショットの美しさはシリーズの宇宙シーン史上最高。殺陣の荒々しさ(命の取り合い感)もシリーズ史上最高。ただ展開の雑さもシリーズ史上最高かもしれん(123は面白くないだけで雑ではないしな)…代打提督は作戦内容を全員に説明しろ!ってみんな心の中でツッコんだはず
新キャラのローズが好きになれん。フィンと行動を共にするけどぽっと出のブスに感情移入できるほど優しくないぜ俺は。しかも二人の行動は全てが無駄という体たらく(フィンとキャプテン・ファズマの決闘も申し訳程度の描写…)。つまり代打提督が黙りこくらなければ上映時間はあと30分は縮められたはず!
とはいえ最初にも書いたようにスター・ウォーズを「僕たち私たち」の手に取り戻したというだけで感動した。ミディ=クロリアンがなくてもいいんだ!
スターウォーズってこうだったよね。
批判的な人は多いけど、スターウォーズってこうだったよね。冒険活劇で。笑いがあって。今で言うエピソード4で感じた異世界感、ルークと感じた旅立ちへのドキドキを象徴する二重の太陽も夕暮れになりました。若者に引き継がれていく、よかったなという気持ちがわかる年になりました。
面白かったです。単純な冒険活劇が楽しかったです。
子ども心を忘れない大人かどうか
構成と魅せ方がとにかく最高過ぎました。
ただ脚本に関して賛否両論があるのは良く分かる。
新作が出る度に旧作と比べたがる古参ファンへのうだうだ言ってんじゃねえ!!!新しいSWはこうだ!!!振り落とされんなよ!!!そんなに旧作が好きなら旧作だけ観てろ!!!というディズニーの強い怒りが爆発した様な、というかそうとしか言えないそんなラストジェダイ。
古参ファンであればあるほど受け入れられないんだと思います。
子ども心をくすぐるユーモアやキャラクターへの心情が手厚く描かれていたり、まじか…と思う部分やそれ必要ある?という部分もあったけど、全編を通して素晴らしさが勝ったからそれで良いのです。
泣けた
私はやっぱり旧三部作に思い入れが強過ぎて。ルークとレイアの兄妹やR2のあのあれがもう…うぐぐ(号泣)
それだけだと思い出に浸っているみたいだけれど、予告にもある赤と白のコントラストの戦闘シーンとか、どのキャラも見せ場があるし新作としても面白かったです。
次作をJJエイブラムスがどう繋げるのかが楽しみ!
長いけど素晴らしい
父の影響で好きになったスターウォーズ。
心待ちにして見に行ったのですがとても長くて長くて・・・。でもそれがあの監督らしいと父は言っています。前の監督はちゃんと2時間でスパッと決めるのですが。
でも必死に戦って勝ち進もうとするところにはすごく感動しました。
最後はルークが亡くなってしまうのですがとても安らかなものでした。
追記)無駄が目に余る駄作だが…重要な転換。
複数回観て、少し楽しくなってきた(^_^;)。
駄目な所は変わりようがないが、
メッセージは共感する。★+0.5
(初見感想)
ーーーーーー
レジスタンスとファーストオーダーの追いかけっこの茶番劇は
言うに及ばず、無駄が多い。そのくせ、説明不足で?なシーン
も散見。3部作中の2作目なので色々中途半端に見えるのはしょうが
ないとしても。
ルークからレイのちゃんとした伝承も無く、
あの燃やされた文書はジェダイの古書ではなく、
今までのスターウォーズの設定資料なんだと思ってしまった。
次回作公開で、今作の印象がひっくり返る事を祈る。
唯一、ヘタれと思ってたレンがいい味になってて良かった。
素晴らしいじゃないか
評価を見ていると低い評価も目立つけど、素晴らしいじゃないか。
ところどころ辻褄が合わないのなんて、映画なんだしむしろそんなことはどうでも良いだよ。
EP4から観続けている者として今までの作品に十分見劣りしない展開と映像、ルークとレイアの再開、魅力的なキャラクター達、JWの音楽が最高だったよ。
ルークがレンの寝首を取ろうとしたことだって、レンのヘタレっぷりだって良いんだよ。彼らだって弱さや心の中に闇を持った人間なんだよ。
弱さを持った人間だから魅力が増すんじゃないか。
強くなりたいと願うレンの心の葛藤が痛いほどわかって泣けちゃったけどな・・・
レイの出自だって説明され尽くしてないけど、良いじゃないか。次に繋がるじゃないか。
全てが解って、辻褄が合う必要なんてないのさ。
大好きな映画なんだから、愛してるシリーズなんだから・・・
惰性で見続けているけど、苦痛でしかない
EP4から見続けているが、正直苦痛でしかない。
あの穴だらけのシナリオは誰が作ったんだろうか。
ネタバレはしないが、ひどすぎる。
シナリオもひどいがチャイナマネー目当てで中国女性が
活躍するのも興ざめ。
お薦めはしないけど、誉めるとすれば絵は綺麗です。
話が長すぎない?
