劇場公開日 2016年6月17日

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「カーテンは使えるぞ」10 クローバーフィールド・レーン 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カーテンは使えるぞ

2020年7月11日
PCから投稿

メアリーエリザベスウィンステッドを映画のなかに見ると、かならず思うのが、かわいすぎるってことである。とりわけ遊星やスイスやこの映画のように、horribleな主題をもっている映画に居るときほど、お嬢な顔立ちが、悪目立ちする。なんでこんな子が、こんなことになってしまっているんだろう──という感じである。

もちろん、それは隔意にはならず、歓心になる。
かんがみれば、ウィンステッドは不釣り合いが楽しい、という、かなり独自な立ち位置を築いた女優、といえるのではなかろうか。

wikiなんかをみると、けっこうな苦労人である。
Jimmy FallonかConanか忘れたが、インタビューか述懐にて、役の獲得に苦労したことを語っているのを聞いたおぼえがある。
デッドコースターの頃は女優としての進退に喫緊を感じていたのかもしれない。

やがて悪目立ちするお嬢顔を、むしろ武器に、一線女優になった。
マーベルにしては凡打を感じたハーレイクインにしても、もしハーレイがロビーでなくウィンステッドだったら、どんなに楽しかったろう──などと思ったりもしたのである。

前作はPOVのスタイルだったが、趣向を変えている。
唖然とするような、かなわない系映画だった。事実上、こんな映画をつくれるのはハリウッドだけである。

そしてやはりいちばん妙なのが、なぜウィンステッドなのかというところ。ウィンステッドだったから良かったのに、なんでウィンステッドなのか、を感じてしまう、不思議な女優である。なにしろ世俗やつれが全く感じられない。まるでカップケーキ売場で、フレーバーをかけてくれるお姉さんのようだ。

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津次郎