10 クローバーフィールド・レーン : 特集
「あの傑作の続編なのか?」「なぜシェルターにいる?」「“ヤツら”とは何か?」
映画ファンの期待はMAX! J・Jが再び仕掛けた謎を、映画.comが解き明かす!!
「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のJ・J・エイブラムス監督が、傑作SFパニック「クローバーフィールド HAKAISHA」と同じタイトルを持つ「10 クローバーフィールド・レーン」をプロデュース。「クローバーフィールド HAKAISHA」の続編なのか? なぜ密室にいるのか? そして“ヤツら”とは? 6月17日に公開を控えた謎の映画を、映画.comがいち早く鑑賞してきた。
SNSでは、結末や内容に関して、映画ファンによる大議論が展開中!
そして最大の争点は、あの傑作「クローバーフィールド」の続編なのか? 否か?
あのSFパニックの傑作「クローバーフィールド HAKAISHA」と同じ言葉が冠せられた、謎の映画が登場した。その名は、「10 クローバーフィールド・レーン」。プロデューサーは、「クローバーフィールド HAKAISHA」と同じく、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」で世界的大ヒットを記録したことも記憶に新しいJ・J・エイブラムス。今年1月に特報が公開されると、すぐさまTwitterを中心に「これは一体どういう映画なんだ?」「J・Jが手掛ける以上、普通の映画であるはずがない!」と映画ファンは大盛り上がり。「クローバーフィールド HAKAISHA」はもちろん、「SUPER 8 スーパーエイト」、ドラマ「LOST」と、謎が謎を呼ぶ宣伝展開で見る者の想像をあおってきたJ・J・エイブラムス作品ならではの現象が巻き起こっている。
なかでも、映画ファンの最も気になる点は、「『クローバーフィールド HAKAISHA』の続編なの!?」ということ。SNSでは、「前作とつながりはあるのか?」「今回の映画は『クローバーフィールド HAKAISHA』とまったく関係ない映画なのでしょうか?」との言葉が飛び交い、「密室サスペンス、パニック、モンスターなどなど、自分が好きな要素が満載映画な気がする。大期待!!」「まったくの続きなのか、ニューヨーク以外の場所ではこんなことになっている……という別の話なのか……。タイトルが同じである以上、どんなつながりがあるか早く知りたい」と、断片的な情報から内容を予想する人までが現れているのだ。
「クローバーフィールド HAKAISHA」「SUPER 8 スーパーエイト」の際には、裏設定や裏サイトまでを用意し、情報のコントロールで映画ファンを翻弄したJ・J・エイブラムス。今回もすでに「本作は、『クローバーフィールド HAKAISHA』と同じDNAを持つ作品」と公言しているが、どこまでその言葉を信じていいものか……。「いま出ている情報から何かを想像してはいけない。頭の中を空っぽにして見に行くのが吉」という映画ファンの言葉に代表されるように、情報にあおられ、真相を確かめに映画館へ行くのが、J・J・エイブラムス作品の正しい楽しみ方。映画好きの期待が最大限に高まっている本作こそ、見逃せない要注目作なのだ。
「見たくてたまらない!」その気持ちは映画.comも一緒……ということで見てきた!
謎の一部を、映画ファンだけにこっそり明かそう!