話が細切れで長すぎません?
それぞれのシーンはそれなりに面白いんだけど、いまいちバラバラ感があるよね。
以下、不満な点を列挙
・ハリーポッターのボルデモートのコピーの様な最高指導者、もっとオリジナリティーを出せなかったのか?、しかも大口たたく割に弱すぎw 暗黒面のフォースの使い手ならあれは分かるだろ。まあ、前の皇帝もダースベイダーに投げられただけで死んだけどね。
・シリーズのヒーローであるべきルークが精神的に弱すぎw 自暴自棄な弱い姿なんて見たくなかった。レイをジェダイとして一人前にするとか、最後に大役を果して欲しかった。
・フィンの話とレイの話が交互に進行するが、どっち付かすで両方とも中途半端感がある。
・ローズって役はいったい何だったんだろう? 作品の基調になっている日本人(武士道)への憧れ?と思いきやベトナム系アメリカ人だし。
結局、ハンソロもルークもいなくなったし、レイヤ役のキャリーフィッシャーはほんとに亡くなってしまったから、過去の主役を全員リセットして、新たな展開を目指すって趣旨なんだろうね。
しかし、過去の栄光を超えるのは並大抵ではないだろうねぇ…
全体的に雑
新旧三部をリスペクトしつつ、かつ差別化を図らないといけないわけだからローグ・ワン等のフォーマットを踏襲すればいいスピンオフとは事情が違うのは分かる。しかし、それを考慮しても各所の雑さや詰めの甘さはいかんともしがたいように思えた。
まずルークの描写が酷すぎる。伝説のジェダイも挫折感に打ちひしがれ偏屈になった中年でしかなく、まるで威厳がない。弟子(レン)を正しく教育できないショックであの尖閣諸島みたいなところに引きこもってたんだろうなというのは前作の時点で予想できたけど、まさかレンの暗黒面の深さにビビって寝首を掻こうとしていたというあまりにも情けない理由が明かされるとは(しかも反撃されて逃げられるのは…っていうかレンと共に逃げた弟子はどこ行った?)。結局レイに修行らしい修行も伝授できてないけど、そもそも彼女は素人なのに初戦でいきなりレンをダウンさせてるし、これに関してはもう大したことではないですね。まあ彼は若い頃より自分の意思で修行に臨んだはずなのに、師匠に出来ない出来ないと文句ばかり言うような人間であり、元から後進を教授する器ではなかったのかもしれないから、むしろ自然なのかもしれないけど、せめてもう少し老成したマスターらしさを見せてほしかった。だってこれ勧善懲悪のエンタメ作品ですよ?
