「映像美は眼福だが、面白くはない」スター・ウォーズ 最後のジェダイ 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美は眼福だが、面白くはない
まず、今回は映像的にキマッているシーンが多いです。構図も、色彩も、いちいち格好いい。どこを切り取ってもそのまま紹介用の版権画として通用するシーンばかり。DCやマーベルがVFXを盛りに盛った超人合戦を繰り広げるなか、最近のスターウォーズは絵的にちょっと弱いかな?と感じていたので、そういう意味ではこの映像美はいいフックになると思います。
ただし肝心のシナリオが弱く、ドラマの見せ方もあまり上手くないため、映像が映える割には映画としての面白さが伸び悩んでる印象を受けました。今作の全編に渡り言える事は、観客へのストレスのかけ方と、その抑圧からの解放が下手(というかほぼ存在しない)かなと。そこが過去のシリーズ作とはだいぶ違います。端的に言えば、今作は全然「ハラハラ・ドキドキ」しないんですね。良かったーと胸を撫で下ろしたり、こいつ許せない・・と腹が立ったり、そういう観客の感情を揺さぶる演出が弱い。シナリオ的にも、カイロレンがダース・ベイダーの、ルークがオビ=ワンの、フィン&ポーがハン・ソロの役割を担えていない・・いないのに、中途半端に1stシリーズをなぞらえるから、どうしても消化不良気味になる。これならいっそ、全然違う構成にした方が良かったと思いました。
それから、所々仕込まれた「笑って欲しいんだろうな・・」という小ネタが尽く滑っていたのがちょっと気になりました。自分の観た回だけかもしれませんが、いたたまれない感じでしたね。
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