劇場公開日 2017年5月12日

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「全部のせ!豪華トッピングの贅沢な映画」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全部のせ!豪華トッピングの贅沢な映画

2021年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジェームズ・ガンがどうやってこれほど独創的なエンターテイメント作品を生み出したのか、想像もつかないが、魅力を語れば数限りなくあげられる映画。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」
続編はさらに期待を上回る出来だった。!!

個人的には、神様とか、創造主とかそんな敵役を登場させてしまうのには最近辟易としている。アベンジャーズにおけるヴィジョン、X-MENにおけるアポカリプスは単体で、数万人の死者を出してしまうほどの災厄をもたらす存在で、近年のヒーロー映画は敵のスケールがでかくなりすぎるきらいがある。今回、リミックスも手に負えないギリギリのスケールで相手が大き過ぎる。お話が荒唐無稽に陥る落とし穴だろう。そのバランスを埋めるのが、皮肉屋のロケットと、好奇心の趣くままに振舞うベイビーグルートの存在に他ならない。

前作で、アクションSFに70年代ポップスを融合させるという、ひとつの革命を起こした「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」

今回もやってくれた。ベイビー・グルートだ。これは発明と言ってもいいレベルのアイデアだろう。幼児と宇宙船の組み合わせ。思いつきそうで誰も思いつかなかったアイデア。このキャラクターの加入で、リミックスは大成功と言っていい作品になった。
この組み合わせで思いつくのは「ファントム・メナス」言わずと知れたスターウォーズの4作目だが、少年アナキンはあの世界にハマってなかったように思う。戯れに押したボタンがたまたまブラスターの引金で、帝国のドロイドが一斉に機能を停止するギャグは、アナキンやジャージャーの魅力が足りなかったせいで、あの映画を台無しにした。と私は思っている。

ご機嫌なダンスナンバーに踊ってみせたり、窓にへばりついて船の外を見つめていたり。。。本来、子供はこんな風に振る舞うだろう。抹殺しようと追いかけてくる膨大なドローンたちから必死で逃げるピーターの宇宙船の後部座席で、ポップコーンをほおばるグルート。おかしくて、かわいい。それだけでも、この映画を見に行く価値は十分すぎるほどある。

ほかにも魅力的なキャラクターが、この映画を素晴らしく彩っているが、語るべき要素はこれだけではない。

映画館に足を運ぶいくつかの動機は
・胸が躍るようなアクション
・ヒーローを体現する人気スター
・誰かに話したくなる魅力あるストーリー
・見たこともない宇宙船、武器、映画の世界観
・素敵に共感できる音楽
・画面の隅々に仕掛けられたトリビア
まるで、トッピング全部のせとでも言わんばかりに、この映画にはすべての要素が揃っている。前作を楽しめた人はきっと、今回もお気に入りの映画になるはず。

もちろん続編も楽しみにしているが、気になることがいくつかある。原題はvol.2なのに、邦題に「リミックス」とつけてしまったので、日本での3作目は厄介な問題を抱えることになる。もう、今の時点で、続編の予告がなされている。いったいどうするつもりなんだろう。「リ・リミックス」とか「超絶マックスチューン」とか、センスのない邦題になりはしないか心配だ。

余談だが、劇中、デビッド・ハッセルホフ=ナイトライダーについてのスターロードの発言に、隣で見ていたネイティブのアメリカ人らしき人が大爆笑していたが、意味が良く理解できなかった。どうやらガモーラが「俺の父はデビッド・ハッセルホフだ。」とうそぶくスターロードの話を半分も理解していなかったことがおかしかったのか。

2017.5.13

うそつきカモメ