次に余計なシーンが多い。ファースト・オーダーの追跡を止めるコードを破れる人物を探すためにフィン達が出ていくけど、敵の追撃から必死で逃げてる時に何悠長なことやってるんだろうっていう感じ。しかもそのあとの星(カジノや競馬の描写にひねりがない。南仏の観光地にでも着いたのかと思った)に着いてからの描写もフィンの人間性を強調したかったのかもしれないが、早くもジャージャー・ビンクス的な評価をされてて苦笑するしかない新キャラのローズは強欲な金持ちが貧者を食い物にして戦争を煽ってるんだ!という取ってつけたようなプロレタリア論を口にするばかりで正直必要性を感じなかった。というか燃料切れかけてる死に体の船相手にいつまで経っても追いつけない、シールドも破れない(普段は簡単に当たるくせにこういう時だけ都合よく全弾ブロックできる!)ファースト・オーダーの艦隊が間抜けすぎる。またこの追撃戦がダラダラと緊迫感に欠けており、いつまで追いかけっこやってるんだと思ったら唐突に「あそこの星に反乱軍の古い基地があるらしい!そこに逃げ込むぞ!」となるし。あんなにハッキリ星が見えるくらいまで来てたなら最初からそこに向かえ!あとポスターにまで出てるからにはソロに代わるチューイの相棒なのかと思いきや単に窓から部屋に入り込んだスズメ程度の存在だったポーグ…
こういう余計な部分がある一方で、スノークとは誰だったのかとか、何故レンは彼に師事していたのかとか、レイの出生の秘密はといった、前作でそれとなく伏線張ったはずの、観客が特に知りたがったであろう部分は全く触れられないか、さして重要じゃなかったのが残念すぎる。次作で回収するつもりなのかもしれないとしても、スノークは死んでしまった以上触れられることはなさそうだし、特にレイのくだりは「ギャグマンガ日和」のソードマスターヤマトかと思うくらいあっけなかった。私もフォースの強い親のもとに生まれたのかと思ったがそんなことはなかったぜ!
後はフォースの扱い方が良くない。一応は超能力に近い扱いを受けていたけど、一部の限られた使い手だけが予知夢を見られる、相手が近いところにいるのは分かるけどあくまでぼんやりとしたもので、呼びかけも具体的な音声を伴わない感覚的なもの、といった決して何でも出来る万能の神通力ではなく、五感が発展していったような、非合理的な神秘の力という解釈だったと思うんだけど(だからこそEP1のミディ=クロリアンというあまりにも無粋な設定は無かったことにされた)、今作では遠く離れた者同士姿もハッキリ知覚できて会話もするし(アダム・ドライバーの肉体は素晴らしいが、そんなサービスシーンは要らない…)、幽体離脱して戦闘もできちゃうし、果ては宇宙空間に放り出されても無意識の力で生還できるし(ここはもうギャグにしか見えなかった)、まさになんでもありでフォースの絶妙な概念を損なってしまったように思えた。ルークはそんな今まで見たことも聞いたこともないような珍妙な能力を披露して力尽き、フォースとなり消滅するくらいなら生身で出向いた方が良かったと思うんだけど、長期化した引きこもり状態からの外界への復帰はそう容易ではないという事でしょう。
良かったところといえば、オープニング・タイトルの一部にEP4のメロディを引用していたことと、R2がルークに出会ったばかりの頃のレイアの映像を見せるところ(ここはルークでなくても感傷的になるはず)、ようやくルークとレイアが再会できたところ等の同窓会的な懐かしさを感じさせるシーンがあったところ。またミレニアム・ファルコンは相変わらずカッコいい(どんなに内容がダメでも「タイ・ファイター・アタック」が流れる中疾走する定番シーンはシビれるとしか言いようがない)。むしろ今作のヒーローはルークでもレイやフィンでもなくファルコンなんじゃないかと思うくらい。
全宇宙を一つに繋げるフォースも暗黒面の力もディズニーの金満体制には勝てなかった。そんな状況で最後にどんなオチをつけてくれるのか、腐ってもスター・ウォーズ、期待しない程度に期待したいと思います。
こんなことがあって良いのか…
【乱文長文失礼いたします】
今年を締めくくるに相応しい超大作!前作は確かにつっこみ所はありましたが、個人的には好きで4回ほど劇場で見たので、今回もどんな内容なのだろうとワクワクしながら公開初日に行ってきました。
結論としては毎月15日の割安で鑑賞できる日だったのが唯一の救いです。見終わったあとにこれまで先人達が築き上げたSWを今作で破壊された深い悲しみと怒り、そしてこの映画に自分は2年間も期待し続けていたのか…という言い知れぬ虚無感に襲われてしばらく動けませんでした。
