「ジェダイには“ユーモア”の力が必要です」スター・ウォーズ 最後のジェダイ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェダイには“ユーモア”の力が必要です
三部作の真ん中で、ブリッジを担う重要な章である今作、この長い上映時間でどれだけ唸らせることが出来るか、お手並み拝見といった気持ちで鑑賞。
ストーリー展開としては、主に3つの話が同時進行みたいなある種の群像劇的構成で進められていく。そしてラストに向けて収束されていくシークエンスの造りである。
そして今作、とにかく注目せざるを得ない繰り返し現われるテーマがある。それは、『犠牲』と『ユーモア』。前者は、常に何かを成し遂げるために、特攻隊のようなシーンが数多く登場する。特にラスト前のレジスタンス側の輸送船がワープでドレッドノートへ突入するシーンでの一人残った女性指揮官がそのテーマを如実に物語っている。
それ以上にしつこい位出てきたのが“ユーモア”。ギャグという程ではないが、例えばルークがレイをからかうシーンなど、緊張感が先行するシーンで、しばしば差し込まれる。これは好き嫌いが分かれるところではあるだろうが、自分的には寧ろ好意をもって受け止めた。多分、余りにも重すぎるドラマティックな内容の為、所々に弛緩がないと頭を切り換えられない理由なのだろう。
カイロ・レン役のアダム・ドライバーのお坊ちゃま然の雰囲気はまだ未だにスターウォーズの世界に馴染めず、どうしても映画『パターソン』のイメージを引き摺ってしまっているのは、あの長髪のせいなんじゃないかと、どうして髪型変えなかったのだろうかと余計な念を抱いてしまう。
まぁまぁ、細かい部分を上げればキリがないが、ブリッジとしての今作は可もなく不可もなく、無難な流れだったのではないだろうか。
ラストの男の子のシーンが、次回への強烈なアタックになるのではと勘ぐりつつ、満足出来る内容であった。