劇場公開日 2016年9月17日

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「世界のどこかにBFGがいる」BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント REXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5世界のどこかにBFGがいる

2018年3月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

単純

笑える

両親のいないソフィー。
ずっとビクビクしながら生きてきたBFG。
「昔の巨人たちは優しかった」とBFGがマルノミたちをたしなめていたので、もしかしたら心優しき他のBFGたちは、マルノミたちに殺されたり追放されたりしてしまったのかな…などと深読みもしてしまう。

はっきり言って話は大したことはない。人間に夢を吹き込む仕事をしているBFGがたまたまソフィーに見られてしまい、他の人間に知られることを恐れて拉致してしまう。
その後はマルノミら人間を食べることが大好きな巨人たちからのソフィー「隠れんぼ」をスリリングに描くのみで、一つ一つの場面も少し冗長に感じる。

他のファンタジーとちょっと違うと思ったのは、巨人退治のお願いをしに、バッキンガム宮殿の女王陛下に会いに行くところ。現実世界で超有名な場所をファンタジーに持ち込むのはかなりリスキーだと思うが、二つの世界が上手く調和した。
頭の回転がとてつもなく早い女王陛下の毅然とした態度や、どんな相手でも最大限のおもてなしをする、英国紳士淑女たちの振る舞いが滑稽でかつ微笑ましい。
すれ違いや誤解からBFGが政府に襲われるなど、ストレスのたまる展開にならず一安心。

BFGが都会の闇に紛れて移動する場面や、巨人の国の場所のぼかしかたが上手い。人間は見ているようで、見たいものしか見ない性質をよく捉えているなぁと。

それだけ闇というのはファンタジーに不可欠だし、想像力を掻き立てる。BFGは世界のどこかで子供たちの声にずっと耳を傾けているのかもーー。なんて素敵な世界観は、Peter Panのネバーランドと一緒。

ラストシーンは、ソフィーは孤児院から引き取られたのかな?BFGの書く本は、ソフィーのことかな?などと想像し、胸がじんわりとした。

REX