細かく書くと本当にキリが無いのでざっとですが、全体的にミスキャスト(特にローズが絶望的に作品の雰囲気に合っていませんし、失礼ながら彼女の色恋沙汰を期待するファンがどの程度いるのでしょうか)、シリアスな場面にすら数多く展開される全く笑えないジョークの数々(これは本当にキツかったです…)、見ていて引き込まれない宇宙での戦闘シーン、ライトセーバー戦の迫力の無さ(特にレイは雄叫びを上げて無軌道に相手に向かっていくだけでEP7の方がまだ強かった気さえします)、その他諸々によって全体的に非常に薄っぺらい作品に成り下がっています。それでいて上映時間がシリーズ最長の150分なのが何とも…
また、今回はアクションではなくストーリー面に力を入れていたと解釈しても、どちらかと言えばアクション以上にそちらの方が雑然として壊滅的で言葉もありません。レイアもあの局面ではそのまま退場させた方が明らかに自然だったでしょうし、個人的に「強大な悪」としての役割を楽しみにしていたスノークに至っては唖然としました…。魅力的で強い悪が存在することで面白くなるという考えは無いのでしょうか。せめてレイとレンの共闘の末ようやく倒したくらいの扱いでも良かったのでは…。カイロレンはEP7から変わらず癇癪持ちの小物感が溢れていたので今更ファーストオーダーの最高指導者かつEP9のラスボスとして出されても非常に違和感があります。
ここまで壊滅的な状態にしてEP9をどう撮るつもりなのでしょうか…
個人的にはJJ氏が3作続けてメガホンを取って欲しかったですが次回作には復帰するそうなので陰ながら応援しています。
ルーカスの関与が求められる②
今までの登場人物が新しいシリーズと共に入れ替わっていくのはやむを得ないところでしょう。そんなことはファンはさびしい気持ちと共に理解をしているのだ。
今回、多くの人ががっかりしたとか失望したという以上に怒りがこみ上げて収まらないでいるのは、エピソード8が今までのSWの世界観を破壊してしまった作品である上に、今までの登場人物を不当に貶めてしまっていることがあるからだ。
ルークは父親をダークサイドから引き戻した人物である。甥の闇が広がっているからといって、殺そうとするだろうか?ルークはそういう人ではないだろう。もし人柄が変わったというのであれば、その背景を描かないと納得できるものではない。
また、ファーストオーダーの戦力はあれがすべてなのか?
もし他に戦力があるならば、挟み撃ちにしてレジスタンスを攻撃すればいい。あの程度しかないのであれば、ファーストオーダに反発する戦力は恐れずにすぐ集まって来るのではないだろうか。
また、スノークの弱さは何?
フォースの解釈は何なの?
ジェダイとは?
ライトセーバー、フォース、戦闘シーンがあればスターウォーズなのか?違うだろ!
新しい登場人物とうまくバトンタッチできていない。
設定や定義を変えるのであればそれはルーカスでしかできないこと。
ファンの声を結集してもう一度作り直してほしい。
これは単なるディズニーの映画で有ってSWではない。
ルーカス卿に再登場してほしい。
若干否定的
レイトショーで観てきました。
終わりが24時を回るのにほぼ満席。中にはかなり御年配の方もいらっしゃって、流石スターウォーズと実感した次第です。
端的に感想を述べると、娯楽映画としては四捨五入して星4、ファン目線で星2、間をとって3といった所。
やはりディズニー、前作にも増してPOPな作りで押させる所は押さえてる印象。笑いあり、涙あり、可愛らしいキャラクターも登場しています。
しかし、ファン目線だと正直言ってその要素は要らないかと。特にあの可愛い奴、完全に愛玩用でしかなく、商業展開が透けて見えます。
あと一番気になったのが脚本です。
基本的に展開が目まぐるしく変わり飽きさせない内容ですが、どうも下手なノーラン映画を観ているような感覚。
ノーラン監督は一応合点のいく形で伏線なり疑問点を回収しますが、この監督は回収出来ていない。
フィン達の作戦は一体何だったのか、そもそもレイアから変わった司令官はなぜ作戦を隠したのか。
なんだか、上層部だけで勝手に意思決定をして末端の平社員には情報が降りてこないダメな会社みたいな事をしている。
ここに時間を使うのならもっと、ルークとレイ、マスターとパダワンの関係描写に力を入れて欲しかった。
あとレイアの一件、笑いを堪えるのが大変でした。流石にやり過ぎでしょう。絶対一回死んでるし、そこから復活したのならもはやそれはダークサイドの力ではないでしょうか。
