「希望を繋ぐリレー」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
希望を繋ぐリレー
スターウォーズシリーズは一応全部見ていて、まあ好きっちゃ好きだけど、作品自体に大した思い入れは無い。
そんな僕から言わせてもらうと、はい。
最高でした。
ええ、最高でした。
「新たなる希望」を観直したのですが、今まで何度も観てきた作品を、全く違って印象で観ることが出来ました。
バタバタと倒されていく名もなき兵士達を見て、こんなに悲しくなったことは無いですし、こんなに反乱軍を応援したくなった事も無いです。
デス・スターを爆破した時の達成感と言ったら、初めて観た時とは比べ物になりません。
そりゃ結末は分かりきってますが、実際にあんな命懸けの姿を見せられたら、見方も変わりますよ。
フォースとライトセーバーが無いとスターウォーズじゃないっていう意見もあります。
確かに。
見たいよね、ブォンブォン。
感じたいよね、念力。
しかしですよ。
個人的にはスターウォーズのキモは「世界観」だと思うんです。
それで言うとこの作品、完全にスターウォーズじゃないですか!
というかもう、なんか知らないけどスターウォーズ関係なく感動しちゃったんですよ。
大人に成長した娘と15年ぶりにやっと再会できた瞬間に死んじゃう不憫な父親。
その父親に感情移入しちゃった時点で、おじさんは号泣なワケですよ。
やっと愛娘に会えたのに、救いはねーのかと。
しかし、ことごとく人が死んでいくんですね。
主人公の母親から始まり、主要な登場人物達は大体居なくなります。
表現はちょっと悪いですが、この「死のリレー」を監督は描きたかったんじゃないかと思います。
クライマックスからラストに至る場面なんかは、データディスクを手から手へ渡していくあの命懸け感がたまらないです。
たぶん、名前もない一兵士に「必死に走る」という運動をさせてるから、僕は感動したんだと思います。
主人公さえもそのための繋ぎでしかなく、死のリレーの途中でしかありません。
辿り着いた先は、もちろんレイア姫。
ちゃんと出演すると知らなかったので、本当にビビりました。
そこからいつものエンディングテーマ。
そこまでシリーズへの思い入れは無いはずなのに、もう感動しっぱなしで、大好きになってしまいました。
僕はこのスピンオフ、大成功だと思います。
余談ですが、ブレイド2以来、ハリウッドで大した活躍をしていなかったドニー・イェンが最近、おいしい役でハリウッド映画に出始めてくれています。
カンフー映画好きとしては嬉しい限りです。