果たして、「10 クローバーフィールド・レーン」はどんな映画なのか? とにかく「見たくてたまらない!」。映画ファンと同じ居ても立ってもいられない気持ちに包まれてしまった我々は、マスコミ向け試写会に潜入し、いち早くその全貌を目撃してきた。スクリーンに映し出されたのは、実に驚くべき内容だった。そのすべてを語ることは、映画ファンの楽しみを奪ってしまうため避けたいが、映画.comが目撃してきたその一部(これがまたさらなる想像をかき立てるのだが)をここでは紹介しよう。
予告編でも公開されているが、主人公ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、自動車を運転中に突然事故にあう。その時に仲たがいした彼氏と電話で話しているのだが、その声の主は、あのブラッドリー・クーパーなのだ。J・J・エイブラムスとは01年の「エイリアス 2重スパイの女」に出演して以来の仲だというが、それだけで3年連続アカデミー賞主演男優賞ノミネートの名優が出てくる(それも声だけで)だろうか? これはさらなる続編への布石ではないのか? 我々はそうにらんだ。
事故にあったミシェルが目を覚ますと、そこはジョン・グッドマン演じるハワードが作った地下シェルターの中だった。ハワードはミシェルに「事故でケガをしていた君を助けた」と話し、自力で逃げ込んできたというエメット(ジョン・ギャラガー・Jr.)との3人による奇妙なシェルター生活が始まる。ハワードが話すには、外では大規模な戦闘が行われており、そのために「絶対に外に出るな」というルールが取り決められる。果たしてハワードの話すことは本当なのか?という疑念が頭の中をグルグル回るなか物語は進み……そして、外に出るのか出ないのか、自分ならどうするのか?と決断が試される非常事態に突入するのだ。
「『クローバーフィールド HAKAISHA』とのつながりはないのか?」と目を皿のようにしてスクリーンを見つめていた我々の目前に、あるアイテムが! それは、「Slusho!」というドリンク。熱心な映画ファンなら覚えているかもしれないが、このドリンクは「クローバーフィールド HAKAISHA」にも登場しているのだ(前作のオープニングで開かれる送別会は、このSlusho!のマーケティング担当として日本の本社へ転勤する主人公ロブを送り出すもの!)。これは「クローバーフィールド HAKAISHA」と同じ世界観であるという証明。強く関係していることを示す決定的な証拠ではないか。
シェルターの主であるハワードを演じるジョン・グッドマンは、「彼が出演していれば、この映画は面白いはず」と目の肥えた映画ファンに言わせるほどの安心印。「アルゴ」「フライト」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」など、数多くの作品で印象深い好人物を演じてきた彼だが、今回もこれまでと同じ良い人(グッドマン)なのか、それとも悪い人(バッドマン)なのかと、その振る舞いに戸惑いを隠すことができない。彼の話は本当なのかウソなのか……謎がたっぷりなハワードの存在に、映画ファンの間で飛び交っている予想にも注目だ。
あらゆるところに謎がちりばめられているJ・Jエイブラムス作品だけに、劇中で映し出される映画や流れる音楽にも「何らかの意図があるのではないか?」と思わずにはいられない。シェルターには映画(だがVHSビデオ!)やジュークボックスが常備され、パニック映画やラブ・コメディを3人が仲良く見ているシーンが登場したり、往年のヒット曲が流れたりする。なぜここで、この映画が画面に映し出されるのか? なぜ今、この曲が選択されるのか? すべてに意味があると思うのは考えすぎなのかと思ったが、ある映画が後の主人公の行動とつながっていることが分かったときは、戦りつが走った!
ミシェルはついにシェルターの外に出ることを決断するが、そこからはまさに怒とうの展開だ。見ているこちらもそのスリルと緊張感に手に汗握る。だが、驚きはそれだけじゃなかった。外に出たとき……そこにはまさに想像を超える光景が待ち受けていたのだ。本作の予告編やポスターのビジュアルで、すでに“ヤツら”の一部が公開されているが、それがいったい何なのか、どういう意味を持っているのかが明らかになる。真相は絶対に言えないが、これだけは言っておこう。登場するヤツらは、すでに知っていた1匹だけではないのだ。
これまで見てきただけでも「クローバーフィールド HAKAISHA」との関連性は明らかだったが、さらに驚いたのは、ちゃんと本作のタイトル「10 クローバーフィールド・レーン」の意味までが本編で明かされること。クローバーフィールドとは、元々はJ・J・エイブラムス監督の事務所があった通りの名前だが、本作での展開を見ても「なるほど!」と納得してしまうのは確実。その真相は、ぜひともその目で確認してほしい。
映画評論家/ライター陣も“ヤツら”に襲われた!
映画のプロたちが見た本作の評価は、果たしていかに?
謎に包まれた本作をいち早く目撃したのは我々だけではなかった。映画評論で活躍する評論家、ライターの5人も、緊張感と予想外の展開が待つ本作に引き込まれた。最後に、熱い興奮に包まれた彼らの言葉を紹介しよう!