さりげなくアクバー死んでるし。
とまぁ、結局否定的な意見を書き連ねてしまっている(まだまだ言いたい事は有ります)のは私がスターウォーズが好きだからであって、色眼鏡なしで観れば楽しめる映画でした。特にルークとヨーダのツーショットがまた観れたのは嬉しいことです。多分ですがヨーダはCGでは無くパペットを使っている様でそこもまた良いですね。
今年最後の大作観て損はないと思いました。
無駄に長いシリーズ随一の駄作
筆者は小学生の時に『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』を映画館で観ている。
(邦題はその後ビデオ化などの際に、正しい邦訳の「ジェダイの帰還」に変更され現在はこちらに統一されているが、筆者が観た当時は「ジェダイの復讐」であった)
スター・ウォーズの世界観は好きだが、正直な話小学生ながらに子ども騙しの映画だと思った。
当時は戦いでバタバタ死んでいく人の良さそうなイォークを可哀想に思ったものである。
(本作にも知性のないイォーク劣化版みたいなポーグという鳥?が登場している)
その後21世紀間近の1999年からエピソード1が始まり、筆者はむしろこの新シリーズにスター・ウォーズの奥深さを見出した。
さて2015年からエピソード7に当たる「フォースの覚醒」が始まったわけだが、新シリーズのあの人間ドラマはどこへやらといった浅いSFドラマが展開されるのにビックリした。
日本では黒澤明作品の『隠し砦の三悪人』のキャラクターがC3POやR2-D2の元になったとか、ジェダイは時代劇の「時代」から来ているとか、そこばかりが取り上げらる。
たしかにチューバッカの名称も大馬鹿よりましの「中馬鹿」から来ているし、オビ=ワン・ケノービも「帯ONE、黒帯」らしいが、日本由来はコスチュームなどのデザインやキャラクターに関してだけである。
むしろその世界観に影響を与えているのはジョーゼフ・キャンベルという神話学者の唱えた理論である。
筆者も彼の著作になる『千の顔を持つ英雄』や『神話の力』『生きるよすがとしての神話』を読んだが、古今東西の神話の共通点や構造が分かり易くひも解かれていて大変面白い。
これら著作を読んだ上で改めて「スター・ウォーズ」シリーズを見直すと、なるほどいかに影響を受けたか、神話性を織り込んでいるのかがわかる。
少年が旅立ち、新しい経験を積んでそれを持ち帰って一族に栄光や恩恵をもたらすこと、また父の存在を超えるために父殺しをすること、この大きな2つのテーマが様々な神話に共通しているらしい。
師弟や父子の葛藤はこの作品の大きなテーマであり、旧シリーズのルークが修行をしてジェダイ=英雄となって帰還するのはまさにこのテーマを踏襲している。
ただしルークはアナキンことダース・ベイダーに止めを刺さなかったので、キャンベルは「完全な神話でなくなったのが惜しい」と残念がったようだ。
エピソード1〜3の新シリーズはアナキンが闇落ちしてダース・ベイターになるまでを描いているので神話の2大要素から遠ざかるかと思えば、実は2つの要素を上手く消化できないことで闇落ちしたと取れなくもない。
オビ=ワンをはじめヨーダやメイス・ウィドウなどの歴戦のジェダイ・マスターたちがごろごろいるジェダイ評議会では、いくらアナキンが手柄を立てて帰還してもさっぱり褒められないし、元々実父のいないアナキンには父殺しは無理であり、母の酷死を機に闇落ちが始まってしまう。
アナキンはダース・ベイダーとなる一歩手前で父と仰ぐオビ=ワンを殺そうとするが、当のオビ=ワンからは息子ではなく弟と思われていたショックからか敗れてしまう始末である。
エピソード1〜3は神話性のアンチテーゼとも取れるし、エピソード1〜6までを通して見れば壮大な神話が完結するので問題ないとも言える。
ルーカスの構想ではスター・ウォーズはそもそもスカイウォーカーの物語らしいから、「フォースの覚醒」が封切られる前はエピソード7〜9がどのように展開していくのかとても興味があった。
実際カイロ・レンはレイア姫とハン・ソロの息子であるベン・ソロであり、スカイウォーカーの血を継いでいる。
おまけに形だけはハン・ソロを殺すことで父殺しまで果たしている。
問題は主役のレイで、ルークの子どもである選択肢はないとは思ったものの、アナキンの生まれ変わりなどどのようにスカイウォーカーと結びついてくるのか興味があったが、今のところ本作で明かされた真実は金のために両親に売られた単なる一般人らしい。
おいおい!
