「"4DX3D吹替版"と、"MX4D3D字幕版"のハシゴをしてみた」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"4DX3D吹替版"と、"MX4D3D字幕版"のハシゴをしてみた
数えて5回目の「ローグ・ワン」は"4DX3D吹替版"と、"MX4D3D字幕版"のハシゴをしてみた。
思うに、SWは後付けのサーガやウンチクも面白いのだが、その原点は<荒唐無稽な世界の宇宙戦争に、妄想を膨らませる>ことにあって、ゆえに"Star Wars"というタイトルなのである。
「ローグ・ワン」においては一見、シリーズ特有の"親子の物語"(ゲイレン・アーソとジン.アーソの父娘)の恰好をしているが、ギャレス・エドワーズ監督は、"X-Wing"と"TIE ファイター"の戦闘機が絡む後半クライマックスを徹底的に盛り上げて、SWの魅力の本質を教えてくれる。もともとミニチュア模型による特撮映画なんだということの再確認である。
われわれ"日本人"は、"英国人"のギャレス監督に「GODZILLA ゴジラ」(2014)で、ゴジラの醍醐味を再認識させられた。昨年の「シン・ゴジラ」はその影響を受けている。そしてこんどは"米国人"に、「SW」のあるべき姿を提示する。しかも主役のフェリシティ・ジョーンズも英国人だったりする。
翻って、4D上映を考えると、これまで「SW」が果たしてきた視覚・音響効果の革新を、見事に引き継ぐシステムである。あえて"4D嫌い"な人を説得するつもりはないが、40年前の"エピソード4"で空想していた、あんなことこんなことは、VR効果としていまここにあるのだ。
2バージョンを連続で観ると、スペックの異なる"4DX"と、"MX4D"ではチューニングもだいぶ違う。もともと"4DX"は水(ミスト)が得意だが、「ローグ・ワン」では惑星イードゥー(帝国カイバー精製所)の雨のシーンくらいしかアドバンテージがない。しかも本作で雨はそれほど重要でない。
一方でモーションシート(可動座席)は”4DX"が徹底かつ連続的な演出に対して、"MX4D"ではメリハリをつけている。"MX4D"のシートホッパーと側面フラッシュは相変わらず過剰であるが、感激したのは劇中の"ハイパースペース(Hyperspace)"への加速感。断然"MX4D"の方がいい。これはシートのピッチモーションとともに、ひじ掛けにあるエアーのピンポイントタイミングが絶妙なのだ。"4DX"のフロントエアーはワイドエリアなので、このワザは使えない。
「フォースの覚醒」(2015)では"4DX"のほうが好きだが、「ローグ・ワン」は"MX4D"の方がいいと思う。