もちろん次のエピソード9でなんらかの血筋であることが明かされる可能性はあるが、本作の展開から全くその予感はしない。
またエピソード10以降も制作していくことが決定したらしいが、これ以降スカイウォーカーの血筋の物語にするには闇から帰還したベンとレイが結婚して子どもができるとか何らかの形でベンの子孫を残さないと苦しい。
それに既にベン自体がハン・ソロの息子なので、スカイウォーカー家の男系男子ではない。
子孫を残さずにベンが死んだ時点でスカイウォーカーの血は途絶える。
また血にこだわらないなら現在姓のないレイが「スカイウォーカー」の姓を名乗ることも考えられる。
いずれにしても「フォースの覚醒」と本作を観て大分神話性が薄れた印象しかない。
今のままエピソードを重ねてもただダラダラ展開するだけでつまらない単なるSFシリーズになっていくのは必定である。
新シリーズの展開に全く関与していないルーカスが「フォースの覚醒」を一時期つまらないと言っていたが、本作でその流れはさらに加速したのかもしれない。
神話には人種平等とか男女平等とか現代的なテーマは全くそぐわない。
むしろそれらを取り入れると神話は崩れる。
またファースト・オーダーはあれだけの大艦隊を用意しているにもかかわらず、ローラ・ダーン扮するホルドの捨て身ワープ攻撃の前に全滅するとかどれだけ間抜けなのかと突っ込みを入れたくなる。
あまりにもレジスタンスに都合良く戦局が展開しすぎる。
とにかく兵法を一切無視した戦術を取り続けて超が付くくらいの寡兵に敗れるファースト・オーダーは本当に銀河帝国を受け継ぐ覇者なのかと疑うくらいのポンコツ集団であった。
また宇宙に飛び出て生還するレイアにさすがはスカイウォーカーの血筋だ!と感心している場合ではない。
なぜあれほど他はバリアーで防いでいるのにバリアーが艦橋に効かないのか?
接近されたから?もっともらしい理由だが、レジスタンスも負けず劣らずの無能の集まりである。
ベンに殺されるスノークも首領のくせに相当な小物であったことが判明する。
せめてベンとレイの共闘に殺されるとか、何かなかったのだろうか?
最後のルークとベンとの闘いも今までの師殺しを意識しすぎたせいかホログラム化したルークが闘っている。しかも気力を使い果たしたのかルークが突然千の風になって死んでしまうなど理解に苦しむ。
どうせヨーダよろしく幽霊になってレイを訓練するなど次作も登場するのは目に見えているし、ベンに言った「また会おう」は幽霊になってなのだろう。
前作「フォースの覚醒」は今までの焼き直しと揶揄されたものだが、本作は見せ場を作るためにご都合主義が横行し、逆にシリーズの予定調和を壊そうとし過ぎて返って物語を壊してしまったとしか思えない。
このような酷い内容で無駄に長い150分は単なる拷問である。
3DCGが当たり前になってしまった現在、映像の綺麗さとか視覚的に真新しい要素は全くゼロに等しい。
むしろスノークにCG然としたカクカクと微妙な動きを感じる時すらあった。
一部IMAX上映劇場ではIMAX撮影箇所で上下に画面に広がるらしいが、だからどうした!映画は中味だろう!
とにかくあまりに酷い駄作っぷりにあくびの出る映画であった。
これだけグチャグチャにぶっ壊れた展開をいかに決着させるのか違う意味で次作のエピソード9が楽しみである。
全985件中、761~780件目を表示